ネットでのあまりの評判の良さにどうしても辛抱できずに見てきた映画。
トップガンマーベリック
調べてみると前作は36年前。
なんと1986年度封切りの映画。
しかしこれだけの時間を経て、わざわざ続編を仕立てるには相応の思い入れがあったはず。
前作が、正直な気持ちで言えば、それほど評価すべき映画とは思えなかった。
男女の絡みなどもあったので、恋愛映画風に仕立てたちょっとしたパイロットものくらいの印象だったが。
しかし、今回の映画はまるで違っていた。
前作品がこんなものしょうがないと思った人も、今回のトップガンマーベリックだけはぜひとも映画館で見ることをお勧めする。
正直な感想を言えば、ここ2 〜3年で見た映画の中では1番感動したかもしれない。
単なるアクション映画の領域にはとどまっていなかったのだ。
戦闘シーンで兵隊が亡くなる事はなかったけど、それを差っぴいてもあまりあるだけの緊張感とドキドキハラハラ感で満たされていた。
若いはつらつとした凄腕のパイロットたちの中に混ざって、マーベリックことトムクルーズは正直かなりなおじさんに見えた。
しかし、時々上半身裸のシーンもあったけど、驚くべき筋肉。
あれだけのビジュアルを映像として提供できるんだから、一体どれだけの訓練を積んでいるんだろうかと改めて感心することしきり。
多少のネタバレは覚悟で、映画を論評してみたい。
目次
出世とは無縁の主人公
映画の設定は驚くほどわかりやすい。
ただし、そのくせストーリーは意外と凝っていて、形がはっきり解りやすく描かれるので、見ていて考えさせるようなところはあまりなかったかも。
マーベリックことピートミッチェル大佐は凄腕の戦闘機乗りで少なくともアメリカの中ではほぼNO1といってもいい位の存在。
しかし、彼は時々問題行動を起こすらしく、およそ30年海軍に在籍していながらおよそ出世とは無縁。
その結果万年大佐。
昔の軍隊の階級を知っている人なら、大佐はかなり上位にランクされるが、ただしマーベリックのような経験年数だと将軍が当たり前、そうでなければ司令官位にはなっていたはずだと。
その彼がかつての盟友アイスマン司令から直々に作戦命令を受ける。
ここで敵、見方がはっきりわかる。
相手の国のことを、司令官たちは「ならず者国家」と呼んでいたので、大体見当がつくだろう。
ただし、物語の中ではあくまでも架空の敵国。
実際に具体的にこの国なんてことを言ってしまったらそれこそ大きな問題に発展しかねないのであくまでも仮想敵国と言うことで。
そこでのよからぬ行動を阻止するための作戦。
F18戦闘機を用いた特殊な作戦行動
2機編隊二組で敵基地を爆撃する。
ただし、驚くほど厳しい条件の中作戦行動を起こさなければならない。
作戦に与えられた時間は2分30秒。
さらに敵のレーダー網をかいくぐる必要があって許される高度が100フィートとされていた。
ちなみに、これ30メートル位のはず。
戦闘機が地上30メートル以下で飛ぶなんて、普通はありえないので。
何かあったらそこら辺に激突して木っ端微塵だよね。
とにかく作戦を遂行するためには様々なクリアすべき問題が。
最も重要なのがパイロットの技量。
それはテクニックの領域にはとどまらず、命知らずな行動を躊躇なく取れるような準備がなされていることが大切とされた。
要するに命がけの作戦だよね。
その作戦を遂行するための教官として、パイロットを訓練する役柄がマーベリックの任務。
ネタバレしてはいけないけど、ストーリーにならないのであえてネタバレしちゃうけど、結局最後の最後でマーベリック本人が編隊の隊長として作戦行動に参加せざるをえなくなる。
とにかく人間の限界を超えて操縦しなければならない。
戦闘機を操るスピードもさることながら、離脱するためにはおよそ9Gを超えるとんでもない荷重に耐えなければならない。
普通の人は簡単に気絶しちゃうんだよね。
鍛え抜かれたパイロットといえども同じこと。
荷重をのり切った後は戦闘機同士のドックファイトが待ち構える。
可能性としては全員生きて帰ってこれる事は難しいとされたようだ。
前作から引きずる人間関係
わかりやすいストーリー展開の中で、前作でマーベリックの相棒だったグースの息子が登場している。
前作でグースはマーベリックの目の前で死んでいるよね。
マーベリックはその時グースの奥さんから言われていた。
息子を同じ職業にはつかせたくない。
しかし、息子は父親の遺志を継いで凄腕のパイロット(トップガン)として活躍するように。
また、マーベリックの恋愛関係もそれなりに物語に花を添えていたね。
ペニーベンジャミンの役柄で出演していた。
ちなみに前作の場合だとケリーマクギリス
しかし、年月は恐ろしいもので63歳の彼女がこちら
若手の俳優たちも多数登場。
彼らは皆スタントなしで戦闘機の搭乗シーンを演じていたらしい。
戦闘シーンは口答えを許さないほどの完成度
私は、この手の映画を見るときは4 DX 3Dと決めている。
アトラクションに近いような状態で座席の揺れること。
確かにこのシステムの映画鑑賞には最適な作品だったかも。
両手でしっかりつかまっていないと振り落とされそうになるぐらい。
しかし、数え年70歳の私でもちゃんと見られるんだから、揺れるとはいってもそのぐらいの代物だと思っていただければ。
戦闘機が、右に左に機体を揺さぶって高速で飛行するシーンは驚くほどの説得力。
それに座席が動くんだから、見ている方のハラハラドキドキは頂点に達する。
決してGはかからないにもかかわらず、思わず画面に引き込まれて気を失ってしまうような錯覚にとらわれてしまう。
この辺のシーンは全く他の追随を許さない驚くべき完成度。
それでいてストーリーは思いのほかわかりやすいのだ。
見ていて感情移入させられることおびただしい。
現在の世界情勢を考えると必ずしも首を縦に触れないもどかしさ
アイスマンが登場するシーンは思わず涙ぐんでしまうほどの感動を覚えた。
彼は末期のガンを患っている設定で、余命いくばくもない。
実際のヴァルキルマーも喉頭がんにかかっていて、ほぼ声は出せなかったようだ。
しかし一言二言声を発するシーンがあって、それはAIに人工合成させたようだ。
彼とのやりとりが、この物語の精神性を極限まで高めていた。
物語の中に登場してきた「ならず者国家」のセリフにちょっと反応してしまう。
こうやって敵味方に分かれてしまうから、「世の中平和にならない」と私たちはよく知っている。
さて、戦闘シーンの頂点で物語は二転三転しつつ、エンディングを迎える。
とにかく手に汗握る以外の言葉が見当たらない。
ここ2 〜3年見た中で個人的には1番面白い作品だったと認定できる。
前作品のことがあったので、私は続編を見る気が起こらなかった。
しかし、映画好きの人たちがネットの中で散々発言しているのを見聞きして、これを見なくして素通りできないなと。
この人の言う通り!
— hiro (@sakura41Hawks) 2022年8月12日
配信で観ようとかDVD借りて観ようとか思わず、映画館で観て欲しい!
Don't think,just do!#トップガン#トップガンマーヴェリック pic.twitter.com/OKWj6X2k73
Twitterでの投稿だけど、もし参考になればと思って。