1週間の締めくくりとなったちむどんどん。
暢子は兄賢秀からの送金を受けてついに東京行きが決定。
順風満帆に物語は進むと思われた。
もちろん、これから先のエピソードは東京編で描かれることになるが、今日は沖縄で最後に過ごした時間について語られる。
暢子は屈託なく東京行きの準備を。
いくつかのバッグを用意して、様々な荷物を詰めようとするが、なぜか食べ物が大半。
暢子=食いしん坊の構図は相変わらず。
今日はもう一つ、歌子のエピソードも。
下地先生は歌子に三線の楽譜を渡す。
そして上白石萌歌が歌う「芭蕉布」
沖縄民謡風のこの歌は、素朴で味わい深く物語にぴったり合っている。
さて、本編の最後の方で来週の予告編も描かれた。
新しい登場人物もたくさん。
その中には知った顔も。
故郷としての沖縄がしみじみと感じられる“ちむどんどん”
目次
色気とは程遠い暢子
暢子を好きな男子はどうやら2人。
陸上部のキャプテン新城正男と砂川智
物語の設定で、暢子は男女のことにはとてつもなく朴念仁。
年頃の娘らしく恋愛話をすることなど皆無。
彼女の関心事はとにかくおいしいものを食べること。
食いしん坊なことと、どうすればおいしいものを食べ続けられるかそのことのみに集中。
今回は東京行きが決まったが、その目的は世界中のおいしいものを食べ尽くす。
そして自らはコックを目指す。
なんともわかりやすい話。
17歳18歳の男子と女子なら、身体能力にも差が出て当然。
10歳位までなら女子が男子を上回ることも珍しくは無いけど、20歳に近くなれば、おのずと男子の能力が女子を上回るように。
正男は暢子が好きだと告白するチャンスはいくらもあった。
しかし本人を前にすると、そんな事はどうでもよくなっちゃうと語っていたね。
暢子の屈託ない人柄は、男女の生臭い関係がまるで匂ってこない。
それが、いいことなのか悪いことなのかわからないけど。
歌子と下地先生
片桐はいりが三線を奏でるシーンが描かれた。
彼女が伴奏して上白石萌歌が歌う「芭蕉布」
下地先生が語っていたけど、昔は三線の演奏は男性専門だったけど、これからは違う。
自分が感じるままにやってみたいことをやってみる。
歌子は直接先生の具体的な指導を受けた雰囲気は無いけど、音楽を愛する気持ちを分析することでは十分なものを指導してもらえたのでは。
クラシックでも民謡でも音楽が最も大切にするのは感じる心。
感性がどれだけ磨かれて敏感になっているかで音楽的なセンスは決まってくる。
それはジャンルを問わない世界。
沖縄民謡の歌手として歌子はこれからも歌い続けるに違いない。
沖縄そば
いつも思うけど比嘉家の食事はかなり質素に見える。
女だけ4人の家族になった食卓には決して豪華なご馳走は並ばない。
中丼に盛られた沖縄そば一杯では、とてもお腹いっぱいにはならないよなと思いつつ。
暢子は東京へ行く前に、母優子から父の形見の包丁を授けられた。
出発前、思い出作りに勤しむ比嘉家。
コバルトブルーの海を見ると南国なんだなと納得させられる。
北海道で生まれた私にとって海の色はこんなに鮮やかな青ではない。
私が子供の頃見た海は鈍色(にびいろ)と言って、どす黒い印象を受けた。
学問的にはプランクトンが豊富だからそんな色になるんだと聞いたけれど、海から爽やかさを感じた事はなかったな。
海は暗く重い存在だと、ずっと思ってきたよね。
いざ、東京へ
大家族の中で育った少女が1人旅立つわけだから、不安もあって当然。
さらには寂しさを感じて、進むべき道に躊躇することもよくわかる。
1週間を締めくくるエピソードとしては抒情的で感慨深い物語に仕上がっていたなと。
東京へ旅立つ娘を送り出す母親。
姉妹たちは別れを惜しむ。
さて、来週のエピソードは予告編で判断するしかないけど、どうやらレストランで働く様子も描かれる。
新しい登場人物もたくさん。
おいしいものを食べる願いはどうやら間違いなく叶えられそう。
しかし、ストーリー展開としてこのままではあまりにストレートすぎて面白みに欠けるのではと考えてしまう。
この先に何か落とし穴があるような気がしないでもない。
そして見ていて感じたのはかつてドラマの中で見かけた名優たちがたくさん登場する。
どうやら新しい出会いと、懐かしい思い出と交錯する未来が待ち構えているようだ。