舞いあがれには悪人はいないと思っていた。
もちろん、その考えには変わりは無いけれど、変人はどうやら存在しそう。
それは、他ならぬ舞の兄悠人。
彼は努力して、東大に入学するほどの目的意識と才能の揃った秀才。
しかし、今日描かれたエピソードの中で彼の人間性がはっきり分かる。
彼は、仕事や人間関係に期待感をまるで持っていないようだ。
母親がやきもきしていた就職活動もどうやら難なくこなせているような雰囲気。
内定をもらった就職先は、大手の電気メーカー。
そのことを知らされて思わず喜びを隠しきれない浩太とめぐみ。
問題はその後。
こともあろうに、3年勤めたあと、仕事を辞めて投資家になる宣言を。
彼が暗がりの中、向かっていたパソコン画面は株取引のためのトレーダー表。
FXとかバイナリーではお馴染みの画面なんだけど。
彼ほどの秀才が取り組むわけだから、それなりの勝算があってのことだろう。
しかし、その後悠人が放った一言は痛烈。
目的はお金を稼ぐため。
それ以上のものは株取引には感じていないとの事。
浩太には理解できない心情。
これまで穏やかに見えた親子関係だったが、見解の相違では済まされないような大きな溝が発覚する。
目次
悠人突然の帰還
舞が隣のお好み焼き屋梅津で食事をしていた時に突然やってきた悠人。
悠人は今まで音信不通だった。
株のトレーダーなどは日がな一日パソコン画面とにらめっこで電話にもほぼ出ないことが多いと聞く。
確かに、そんな様子が物語の中でも描かれていたね。
確かに、一攫千金の可能性はあるけど、すべてを失う可能性だって無きにしもあらず。
突然の帰還に驚きを隠せない家族に、当の本人は余裕しゃくしゃく。
昔から醒めたところのある子供に描かれていたけど、中学高校を経て東大入学を果たしてからは、その性格に拍車がかかったのかも。
ある意味超現実主義。
岩倉家
石倉家では悠人以外の家族は言って見れば夢追い人とそれを支える応援団。
この場合、夢追い人は浩太と舞。
応援団は母めぐみ。
このジャンルに全く当てはまらないのが悠人。
彼は、お金を稼ぐ以外には人生に価値を見出していないように映る。
あまり思い出したくはないが、前作の朝ドラちむどんどんの賢秀に似ている部分もあるような。
ただし、賢秀と決定的に違うのは、性格が醸し出す温度。
賢秀は暑さの塊のような存在だったが、悠人は氷のように冷たく感じるね。
浩太とは全く相入れないような。
兄と妹
父と兄のやりとりにすっかり腹を立ててしまった舞。
悠人はさすがに少しは言い過ぎたと思ったんだろう、妹の舞には多少なりとも言い訳しなければと思ったようだ。
舞は自分の大学でのサークル活動を引き合いに出して、兄を全面的に否定する事はしなかった。
目的意識がしっかりしていること、それに向かって着実な努力を重ねていく点で同じように映ったのかもしれない。
そんな妹を決して悪者扱いしない悠人。
この家族は、どうやら父浩太の生き方がこの先もなんとなく波紋を投げかけそう。
舞は自分の憧れと尊敬する先輩が同一視。
由良冬子の存在が、この先の舞の人生に大きく関わってきそうな雰囲気だね。
ちなみに、このサークルで活動しているメンバーは、大学を卒業した後は、一体どんなところで仕事をするんだろうか。
そのことを考えると、サークル活動が単なるお遊びでない事を祈らざるを得ない。
仲間たちだけで好きなことをやっているグループなので、そこから退場したときにどんなふうになるのか興味が湧く。
なにわバードマン
人力飛行機とは言え、航空許可を申請して了解を得なければ買ってには飛ばせないってことだよね。
やはり日本の国はそれなりに厳しい規制があるんだなと思う。
6月の試験飛行だけはある程度自由にできそうな雰囲気だけど。
そうなると、それまでに期待を完成させて飛べるレベルにまで持っていく必要があるってこと。
どうやら、今週のエピソードでは、試験飛行までは描かれそうな雰囲気。
人力飛行機は制作過程も見ているが、やはり軽さを追求するので、発泡スチロールが外壁などに用いられる。
結論から言えば驚くほど脆弱だよね。
人力飛行機の飛んでる様子をテレビなどでよく見かけるが、水面に落ちた段階で、皆粉々に壊れていた。
つまり、一回こっきりのぶっつけ本番のようなもの。
そして、大会の様子を思い出すと必ずすべてのチームが成功できていたわけではない。
タラップから空中に浮かんだ瞬間に翼が折れてそのまま墜落するものとか、100メーターはおろか数十メーターも飛べない機体とか。
それなりに綿密な計算をして作っているんだろうけど、結果は場合によっては冷酷なもの。
さて、この物語は今回の人力飛行機でどこまでの夢が叶うんだろう。