いよいよ始まった源平合戦だが、口火を切った戦いは決して大人数によるものではなかった。
わずか数十人の源氏の武士たちが、平家方の堤館と山木館の襲撃をすることで口火を切る。
ちなみに源頼朝はこのときの襲撃には加わっていない。
この襲撃は北条勢がわずかな手勢を率いて企てたもの。
主人公北条義時はこの時がどうやら初戦だった様子。
物語の描かれ方も決して勇猛果敢なものではない。
おどおどと怯えながら奇声を発して相手に切り掛かる、そんな様子に描かれていたが。
やはり戦場となれば、父時政、兄宗時は度胸が座っていたと言える。
初戦は無事大勝利することができたが、ユーモアを交えながらも、実際は敵大将の首を切り落とすなど残酷なシーンもちらほら。
源氏の決起は初戦こそ勝つことができたが、次に続く戦では手痛い敗北を記すことになる。
さらには散り散りに逃げた頼朝の軍勢は、逃げる途中であらかたの兵隊を失うことに。
その中には兄宗時も含まれた。
目次
初戦北条義時
とにかく兵隊を集めることにかなりの苦労を強いられた。
平家全盛の世の中では、源氏のために力を貸そうなどと言う勢力はあり得なかったのだ。
かろうじて20数名の兵隊を集めて、当初の予定通り堤館と山木館の襲撃に成功。
初めて戦場に出るとなれば、それは気が気じゃなかろう。
北条義時はこの時14 〜15歳。
今で言えば、せいぜい中学生レベルの少年でしかないのだ。
刀を持って命のやりとりをするなど普通はありえないのだが、そこは歴史通りに描けば今日のような形になったのだろうと。
特に、敵方の武将にトドメを刺すシーン。
また、首を切り落とすシーンなど、テレビの放送コードで大丈夫なのかと思うほど残酷なシーンだったと思ったが。
この当時は、仕留めた敵の首をしるしとして持ち帰って大将に披露する。
とんでもない時代だったと思い知ることになる。
後に引けない源頼朝
初戦勝って、勝利を世の中に披露した源頼朝。
特に関東1円は自分が支配して政治的な力を振るうと宣言をする。
実はこんなことをすれば平家からとんでもないダメ出しが出るのは当たり前のこと。
しかし、妥当平家の狼煙を上げた以上、もう後には戻れない。
源頼朝は父が収めていた鎌倉を目指そうと決意する。
京都に対抗して、東の鎌倉で政治的な力を振るうことに目標設定。
最初の戦いで勝利したとは言え、そのまま順風満帆に、物事が進んでいくわけではない。
もし、平家が本気を出してつぶしに来たなら源氏はひとたまりもなく排除される可能性が大。
今日の物語で詳しく語られていたが、鎌倉へ向かう途中平家軍と睨み合う形で戦になったのだ。
酒匂川の氾濫で足止めされた両軍は、頼朝の軍勢が平家の挑発に乗って戦を仕掛け、結果としてボロ負けすることに。
この時に、あらかたの兵力を失うことになる。
このときの頼朝軍はおよそ300騎。
対する平家大庭軍は3,000騎。
およそ勝ち目のない戦に引きずり出されてしまう。
平家の反撃
もともと平家は源頼朝など眼中になかったはず。
いくら清和源氏の流れをくむとは言え、主な生き残りは全て粛清されて 頼朝以下数名が生き残るのみ。
まともな勢力など望むべくもなかったようだ。
しかしその頼朝がこの度、牙をむいて戦いを挑んできた。
もともと平家では頼朝を殺しておくべきとの意見も多かったようだ。
今日の物語の中でも描かれていたが梶原景時など、平家の勢力として打倒頼朝を目標にしているようだ。
特に数の上で圧倒的な差があった。
源頼朝の軍勢はやっとかき集めた300。
対する平家はとりあえず3000。
さらには加勢する勢力も仲間に引き入れられるような雰囲気。
源頼朝はいつ殺されても不思議がない位の大ピンチを迎えたと言っていい。
排水の陣
何とかして鎌倉まで赴いて政治的な主導権を握ろうと画策する源頼朝。
戦場で寝ていると夢枕に後白河法王が。
この時代は科学的でないこともまことしやかに信じられていた。
亡霊とかもののけとか、また生霊などもごく普通に信じられていたような。
そしてそれらの力を積極的に受け入れようとする気持ちも。
これを真面目な顔でやっていたんだから、開いた口が塞がらない。
平安末期から鎌倉にかけては、こういった時代だったんだろうな。
頼朝軍大敗北
石橋山の戦いで大敗北を喫する頼朝軍。
親方を死なすわけにはいかないので、北条の主だったメンバーで頼朝を護衛しながら何とか逃げ延びることに。
うそか本当かはわからないけど時政の言葉で、
“頼朝の首をとって平家に差し出せばまだ生き延びられるかもしれないぞ”と。
そうなると誰が味方で誰が敵なのかもわかったものではない。
こういったギリギリのやり取りの中、義時の兄宗時は戦場で不意をつかれて命を落とすことになる。
今日は亡くなったところまでしか描かれなかったが、来週はその遺体なども発見されるような雰囲気になるだろう。
普通に描いたならかなり血なまぐさい物語になるはずだけど、脚本家の力と制作陣の熱意で物語は興味深くユーモラスに語られる。