いつも通りの大河ドラマが始まっていつもの物語が語られると思ったら今日は大変な事態になっていた。
北条義時と二人三脚で北条家をもり立てている妻八重。
彼女は今日のエピソードで物語から退場することになる。
自分がかくまっている幼い子供が川で溺れかけた。
その様子を目撃した彼女は、自らの危険を省みる事なく子供を救ったまでは良かったが、そのまま自分自身は川の流れに飲み込まれて溺死してしまったのだ。
先週の予告編でもそれらしいエピソードがなんとなくあったような気が。
今日は亡骸こそ描かれなかったけれど、周りの者たちの様子から八重が命を落としてしまったことが直ちに納得させられる。
今日の物語では鎌倉幕府がいかに成立し、形を整えていったかの1部分が語られた。
それは権威を集約するために粛清に次ぐ粛清。
能力もあり、力もあるあまたの有力武将たちが、権力争いの中で惜しい命を散らし続けてきた。
そんな中、権力闘争とは別に、自分自身の慈悲心(まごころ)から起こした行動によって主要な登場人物が物語からいなくなってしまう。
今日の放送の最後のほうの描き方を見て、思わず叫び声が出てしまった。
えっ!まさか😱
物語の中で周りから充分すぎる位注目されていた新垣結衣扮する八重をこんな形で退場させてしまう。
三谷幸喜脚本が視聴者たちに決して媚を売っていない冷酷さがチラリとのぞく。
目次
滅亡 平泉
今日の物語の冒頭で語られていた頼朝の奥州征伐。
藤原泰衡をそそのかして源義経を討伐させる。
そして義経がいなくなった段階で自らが全軍を率いて藤原家を滅亡させる。
もし義経を生かしておいたならば、藤原氏に加勢した義経と戦えば頼朝軍が負ける可能性だってあった。
巧妙なやり口で敵方の力を極限まで削っておいた上で戦いを挑む。
想像を絶する非常さ、冷酷さ。
これこそが源頼朝の政治力であり、したたかな面だったと言える。
策略にはまった藤原氏の滅亡はすぐに。
確かこういった絵面は麒麟が来るでも描かれた場面があったと記憶。
銀10,000貫とか言ってたよね。
源頼朝の冷酷さ加減
政治的には抜かりなく、冷酷極まりない頼朝。
藤原泰衡の首を持ってきた武将に対して、主君を裏切るような者など、すぐに首をはねよ!ととんでもない言いがかり。
これが頼朝のやり方。
言葉巧みに様々な命令をしておいてその結果において揚げ足を取る。
その結果、曖昧な態度の勢力全てが頼朝によって粛清された。
実は、物語がこれからも進んでいく上でこのような粛清が繰り返される。
平泉を滅ぼした後、頼朝は決して恩賞を望んだりはしなかった。
それは頼朝の作戦で、恩を打っておこうと言う腹。
後鳥羽上皇はそのやり方ゆえ、周りの者たちに素直に受け入れられることにはならなかったのだ。
歴史を調べてみると後鳥羽上皇は最終的に承久の変で北条義時に滅ぼされることになる。
八重の保育園
北条義時の妻八重は保育園のような孤児院のような施設を運営していた。
周りの人たちは大抵の場合、その行動を称賛していた。
姑の時政の妻りくだけがダメ出しをしていたけど。
しかし、戦で年中過ごしていた世の中では孤児の類は山ほど存在。
その子供たちの引き取り先が八重の設けた施設なのだ。
そこには、さらに平泉から子供が1人届けられた。
名前を鶴丸。
八重が頼朝との間に儲けた最初の子供の名前が千鶴丸。
八重が名前を聞いて特別な思いを抱いたとしても不思議は無い。
実はこの子供とのエピソードがこの後物語に重大な事件を引き起こすのだ。
北条家の面々


物語には驚くほどの大勢の登場人物が。
それらは北条義時の兄弟だったりする。
鎌倉幕府はほとんど1族同士の集まりで、横のつながりも広く巨大な家族集団とも言える。
これらの人たちが皆源氏と北条家の親戚に相当するのだ。
さらにはこれらの1族を支える坂東武者たちがいる。
源氏は平家討伐の後は一大勢力を築きつつあった。
八重 死す
今日は伊豆の「願成就院」で北条時政が奈良から仏師運慶を招聘して阿弥陀如来を建立している姿が描かれた。
そして、物語のエピソードとして描かれたのは運慶が造仏したと言う仏像の面々。
物語の最後の方で描かれた八重が命を落とすシーン。
川で子供たちを遊ばせていたら、最近引き取ったばかりの鶴丸が流されて今にも死にそうな様子。
そこへ身を呈して飛び込んで救出した八重。
子供を助ける事はできたけど、当の本人はその結果命を落とすことに。
ここで、こんな形で八重が退場することを誰が想像しただろう。
しかしこの物語の公式発表では2月の段階で北条義時の正室が発表されている。
まさかこの子が正室とは!
しかし予告編の中にわずかだけど間違いなく登場していたので、来週にはもう御目見えになるはず。
物語はユーモアたっぷりの部分もあるけれど、驚くほど冷酷無比に描かれる。