いよいよ結婚式当日を迎えたちむどんどん。
物語は昭和54年の春。
この当時の結婚式は、思い出せば かなり華やかに行われる傾向があったと思う。
最近は結婚式なしで、届だけ出す人も多いと聞く。
お色直しのある披露宴や、様々な出し物など、当時の風情は今はなくなったのかも。
物語では、暢子の結婚式に向けての準備と、登場人物たちのそれぞれの心のひだが今更のように。
誰からも祝福されると思いがちだが、心の中に違和感を感じる人がいるのがこのストーリーの中では特徴的かも。
特に暢子に渾身のプロポーズをあっさり却下された智。
彼の心情を思うと、この物語の流れは必ずしも歓迎できるものではなさそう。
さらには三郎多江夫妻とオーナー房子の再会も注目されるところ。
祝福のための行事は、それぞれの人たちの切ない心情を含みつつ、未来へ向かう。
目次
昭和54年
この年は、私は東京暮らしを止めて北海道に戻ってきた年にあたる。
東京暮らしに未練はなかったけれど、当時の事は今でも鮮明に記憶が。
確か町を走る車は、エコノミーなものはクーラーなしが当たり前だったと思う。
高級車はエアコンと称して、快適な運転ができたと思ったな。
また乗用車のドアミラーはまだ許可にはなっていなかったはず。
したがってフェンダーミラーで後方確認するのが当たり前だった。
私は車の運転を中心とした仕事をしていたので、その辺の事情には多少こだわりがあった。
ドアミラーは安全性を考えるなら、絶対に推奨できないと思う。
問題は左側の確認をする時。
首をまともに左にひねらなければ、ミラーを見ることができない。
左を見ている時、右は明らかに見えていない。
それに対して、フェンダーミラーは首の位置をほとんど変えることなく両方の後方確認が目線をわずかに移動するだけで可能だった。
要するに、カッコだけなんだよね。
確かね、ユーザからの強い要望で許可になったんだと記憶。
暢子と和彦
当時は結婚式で、席順などあらかじめ決めておくべきことが山ほど。
これらはほとんどが新郎新婦の役割となる。
他にも、全体の流れとかいろいろやることが多かったと思う。
覚えているだろうか、キャンドルサービスとか、新郎新婦の両親への花束贈呈とか。
思い出すとかなり煩わしい行事だったなと。
このシーンなかなかよかったね。
ただし、このドラマはダメ出しが強烈なので、まさかこんなシーンにも批判が集まったりはしないだろうな。
房子 三郎 多江
個人的に1番注目していたのがこの3人が顔を合わせるシーン。
三郎と房子には拭い去ることのできないわだかまりがあったはず。
しかし、一度は結婚を誓いあった中で、お互いの人間的な魅力を百も承知。
他人行儀ながらも、大人の挨拶を交わしていた。
彼女のセリフで過去のわだかまりがいっぺんに消し飛んだような。
人として暮らしていく以上、楽しいことや嬉しいことばかりで埋め尽くされているわけではない。
ときには辛いこと苦しいこと、我慢ならないことも。
それらを乗り越えて改めて人生に値打ちを見出していく。
既に老境に差し掛かった3人の人生訓が巧みに描かれていたと思う。
重子と波子
2人は暢子を受け入れたことで心の中がすっかり軽くなったような。
他局のドラマだが、鈴木保奈美は教育熱心な大富豪の奥様の役を。
この演技を見させてもらうので、最近は頑張っているんだなぁと感じる。
かつてはトレンディードラマの花形女優だったので、存在感もバッチリだし、演技力も安心して見ていられるよね。
2人とも着物がよくお似合いだったと思う。
智と歌子
この場面も注目していた部分。
智は過去に苦い思い出があって暢子と和彦の結婚式には欠席のつもりでいた。
ここで、歌子がひと芝居打つことに。
熱が出ていることを装って、智に東京まで付き添ってくれることを頼み込むのだ。
ちむどんどんでバックに流れる音楽は、その場面場面に応じて上白石萌歌のボーカルが採用されている。
実は、これが驚くほど効果的で、いつもほっこりした気分にさせられるのだ。
今日も重要な場面とおぼしきところでは彼女の歌声で「翼をください」が。
人間、生きていればどうしても目をそむけたくなることだってあり得る。
しかし、いろんな人の意見を聞けば、そこはしっかり踏みとどまって直視する必要だってあるのだ。
ドラマの描き方として、何もかもがハッピーエンドで終わるわけにはいかないことがそれとなく。
そして、賢秀は結婚式に行く直前になって、養豚場で豚のお産が重なってしまう。
まぁ、今までの流れからして彼は欠席したほうがよかったかもしれないけど(汗)
いよいよ今週のエピソードは明日決着。
暢子の琉装が個人的にはとても楽しみ。