いよいよリバイバルで撮影された黍之烝シリーズの妖術七変化。
この作品は文四郎もしっかりと名前のある役柄で、物語の中に登場。
ひなたは胸をときめかせ彼と一緒に映画館で鑑賞。
感動冷めやらぬ2人。
努力が報われたと感心した瞬間だったろうな。
さて、2人はどうやらお互いの思いが確認できたような描かれ方。
間違いなく、恋人同士。
そして、物語は一気に9年間ワープ。
つまり1992年に時間経過する。
今から30年ほど昔の話になるが、この頃すでにデジタル関連を始め 世の中の様々なアイテムは今も遜色ないような最新鋭のものに起き変わりつつあったと思う。
すでに、レコードなるものは骨董品の世界でしか見かけなくなっただろう。
CDすら音楽のアイテムとしては古い認識が。
ひなたは妄想の世界ではしっかり奥さん気取り。
ひょっとして幸せすぎないかと思う人も、物語の脚本はこれで済むはずもなく。
目次
妖術七変化映画の出来栄え
リメイクで新たに撮影し直した作品は大成功。
ひなたと文ちゃんは2人で並んで映画館で作品を鑑賞する。
その中には字幕にしっかりと
伊織 五十嵐文四郎 と。
斬られ役とは言えきちんと名前のついた配役。
文ちゃんにとっては大出世したことに間違いない。
映画がヒットしたことでひなたと文ちゃんの未来は順風満帆なものに思われた。
しかし、脚本家がそんなぬるいストーリー展開を許すはずもなく。
条映作品の時代劇ではヒットしたのはこの作品が最後とナレーションで紹介。
確かに1980年代から今に至るまで何本かの時代劇は記憶に残るが、実は数えるほどしかないなと。
特に映画でもテレビでも新たに作られる作品が極端に減った印象を抱く。
ひなたと文四郎


文四郎はひなたから文ちゃんと呼ばれるように。
ぶっきらぼうでちょっとSっ気のある文四郎と何を言われてもどこまでも明るく朗らかな
ひなた。
2人を見ているとお似合いのカップルだなと思ってしまう。
言葉遣いよりも何よりも、お互いが相手のことがとても大切だなと思う気持ちが画面からも伝わってくるのだ。
夏祭りで、風鈴を買ってあげるシーンはるいと錠一郎の時のリメイク。
両親の世代でも同じことが起こっていたんだよね。
このときのパロディーが今日のシーンだったと改めて納得。
妄想ひなた
物語は一気に1992年まで進む。
この時ひなたは27歳。
文四郎は29歳。
まごう事無きお年頃。
ひなたの寝起きは相変わらずだったね。
桃太郎が高校入学したのもちょうどこの時。
彼は小夜子さん一筋でいまだに思い続けているみたい。
ひなたは文ちゃんと過ごす時間が幸せいっぱい。
2人だけの生活を夢見ているような。
白いエプロンで朝ごはんの準備をするひなたに感謝の気持ちを表す文ちゃん。
実はこれ夢の世界。
この物語ではしょっちゅう取り入れられる妄想の世界。
初恋の時のビリー君も似たようなエピソードが描かれていたと思った。
あの時はひなたは英語ペラペラで話していたと思ったな。
1992年
この頃は、バブルがいよいよ弾ける直前だったと思う。
日本の総理大臣は宮澤喜一さん。
彼のお孫さんが女優として今鎌倉殿の13人に出演しているね。
今からちょうど30年前なので、大抵の事は、今の時代と変わらなくなっているなと思う。
この頃になると映画館での映画はSFXを駆使したコンピューター処理したものがもてはやされるように。
テレビでもCG操作がごく普通に行われるようになってきたと思う。
映画のスター・ウォーズ以外にも様々なSF作品が次々登場してきた時代だと記憶する。
映画村と時代劇の行く末


映画村は、この頃になると入場者数の激減に苦しんでいた。
もともと映画撮影とか時代劇存続のための資金稼ぎの場としてこの場所は創設された。
当初はその目的は達成されるような感じだったけど、10年近く経った今入場者数が激減してきて、またテレビでも映画でもお金がかかって、それほどの集客が見込めない時代劇は敬遠される傾向が。
この頃から時代劇をめぐる世界は大きく変わっていったような気がする。
映画の事はともかく、テレビの時代劇は主なものは指で数えられるほどになってしまったのでは。
それすらも、撮影場所その他は限りなく制約を受けるので、少なくとも発展していくような状況にはなかっただろう。
文四郎は黍之烝シリーズの登場を最後に大部屋俳優に戻ることに。
テレビシリーズではどうやら斬られ役まで昇格したような。
大部屋俳優は斬られ役でその役目が頂点に上り詰めることになる。
しかし、活躍の場はどんどん尻すぼみで、将来に不安を抱いている文ちゃん。
ひなたは何もできない自分を歯がゆく思いながらも文四郎に何とかして仕事が行くようにアドバイスなども。
しかし、文四郎は時代劇1本で身を立てようと決意しているようだ。
活躍する場がなくなってきた世界では自分の意思を押し通す事は生き残れるかどうかの瀬戸際に立っていることも意味する。
ひなたと将来を誓いあってはみたものの、進むべき未来に希望が持てなくなるとその決意も危ういものに。
明日今週のエピソードに決着がつくが、今から先の展開がちょっと心配になる。