たまに映画館にどうしても行きたくなる。
もちろん、作品で見に行こうと決める場合もあるが、私はあの映画館の座席に座った感じが好きで何を見るかはあまり関係なく見ようとすることもあったりする。
4DXで鑑賞することに慣れちゃうと、どうしてももう一度って気になってしまうんだよね。
今回見たのはブラッド・ピットの最新作。
テレビのコマーシャルで盛んに予告編が流れているので、見た感じわかりやすいスパイ映画だろう、所々ユーモアがあったりして、タカを括って見るとあてが外れる。
驚くほど複雑に入り組んだストーリー。
友達と2人で行ったのだが、最初の1時間半、ストーリーを理解できることもなく ひたすら辛抱して画面と向き合う時間が過ぎたね。
最後の、30分40分で怒涛のようにストーリーをまとめ上げる手法。
舞台となったのが日本の新幹線なので、ある意味新幹線の宣伝みたいな要素もあったりする。
驚くほど、入念に仕組まれたストーリーは、一筋縄では理解できない。
そして映画の脚本監督が、日本のかつての文化に驚くほどの思い入れがあったことも納得。
バックで流れる曲が、60年代から80年代にかけてのよく知った曲が何曲か。
もちろん日本のポップス。
演歌だけは流れなかったけれど、坂本九とか、カルメンマキとか、この名前に反応できる人は私同様オタクなんだろうと思う。
ネタバレはできないので、感じたままを述べてみたい。
目次
主役ブラッドピット
この物語の原作は日本の作家伊坂幸太郎で、彼の作品「マリアビートル」をそのまま映画に置き換えているような感じ。
主人公ブラッド・ピットは殺し屋の役柄で登場。
ネタバレしようにも原作がかなり入り組んだ物語らしく、簡単には事情を理解できないのがこの映画のポイントになってくる。
物語が始まって1時間程度の間は一体何を描きたい話なのかも定かではないくらい難解に感じる。
とにかく最初はわかってもわからなくてもじっと辛抱してひたすら見続けて映像を感じ取ること。
ストーリーの辻褄など、映画では正直あまり意味をなさない。
物語が進むにつれて最後の40分程度になったあたりから、一気にまとまり始めるのだ。
真田広之の存在感
真田広之の圧倒的な存在感は、ハリウッドに特化していると言える。
私はこの手の映画を見るときには日本語吹き替え版をチョイスすることにしている。
理由は簡単で、字幕を目で追って読んでいたら素早い画面の移り変わりなど見逃してしまうと思うから。
自分の五感をフル稼働させるためには、セリフは耳1本で聞き取るのが良いだろうと判断。
英会話ができるのなら、もちろん英語版で見るだろうけど。
映画を見ていて分かった事は、真田広之は日本語のセリフは話していなかったね。
彼のセリフも英語だったと言える。
そして、吹き替えはおそらく彼本人がやったんだろう。
彼の口の動きと日本語は全く一致しなかったので、なるほど話している言葉は英語なんだなと納得した次第。
もう還暦は過ぎていると思うが、日本刀を振り回すアクションシーンはかなりの迫力だった。
やはり彼のベースはアクションスターだと思い知らされることしきり。
彼がアクションをする最後の30分で物語は今まで置かれてきた布石が次々と噛み合う形で進んでいく。
最初の1時間半の間に辛抱してじっくり物語を見続けなければ、最後のピースははまっていかないことになる。
映画は原作のストーリーを驚くほど忠実に再現しているので、チョイ役で出ている俳優たちもかなり大きな役柄を与えられていたことに驚かされる。
もし、余裕のある人なら原作を読んでから見るとより理解しやすいかも。
入念に編み込まれたストーリー
とにかく登場人物一人一人がただの端役などと思ってはいけない。
どんなに出演時間が少なくても、かなり大きな役どころを持って配役されている。
それとネタバレはできないが、あえて言わせてもらうなら、登場人物たちはほぼ全員殺し屋たち。
それぞれ一癖も2癖もあるので、また平気で嘘なども付いているので、物語はいよいよわかりにくいかもしれない。
しかし、あえて辛抱してそういったことなのかとぼんやりでいいから感じにとりながら映画を見続けることがその後の大きな進展を受け入れられることにつながる。
物語がまとまるのは最後の30分40分。
それまでの1時間半程度は、ほぼ説明に費やす時間だと言っても過言ではない。
説明の部分はやや冗長に感じるかも。
まとめ
この2枚看板で映画は成立したと言っても過言ではない。
かなりの大物俳優が最後の方でチョイ役で出ていたりもするので、画面から注意をそらす事はお勧めしない。
最初、よくわからないと思ってもしっかり我慢して飲み続けると、最後にとんでもないアクションシーンが待ち構えている。
全体の公評として見たならば、日本文化のオタクたちが作った映画かもしれない。
60年代から80年代にかけての日本の歌謡曲がバックミュージックに使われていた。
その点でも、日本人なら注意深く鑑賞すれば大きく感動できる作りになっていたかも。