いろんな意味で思い出深い朝ドラちむどんどん。
毎日ブログにアップしていた関係で、そのストーリーやディティールもしっかり記憶に残る。
いろんな意味で調査をしたので、このドラマがかつてないほどの批判にさらされていたことも承知。
ここまでぼろくそにけなすSNS投稿をかつて見た事はなかった。
NHKもそれなりに気にしているんだろうなと思いきや、
しっかりとスピンオフドラマをこしらえてさらなるアピールを。
しっかりと録画をして拝見させていただいたが、スタッフたちがこのドラマにどんな思い入れを抱いていたがよくわかった。
そして、改めて俳優たちそれぞれの演技をじっくり観察し、そしてストーリーの展開の仕方などを考察してみることに。
以前から気がついてはいたが、
このドラマは人がけなすほど駄作ではない。
むしろ、ドラマの新しい描き方を模索していた点で優れたものを感じる。
再び描かれた「ちむどんどん」は何を語ろうとしたんだろうか?。
目次
ちむどんどんの世界
この物語の描き方として採用されているのはおとぎ話の手法だろう。
物語は、人物描写を始めとする心のヒダの描き方が全てデフォルメされている。
要するに役者たちが演じる様々な役どころは、全て個性が大きく誇張されているわけで。
主人公から周辺に至るまで全ての演技はおとぎ話の中に存在したと言えるだろう。
朝ドラはどちらかと言えば、シリアスなごくありきたりな演技が普通と思われてきた。
今回のドラマは、その手法を真っ向から否定してきたようにも見える。
物語のテーマは、戦後沖縄が経験した様々な苦労、さらには本土復帰後50年になる節目で描かれた。
私たち本土の人間はともすれば、沖縄の過酷な運命を見たときに気の毒とかかわいそうとか、どうしてもマイナスの受け止め方をせざるを得ない。
ちむどんどんは、私の潜在意識を真っ向から否定してきた。
少なくとも、沖縄で過ごした当事者たちが、私たちのこのような気持ちはありがたいと思うはずがない。
沖縄の人たちを本当にリスペクトするならば、沖縄の人たちの心がどんなふうに今 保たれているのかにきちんと向き合う必要がある。
そのことを大きなテーマにこの物語が作られたんだと感じる。
物語は、自分のやりたいことを達成するために努力する主人公や周りの人たちについて詳しく描かれた。
その時のポリシーとして、苦しんだり悲しんだりすることが前面に打ち出される事は、沖縄の人たちが望んでいないってことじゃなかろうか。
物語なので脚色してみた場合、ちむどんどんの形を取るしかなかったんだろうと。
今回のスペシャル番組は2時間の枠だけど、4姉妹のインタビューも交えた構成。
こういった手法もかなり斬新だろう。
ちなみに私自身のポリシーとして、誰かをけなしたり、批判したりする投稿には加担しないことにしている。
俳優たち
俳優たちの演技を見ていて感じたのは、主役を演じた黒島結菜。
女優としては一級品ではなかろうか。
今民放のドラマクロサギに出演しているが、女優としてのグレードの高さを感じる。
特に、割と甲高い声ながら方言のセリフ回し、感情の起伏の表現方法など、演技を超えている部分を感じるから。
同じように民放ドラマで主役を演じている川口春奈。
彼女も女優としては今大きくブレイクしているので知らぬ者がいないくらい有名。
しかし、女優としての演技のうまさを黒島結菜と比べた場合、私的にはやや見劣りがする。
元々モデル出身なので、演じることには多少の頑張りが必要だったのかもしれない。
物語の中でずっと流れていた上白石萌歌の透き通った歌声。
実は、私の中でちむどんどんに対する評価で1、2を争うぐらいの高評価がこの部分。
映像のバックに流れる音楽が、彼女のボーカルをチョイスしたことで、物語の奥深さに驚くほどの効果をもたらしていた。
女優としての上白石萌歌は私の中では普通でしかないけれど、ボーカリストとしては大いに評価できる。
賛否両論なわけ
物語のストーリー展開とか、時代交渉等は、正直お粗末な部分もあったと思う。
しかし、ちむどんどんは朝ドラの新しいスタイルを模索した点で先駆者だろうと考える。
様々なドラマが映像として世の中に溢れてはいるが、このドラマは不思議な印象が強い。
ストーリーも演技も大きくデフォルメされているので、違和感を感じることおびただしい。
しかし、先入観なしに感じる心、楽しむ心で物語を見れば、新しい発見があるかも。
それにしても、Twitterで見かけた #ちむどんどん反省会は強烈だった。
逆な言い方をすれば、それだけ大勢の人がこの物語に注目していたってことだよね。
まとめ
今回物語の中に登場していた布施愛織ちゃん。
彼女は、本編の時のチビ歌子。
役者たちがどんな風に対応しているかよくわかる。
今回大抜擢された布施愛織ちゃんは、注目されるだけの驚くほどの存在感を持っていた。
考えてみれば、ドラマの中で子役たちが果たす役割は限りなく大きい。
最後に付け加えれば、ドラマの信憑性をより高めるために必要だったアイテムとして方言が挙げられる。
ちむどんどんが最も魅力的に感じたアイテムの最大のものは、私にとっては方言だったので。