大河ドラマの2回目の放送。
脚本家三谷幸喜の力でドラマは、どちらかと言えばコメディー要素が多く、見ていてもそれほど退屈はさせない。
また、今回様々な情報から改めて知ったことだが、ナレーションを務めているのが長澤まさみ。
彼女が脚本家ご指名で決まったと聞いた。
長澤まさみが声優として評価が上がっているのは最近特に知られるところ。
ネットでは彼女のナレーションが、いまひとつ聞きにくいとか、雰囲気に合っていないとか様々なダメ出しも聞こえるのだが。
実は 今回のような、隣の部屋でヒソヒソと囁くような語り口は脚本家が何度も説明をして、わざわざこんな風に仕向けているらしいのだ。
それで納得。
このドラマはとにかく登場人物が驚くほど多い。
さらにはそれらの人たちを結びつけるエピソードも簡単には理解できないほど入り組んでいて、そこを丁寧に説明しようとしたら、果たして物語として面白くなるのかどうかといった素朴な疑問に突き当たってしまう。
ぼんやり見ていても登場人物の人となりがよく理解できて、ドラマが面白いと感じる時代劇は口で言うのは簡単だが、実はものすごく難しいのだと実感させられる。
目次
源頼朝と義時の逃避行
先週の流れを受けて、頼朝が北条家の館を抜けてて逃げるときの様子が冒頭に描かれていた。
わざわざ女の子の格好をさせて、姫と呼ばせるなど、それっぽく見せてはいたけど。
物語がここで描きたかったのは源氏を名乗る勢力は平家にたてついた家柄としてこの時は煙たい存在になっていたこと。
源氏をかくまう事はすなわち平家に逆らうこととも受け取られがちだった。
物語は平安時代末期。
朝廷を始めとする貴族たちが社会を牛耳っているようには見えていたが、実際に実権を握り始めたのは武士たち。
彼らは兵隊でありながら、政治的なこともこなす、世の中にとっては新しい勢力。
源氏は清和天皇からの流れをくむ由緒ある家柄。
対する平家も朝廷と結びついて、その格式を高めつつあったと言える。
平家の頂点に君臨する者として、世の中を牛耳っている感がプンプン。
彼に従えばその身分も活躍の場も約束されたと言っていい。
平家でなければ人でないとさえ言われた。
それぐらい平家に属する勢力は権勢を欲しいままにしていたのだ。
その平家に一度戦に負けただけで、五角に渡り合える勢力は源氏であることには違いなかったが、いかんせんその勢力の主なメンバーは皆粛清されて、源頼朝など1部が生存するのみとなっていたのだ。
物語のときの勢力図
これだけ大勢の人たちがストーリーの中に登場してくる。
それぞれに役割があって、さらには流れの中で胡散集合を繰り返したはず。
ざっくり見ても、知っている名前もあるが、知らない人がほとんど。
脚本家もこれだけの登場人物がどのように絡んでいくのかは、描き始めれば相応の説明が必要になるはず。
ポイントになるのはまず朝廷。
そしてその配下の勢力として平家。
平家の対抗勢力として源氏。
源氏を支援する家系として北条家。
そんな括りで理解するしかないかなと。
頼朝をめぐる女性たち
源頼朝はどうやら幾多の戦国武将がそうであったように無類の女好きだったようだ。
相当浮き名を流したものと思われる。
この当時、女性の地位は決して高いとは思えないが、その存在感で政治に影響を与えていたと思われる。
八重と政子の2人だけでやりとりするシーンが描かれていた。
物語の大きな流れの中ではささやかなエピソードにしか映らなかったが、ここでは頼朝がどれだけ女達と浮き名を流していたかがよくわかる。
八重は頼朝との間に子供を設けたが、その子供は惨殺されている。
本人はそのことを知らされていないよね。
そのことを知っているのは頼朝と1部の者たちだけ。
そして政子は自分自身のけじめとして、八重から頼朝を奪い取った形になる。
このやりとりのシーンが驚くほど秀逸だった。
源頼朝は女性たちからしても愛すべき存在だったかもしれないね。
頼朝の本心
この物語の中では北条義時はどちらかと言えばあまりやる気のない、嫌々何かをやらされる類の描かれ方になっている。
対する源頼朝は決して本心を明かさず、どちらかと言えば体裁だけを取り繕うような存在感の薄いお殿様。
頼朝が、義時に本心を明かすシーンがあった。
自分が、北条家に近づいたのは平家を討ち滅ぼすため。
戦を仕掛けて平家を滅ぼし、世の中を正しい状態に戻すと公言していた。
しかし、今はそれを公に明かすわけにはいかない。
北条義時にだけ正直に告白すると。
この迫力に圧倒される義時。
思わず臣下の礼をとって
はっ🙇🏻♂️
この瞬間、主君と家来の立場がはっきり。
北条義時はこの時から源頼朝の忠実な家臣になったと言える。
この後物語が回数を重ねるにつれて、様々な人物描写が受け入れられるようになるものと考える。