あと2週間となったカムカムエヴィリバディ。
ラスト前の1週間、新たな展開をさらに切り開こうとするストーリー。
物語は10年ぶりに再会したひなたと文四郎のエピソードから始まる。
彼はかつてひなたと恋仲だったが、時代劇俳優をやめようとしたことがきっかけで彼女と別れることに。
その後、家の仕事を手伝いつつ どうしても時代劇への情熱を捨て切れない。
そして勘当同然でアメリカに渡った。
紆余曲折を経てアクションコーディネーターとして活躍の場を得たのだ。
時代劇が斜陽になっていた条映はハリウッドからの映画制作の依頼を受けて、再び活況を取り戻す。
ハリウッドからやってきた映画スタッフの中に年配の日系女性が1人。
アニー・ヒラカワ
実は彼女は登場して以来、様々な憶測がネットで飛び交うことに。
いまだに論争には決着がつかないが、かつて生き別れたるいの母安子では?と。
1週間は様々な伏線回収をしつつ、物語の中で重要な役割を担ってきた人たちが亡くなったりすることも描かれる。
脚本家が100年間にわたって紡いだ物語はいよいよラストを迎えることに。
目次
文四郎の人生
このエピソードが紹介された時もネットは大賑わいだった。
密かに元鞘に収まるんじゃなかろうかと期待に胸高まっていたひなた。
しかし、見事に裏切られ文四郎は別な女性と結婚の約束を。
そりゃないだろうと批判的な意見が圧倒的に多かったね。
さらには昨日朝イチに出演していた川栄李奈。
ひなたはおおらかに受け入れていたけど川栄的には受け入れませんと断言してた
本当は笑うところじゃないんだろうけど、思わず見ていて笑っちゃった。
やっぱり男と女ではスタンスが違うし、ひなたは役柄とは裏腹に思いのほか不器用で引っ込み思案なところが。
主人公としてはそれもまた愛すべき一面なのかもしれない。
文四郎は何のあてもないまま自分の情熱を頼りにアメリカへわたって必死な努力を続けた結果今日の成功を。
一生懸命やっていれば、誰かの目に留まってそれが認められるという。
普通はなかなかそんなうまくはいかないと思うけれど、彼の熱意が、周りを感動させるだけのものがあったってことだね。
ひなたのアイデンティティー
物語の中では36歳になるところまで描かれたひなた。
かつての幼なじみは2人とも結婚をして、小夜ちゃんは男の子が生まれている。
そしていっちゃんも榊原さんと結婚して予告編を見た限りでは子供が生まれたような雰囲気だった。
ひなたは残念ながら将来を誓い合えるような相手はいない。
今は仕事が大好きと宣言していた彼女。
この時代あたりから結婚せずに自分のポリシーを貫いて生きていく女性は世の中に広く知れ渡るように。
男性女性ともに結婚して子供を設けて家庭を作ってと言う人生設計が、必ずしも世の中のスタンダードとはなり得ない時代。
世の中は我々が考える以上に複雑多岐で夢も希望もそして失望もとどまるところを知らない。
カムカムエヴィリバディではひなたがどんな人生を送るかは来週のお楽しみと言うことに。
アニー・ヒラカワ
アニーさんを演じている森山良子はカムカムの主題歌を作曲した森山直太郎の母親。
彼女の存在は、この物語のごく最後に登場してきて見ているもの全てを翻弄し続けてきている。
物語の流れでは、3世代にわたるヒロインのうち安子だけが消息不明。
朝ドラにはおよそ似つかわしくないほどの過酷な運命に翻弄された安子は失意のうちに進駐軍のロバートとともにアメリカへ渡った。
このアニーさんこそが安子ではなかろうか?と盛んに噂になっていたね。
彼女が誰なのかは最終週の後半で描かれるような。
私は個人的に彼女が安子だと信じているけど。
実はここには脚本家藤本有紀さんの類稀な才能に裏付けされた戦略が隠されている。
彼女はいたるところに伏線を張って物語を複雑に構成する。
メインとなるストーリーは確かに1つなのだが、必ず対比させるサブエピソードを他に1つ2つ用意するのが彼女の特徴。
最終週も既に予告編では明らかにされているが、かつての大阪時代のクリーニング屋さんの人たちとか、岡山から桃太郎も駆けつけていた。
そして大阪のジャズ喫茶のマスターも年老いた姿で写っていたよね。
安子がいつ自ら自分の身分を明かして、るいと再会できるのか。
すべての種明かしは来週に持ち越されることに。
物語を突き動かすもの
100年間を継続して描く物語は3世代にわたるヒロインが一貫して英語、時代劇、あんこを中心的なアイテムにして描かれる。
3人に共通するのは誰かのために身を呈して人生を捧げようとする真心。
困っている人や、自分が愛するべき人を守らずにはいられない。
3人に共通の特徴。
安子編とひなた編では時代背景がまるで違っている。
そういったものも含めてドラマはご時世を反映しながら粛々と進んでいくね。
戦争中のエピソードでは空襲の様子なども克明に語られていた。
さらには戦死するものや、生き残った家族がどんな苦労をしたかなど、克明に描かれて、およそ朝ドラとは思えないほどの過酷な運命描写がなされていたと思う。
それに比べればひなた編ではユーモアに満ちた人間関係が中心に描かれた。
しかし、
3世代を貫いて描かれた中心となるポリシーは、他者へのいたわり。
このことを時代を超えて脚本家は描きたかったのではと想像。
安子 るい ひなた
3人のヒロインは最初に深津絵里だけが制作スタッフの肝いりでオーディションなしで選出されていた。
つまり、カムカムエヴィリバディはある意味主人公るいの物語かもしれない。
安子とひなたはオーディションで選ばれている。
朝イチで明らかになったのは上白石萌音と川栄李奈が誰を演じるかは、最初の段階ではまだ決まっていなかったようだ。
川栄李奈は安子を演じたかったと告白していたね。
さて様々な考察を受け入れつつ物語は残り5話分。
これで全てが完結となる。
今さら言うのもなんだが、私は脚本家と制作スタッフの術中にまんまとはまったと思う。