くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

鎌倉殿の13人 止まらぬ野望、狂い始める歯車

 

物語はいよいよ鎌倉幕府3代将軍源実朝の時代に突入。

しかし、鎌倉殿とは言いつつも実態は名ばかりで、幕府の実権は執権北条時政のもの。

ただし、北条時政は、およそ政を司るにはふさわしい器とは言えなかった。

幕府の主な仕事で最も重要だったのは、様々な訴えに対する対応力。

当然誰かと誰かの諍いの仲裁をするわけで。

こともあろうに時政がとった行動は、袖の下を持って擦り寄ってくる様々な御家人たちの言い分をことごとく受け止めようとしたこと。

この時、北条時政の館には様々な御家人から届いた付け届けで部屋が埋まるほどだったと言う。

さらには、妻りくの思惑通り将軍実朝の奥方選びも着々と思い通りに進行

しかしながら、そこでも様々な野望が渦巻き、人知れず犠牲者も。

北条時政とりくの長男政範はわずか16歳で京都で暗殺されることに。

この時代、人知れず闇から闇へ葬られる人が多かったような。

さらに今日のエピソードから登場するのは北条義時の3度目の妻もえの様子。

演じているのが菊地凛子なので、いわゆるきれいなお姫様の役どころではないんだろうなと思ったところが、案の定と思われるエピソードが放送の最後の方で描かれる。

父親のあり方に疑問を抱き始める息子北条泰時。

義時と息子泰時の間にはわだかまりと埋められない溝が。

物語の描き方だけど、脚本家三谷幸喜の吾妻鏡解釈に対する見解のようなものが見え隠れ。

狂い始める歯車が表情を暗くする😓

目次

3代将軍源実朝

武家の頭領としての鍛錬、そして和歌に出会う

実朝は2代将軍頼家の弟。

勢力争いに巻き込まれた結果、3代将軍として即位した。

もちろん、政治の実務を司るわけではない。

政治の表舞台は執権北条時政が牛耳る所。

実朝の日課と言えば、薙刀を八田知家、弓を和田義盛、その他にも三浦義村など主な御家人勢ぞろいで日々勉学と鍛練。

はっきり言ってそれほど身が入っているわけではなさそう。

しかし、そんな時、母親政子がそれとなく置いておいた和歌に触れることに。

物語の中ではセリフも何もないさりげないシーンで描かれていたけど、実はこれがとても大切な場面で、源実朝はこの後朝廷寄りの振る舞いをすることになる。

それがもとで彼は自らの命を縮めることになるのだ。

後鳥羽上皇は源実朝を手足のように動かしたかった

上皇の肝いりで実朝の御台所も決められることに。

物語の流れとしては大きなうねりがここでできたと言える。

後鳥羽上皇の乳母 彼女が実朝の奥方を決める

将軍をめぐる物語は歴史が示す通り、鎌倉幕府崩壊へと突き進む。

北条時政とりく

賄賂を持ってくるものを優先

この2人を描くにつけ、キャラクターがはっきりとしてきたね。

もともとわかっていたことだが北条時政は政のトップに立てるような器ではない。

自分におべんちゃらを振って賄賂や袖の下を持ってくるものを全て優先させようとする。

そして、自分自身の利益。

彼のこの天真爛漫でいながら、あまりにも配慮のない自分勝手な暴走が鎌倉幕府のこの後の流れを決定してしまう。

彼は、武蔵の国の実効支配を目論んでいた。

そのために畠山重忠に役職返上を命令する。

北条時政の暴走を苦言

このエピソードは、このすぐ後に起こる「畠山重忠の乱」の布石と言えるだろう。

畠山氏は北条時政によって滅ぼされる。

実は、その時の争いの仲裁に北条義時も手を貸してしまうが、畠山重忠に謀反の意志などあるはずはなかったのだが、来週あたり彼は滅びることになる。

源実朝の婚姻に乗じて

源仲章に暗殺を持ちかけられる平賀朝雅

将軍実朝の嫁取り騒動は、様々な周りの御家人を巻き込むことになる。

後鳥羽上皇にとって北条氏は目障りな存在。

実朝を自分の手足のように扱いたい朝廷にとっては北条氏に働きかけて仲違いをさせるのが

1番。

そして、自分の都合の良い人物だけを幕府内に配置しておく。

そこで目をつけられたのが平賀朝雅。

彼は朝廷よりの有能な御家人だったけど、権力争いに巻き込まれた後滅びることになる。

これらの様々な画策を演出したのがりく

彼女のせいで北条時政はすぐ失脚

畠山を滅ぼすと同時に、彼らは2代目執権の座を追われ幕府から追放される。

北条義時の再々婚

義時の前ではおしとやか、しかし影ではとんでもないアバズレ

北条義時はこの時御家人仲間から再婚話を持ちかけられる。

しかし、今日の物語の中でネタバラシされるけど、この女性見かけとは裏腹で実際は裏のあるアバズレ。

そして、彼女の1連の性格も物語の中で明らかにされた。

三谷幸喜の演出では、北条泰時が真実を全て知っている形で物語進行が企画されている。。

彼は父親とも反目。

父親の再婚話に怒りを隠し切れない泰時

実は、この時北条義時は自分が行ってきた行動について激しい後悔の念を持ち始めている。

尊敬してやまなかった源頼朝の実の子供とその孫を自らの手で殺めてしまった。

頼朝の形見を息子に 自分の罪を考えれば持つ資格がない

形見は、他でもない頼朝が自分の元結の中に隠していた小さな観音像。

そして、今日物語の中でよくわかってきたことだが、改めてこの時代の男たちは女性に対する見る目がまるでないってことかな。

もえの本性も全く見抜けていない男たち。

この物語は原作通り描くなら、相当重たいエピソードが連なるはず。

そこにどうすればユーモアが盛り込められるか。

三谷幸喜がコメディー作家であることを改めて思い知らされたエピソードだったかも。