賢秀の詐欺事件の後、比嘉家はさらなる借金を抱えてしまった。
暢子は憧れの東京に行くことも叶わず、友達の早苗が東京の大学に受かったことを手放しで喜べない。
物語はいよいよ沖縄返還を迎える年。
暢子はもうじき卒業することになる。
卒業すれば社会人として、朝から晩まで仕事に追われることに。
18歳になったばかり位で世の中に出て働くとなれば、それなりに憂鬱さを感じる人だって多かったと思う。
そんな中、比嘉家の3姉妹のそれぞれの胸の内が今日詳しく語られた。
暢子は卒業を機に、友人の早苗と一緒にI度上京してみたいと。
社会人としてそれは許されないと良子。
しかし、良子は内心では小学生の頃から家のことを頑張ってきた暢子のために、東京行きもありだなと感じている。
三女の歌子は体が弱くて自分は役に立たないと思い込んでいた。
高校を辞めて社会に出て働きたいと漏らす。
そんな中、母親の優子は賢吉おじさん夫婦に来てもらって、自らの考えを告白。
目次
卒業後の進路
暢子にとって東京行きは初めてやりたいと思った最初の決意。
しかし、兄のしでかした不始末によって全ては台無しに。
もうじき卒業すれば、地元の企業で慎ましく働くしかない。
そんな中、学校では親友の早苗に連絡が。
東京での大学受験に合格したとのこと。
親友の幸せに我が事のように喜びつつ、どこかに割り切れない気持ちが。
人間にとって1番よくないことなんだけど、誰かが幸せになったときに手放しで自分のことのように喜んであげることができにくい。
実は仏教の教えの中にもあって、四無量心と呼ぶ。
それは、自分以外のものを慈み、情をかけようとする。
誰かに喜び事があったなら無条件に一緒に喜んであげる。
誰かのために多少の奉仕活動をしたとしても、決して恩に着せることなくきれいさっぱり忘れる。
慈、悲、喜、捨 といって、人間にとって大切な心の働きとされる。
ここは暢子らしく、親友の幸せよ心から祝福してあげなきゃな。
まだ18歳やそこらのお嬢さんでは厳しいことだけど。
暢子の生一本な優しい性格は周りの人たちからも一目置かれているはず。
比嘉家
東京行きがダメになってから、暢子はぼんやりすることが多くなったような。
得意の料理の味付けもいまひとつピントが合わなかったり。
賢秀が家にいないので、女だけ4人家族。
ドラマを見ていて感じたけど、驚くほど質素な食事だよね。
だって、目の前に出てきたのは雑炊1腕だけだよ。
育ち盛りの子供なら、肉とか魚とか、他にもいろいろなおかずがあったって不思議はないと思うけど。
借金返済を抱えていて、自分の畑でとれたものを食べるぐらいしか準備できないのかも。
沖縄のよその家庭がどうなのか、ドラマの中では比較していないからよくわからないけど、1972年の沖縄ではこんな暮らしがあったんだと改めて感慨深い。
良子と暢子
暢子はもうじき社会人として働くことが決定している。
できれば卒業した時は早苗と一緒に東京に行って思い出を作りたいと考える。
母親に、東京にいかせてほしいと頼みこむが。
姉の良子はそんな暢子を決して許さない。
春休みはアルバイトしなさい。
社会人なら当たり前のこと。
東京へ行くための旅費をどうするの?
いい加減目を覚まして!
暢子が食い下がる。
私は今までずっと家族のために料理を作ってきた。
卒業したら年がら年中働くことが決定している。
東京へ行って思い出を作るぐらい😓
そしてこの後つかみ合いの喧嘩が勃発。
母親にたしなめられるまで喧嘩は止まらなかった。
良子には感じるところもあったようだ。
妹の東京行きがダメになった事は自分だって悲しい。
できれば夢を叶えてあげたい。
そして、思い切った行動に出るのだ。
なんと校長先生に給料の前借りを依頼。
300ドルを借りて暢子に渡そうとする。
ドラマは少しひねってあって、良子が暢子にお金を渡すときの練習をしているところを、歌子が後ろから覗いていてそっと涙を流す。
比嘉家は家族の皆が兄弟思い。
母優子と歌子
歌子は今でも熱が出て寝込むことがあるようだ。
昔から体は弱かったけど、大きくなってもその傾向は変わらない。
家族の様子を見るにつけ歌子には思うところがあった。
このまま家族の中でみんなに迷惑をかけ続ける位なら、高校を辞めて仕事をしたらどうだろうかと。
母親にこっそりと相談するが、母親にやんわりとたしなめられる。
そんなことをしなくても、歌強自分が思うように学校で勉強を続けなさいと。
こちらのお母さんは、子供たちを全面的に信頼して、ちょっと危なっかしいところもあるけど、行動力はさすがなもの。
自分が働いている共同売店で給料を前借り。
300ドルを持ってきて、賢吉おじさんに渡す。
全部では無いけれど、借金返済の1部に当ててください。
暢子の東京行きをどうか許してやってください。
そのために、給料の前借りまで。
この行為は良子も同じ。
みんなそれぞれ家族がとても大切。
困っているときはお互い助け合うことが当たり前のような。
暢子の応援団
今日のエピソードの中で早苗の反応がとても心温まるものだった。
大学に合格したことを後輩たちと無邪気に喜んでしまったが、後から東京行きがダメになった暢子をおもんばかる。
はしゃぎすぎた。
暢子 ごめん
自分のとった行動が、ひょっとしたら相手を傷つけるかもしれない。
現代人の我々はそういったことをまるで気にすることなく日々暮らしてしまいがち。
多分、日本人の美徳の1つとして感情表現を決して大げさにしてはいけないと思う心がある。
喜びも悲しみも、表現するのは自由だが、それを誰かに見られた時、見た人が不快に思うようでは良くないと。
それにしても、暢子には心強い応援団が。
なんとなくお金も手元に揃ってきたような。
東京へ行けるのかな?