くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

鎌倉殿の13人 悲劇の予感

 

残りの放送回数は、わずかしかない『鎌倉殿の13人』。

この後語られる、歴史的なエピソードは2つ。

1つは三代将軍源実朝の暗殺。

残る1つは承久の乱。

さて、私は歴史的な事実しか記憶にない。

この時代の登場人物が、何を考え何を感じ、どのように行動したかなど知る由もない。

脚本家三谷幸喜。

彼は、その驚くべき筆力によって物語を画策。

ドラマとして描かれた内容は、疑心暗鬼と詭弁そのもの。

先週最後の方で京都から戻った二代将軍頼家の忘れ形見公曉

彼が将軍暗殺の最初のキーパーソンとなる。

出家した姿ながら、還俗して四代目の鎌倉殿になる気満々。

しかし、物語の流れは頼家の息子が実朝の後を継ぐ流れとはなっていない。

実朝は子供がいないことを理由に、自分の後目を継ぐのは京都からしかるべき身分のお方を呼び寄せようと画策。

やる気満々の公曉には到底受け入れられないことだった。

実朝の気持ちを尊重しようとする尼御台政子と源中彰。

真っ向から計画を阻止しようとする北条義時と三浦義村。

この辺の駆け引きの描き方が絶妙。

物語は実朝と後鳥羽上皇との結びつきによって京都から新将軍を迎える話が進む。

どこまでいっても勢力争いの構図は続く

目次

さとふる

公曉の帰還

出家の身の上とはいえ、次期将軍候補

6年経った後、鎌倉に戻ってきた公曉。

当然目的は将軍になるため。

本人はやる気満々で、鎌倉殿になると宣言。

物語の中で公曉の立ち居振る舞いが詳しく描かれていた。

やはり、人の上に立つだけの威厳や品格が備わっている

周りのものも出家しているとは言え、思わず付き従ってしまう。

1000日回峰行 およそ3年弱続く祈りの儀式

お坊さんとして振る舞う事は、女性と間違いを犯す可能性が極めて少ないと思われていたようだ。

彼の父頼家は頼朝譲りの女癖の悪さが目立った。

どうやら、そういったこととは無縁だと説明されていたね。

源氏の良い所だけが備わっているような。

頭の良さ、判断力等は頼朝を上回るとされていたようだ。

実朝と跡継ぎ

子供のいない実朝は、後鳥羽上皇に跡継ぎ問題を頼む

実朝は頼朝の次男だが、跡継ぎがいない。

物語の中では、彼は同姓愛者との設定に。

平安の頃から戦国時代以降も、男色文化は日本の特徴だったかも。

歴史的事実がどうだったかはわからないが、物語としては、ストーリーの中に説得力を持っている。

跡継ぎのいない実朝は、尊敬する後鳥羽上皇に自分の跡目に然るべき誰かを送ってくれるようにかねてより依頼。

物語の展開は、後鳥羽上皇が実朝の依頼を引き受ける形で進行。

自分の息子は現在天皇で、その次男を鎌倉に派遣しようとする後鳥羽上皇。

しかし、依頼する以上は文章ではなく、直接会ってお願いするのが礼儀と言うもの。

鎌倉から京都へ誰が赴くのかそこでまた一悶着。

結局、将軍自らが赴く事はやめて、母親政子が北条時房と出かけることに。

ドラマの中で、この辺のやりとりや駆け引きが絶妙な形で描かれる。

北条義時と源中彰

明らかに義時の政敵

次の将軍を朝廷から招き入れると決まった段階で、発言力を増してきたのが源中彰。

彼はもともと様々な暗殺事件に関わっている悪党。

彼は巧みな二枚舌を使って鎌倉幕府内で発言権を増す。

そして、露骨な言い方で北条義時の退陣を迫るのだ。

そんなことを簡単に受け入れる気などない義時。

お互い激しく罵り合う事はないが、セリフのやり取りの中に、お互いを敵視する激しいやりとり、火花散る状況が克明に描かれていた。

彼らは公曉を次期将軍にしたい💦

この中で描かれる様々なセリフやストーリーを総合すると、実朝暗殺には、どうやらこの2人が絡んでいそうな雰囲気。

歴史的な事実しか伝わらないので、どんな理由で公曉が暗殺事件を起こしたのかは、想像に頼るしかないのが現実。

物語として、脚本家が見事なストーリーを仕立て上げる。

女同士の会話

藤原兼子(後鳥羽上皇の乳母)と政子

女同士のやり取りで火花が散る様子が描かれていた。

お互いなんとしてもマウントを取りたい。

丁々発止のやり取りで、お互い1歩も譲らないが、どうやらお互いの利益は一致しそうな雰囲気。

女同士の話し合いで上皇の次男を鎌倉殿に派遣する話が決定。

そして、女同士もなんとなく腹の探り合いのつもりながら、お互いそれなりに親交深めていく。

このへんの描き方も驚くほど秀逸。

実は、女同士の戦いはこの2人だけでは済まない。

鎌倉では実衣とのえもお互い勢力争いを。

歴史書には、女たちの事についてあまり詳しい記述は無いようだが、実際はかなり活躍していたことが想像に難くない

特に、北条政子は希代の悪女として歴史に名を残しているが、どうやらそれは史実とは違いそうな。

描き方は、脚本家の筆が冴え渡る。

後鳥羽上皇とトキューサ

身分を隠して時房の前に現れる後鳥羽上皇

息子を鎌倉に送ろうと決めたのは後鳥羽上皇本人。

政子の連れが蹴鞠の名人なことに注目。

お互い趣味が一致しているとのことで相まみえることに。

トキューサこと時房

歴史的な事実が思いがけない遊び心で決まっていくと言う。

実に巧みな演出。

こうして将軍跡継ぎ問題は決着を。

しかし、それは滅びの始まり。

公曉は父と兄を北条に殺されたと知る

ここへきて三浦義村が公曉に史実をはっきりと伝えることになる。

そして、義村は北条こそが、仇だとはっきり宣言していたね。

この後起こる歴史的な事実がどんな背景で描かれるのかここで布石が置かれる。

来週以降、最終回までほぼ目を離すことができない。