くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

ちむどんどん 伝えなければならない心

 

過去のいきさつを説明するちむどんどん。

制作スタッフは、わざわざきちんと俳優を配置して過去のエピソードを撮影している。

優子と賢三は行くあてもないまま賢三の故郷やんばるで暮らすことに。

優子の家族は、両親と姉と弟がどうやら行方不明とのこと。

生存している可能性はほぼないと思われた。

その流れを受けて、なぜ夫婦で遺骨収集のボランティアをやっていたのかが理由付けられた。

誰かのためにと言う気持ちながら、実際はおそらく亡くなっているだろう優子の家族を捜索するため。

物語の最も大切なテーマは、生き残った人たちが未来へ伝えるべき心。

私が昨日のブログで指摘した通り、生き残った人たちは生きていることに罪悪感を抱いてしまう。

生きている事は本当は喜ぶべき嬉しいことだが、およそそんな気持ちにはなれない。

そしてその気持ちがあるうちは、いつまでも戦争は終わらないってこと。

詳しいいきさつが優子自ら語っていた。

沖縄のウークイの最終日。

同時進行で東京や鶴見でも同じ送り火が焚かれていたね。

それぞれの戦争体験は、亡くなった人たちへのお弔いの気持ち、すなわち自分自身の謝罪と悔恨の気持ちを忘れないためのもの。

未来に向かうために、なおざりにすることのできない毎年のルーティーン。

ウチカビをご先祖にたむける🙏

目次

優子と賢三

賢三は優子に家族のことを語るように促す

制作スタッフがどうしても語りたかった物語は昨日から描かれる1連の沖縄戦争体験。

昨日、「鉄の暴風」について若干触れたが、その時多数の一般市民も亡くなった。

物語の中の優子や賢三も同じ。

優子は捕虜になる直前、弟 秀夫を自分自身の腕の中で死なせてしまったと語っていたね。

そのことを思い出すと、今でも自分の戦争は終わっていないと強く自覚。

そして、誰かに語ることも怖くてできないと。

さらには、弟を死なせてしまったと思い込んでいる罪悪感は、自分自身がこのまま生きていていいのかとさえ思わせてしまう。

戦争中、爆撃や砲撃から命がけで逃げ回っていた人たちはその途中で家族を失った人も多数。

生き残った人たちは、亡くなった人たちへ謝罪の気持ちをたむける。

思い出す事は辛くて怖い😭

生きていることが罪悪だなんて、誰も考えないけど、極限状態を経験した人たちは皆口を揃えてこんな気持ちを吐露する。

優子は賢秀が生まれた時に、弟の秀夫にそっくりだと思ったそうな。

秀夫から秀を。

賢三から賢を。

賢秀の由来と言える。

今日初めて明かされた過去の出来事。

遺品発掘のためのボランティア

自分たちと同じ気持ちでいる人たちのために

新聞で見かけた遺骨の発掘調査は、賢三と2人で話して、年に何日間かでも手伝おうと決めたようだ。

自分の家族は今でも沖縄の山の中のどこかにいると信じて。

生存している可能性は皆無と思われた。

しかし、手元に全く遺品がない状態ではいつまでたっても気持ちの整理がつかない。

そして、自分と同じ気持ちでいる人たちが大勢いることも承知。

その人たちのために少しでも力になってあげたい。

そして物語の中で、発掘作業のためにフォンターナのオーナー房子がずっと援助してくれていること、そして善一さんも寄付をしてくれていること。

今日、優子から改めて報告があった。

そして、優子は善一さんとは再婚しないと明言。

過去から受け継いだものを考えれば、ここからリセットして人生をやり直すとは思いにくいのかも。

それぞれの戦争体験

フォンターナやあまゆでも辛い戦争体験が語られる

フォンターナでもあまゆでもウークイの夜、昔ながらのささやかな送り火が焚かれていたね。

ウチカビといって、ご先祖にお金を届ける儀式

黄色い紙は、あの世で使えるお金との設定。

沖縄ではお盆の最後の夜にこの紙を燃やして先祖にお金をたむける風習が。

数枚の紙を燃やすことで多額の現金を送り届けられると考えられている。

最後にウークイのお供えのおかずを火の中に投入し、お酒を回しかける。

お葬式のご遺体を収めた棺桶の中には様々な個人所縁の品物が収められるが、昔からの風習で、10円玉を数枚を持たせることも広く行われていると思う。

昨今は火葬場の関係でこれを紙に印刷したものに置き換わる場合もあると聞いている。

これは、私が教わったところでは三途の川の渡し賃と聞いた。

日本が、過去から受け継いだ伝統的な儀式。

未来へ送るべき遺産だと考える。

未来へ伝えるべき心

幸せになることを諦めてはいけない

優子はこの年のウークイで、やっと今まで家族に言えなかったことを話すことができた。

それは夫との約束でもあったようだ。

いずれ子供たちにきちんと話さなければならない。

それができなかったのは怖かったから。

戦時中の記憶を思い出すほどに、フラッシュバックしてしまう。

心に、決して元に戻せないトラウマができてしまっている。

しかし、それでも未来へ進まなければならない。

優子は周りで親しい人が押せなくなっているが、夫賢三をなくしてしまったことも、自分のせいだと、自身を責めていたね。

私はかつて自殺した友達の葬式に出席したときに、その友達は私たちの師匠とも言うべき大切な人だったけれど、残された奥さんが私に向かって一言。

夫を守ってやれなくてごめんなさい🙏

この時の奥さんの言葉は未だに耳にこびりついて離れない。

私たちにとって大切な家族を失うことがどういうことなのかを思い知らされた瞬間。

ちむどんどんが全力で描きたかった事はおそらくこの辺なんだろうと。

その意味で、気持ちを新たにするエピソードだったかも。