久しぶりに映画館で見たブラックパンサーの最新作。
かつてなら、それほど注目もしなかったはずのマーヴェル作品。
他にもヒーロー物の映画はたくさんあるわけで、アベンジャーズを始めとして、様々なものを見比べても、果たして、この作品にどれだけの思い入れを感じれるかどうか。
しかし、他の映画と比べたときにこの映画だけが持つ特別な事情を考慮せざるをえない。
この映画は黒人が主役となった数少ない映画。
さらに、主役を演じていたチャドウィック・ボーズマン。
彼が既に病気で亡くなっていて、彼がいなくなったことが、今回の作品作りの出発点になっていること。
考えてみれば、彼の事は様々な映画でよく知っていた。
最近の黒人俳優の中で、驚くほどの存在感で記憶に残る。
本来ならば、彼が果たすべきだった役割を、一体誰がどんな形で物語を紡いできたのだろう。
目次
ブラックパンサー チャドウィック・ボーズマン
封切り後まだ5日しか経っていない映画なので、ネタバレをするわけにはいかないと思いつつ、説明する以上は多少のネタバレはやむを得ない。
この映画を理解するには、全作品を知らなければ厳しいかもしれない。
つまり、最初の作品で主役を演じていた
ワガンダ国王役チャドウィック・ボーズマン。
彼の存在がこの物語のコンセプトの全てと言って良い。
彼が、ブラックパンサーになったいきさつが映画を見ていくうちに、そういえばそうだったと思い出させるような説明が巧みになされる。
ブラックパンサーは、特殊なハーブを体に取り入れることによって、体の潜在的な能力が覚醒する仕組みで設定されていたね。
もちろん、それは誰彼できることではなくて、選ばれた人だけに許される。
最初の作品のいきさつをきちんと思い出させるような描き方になっていたので、2時間41分の映画は、決して長時間を感じさせない作りに。
ボーズマンはこの映画以外にも数多くの出演依頼を受けていたようだ。
特に、織田信長の黒人の小姓を題材にした映画、YASUKEにもオファーが来ていたが、主役が亡くなったことで計画は白紙に戻っていると聞いた。
まだ若手の印象だが、驚くほどの存在感で様々な映画で見かけることが多かっただけに、亡くなってしまったのはとても残念。
ストーリーから伝わる物語の信憑性
物語は、現実世界の世界情勢を絶妙な形で反映していた。
物語の中で全編通して登場していた特殊な物質ヴィブラニウムなる存在。
それは、どうやら金属のようなものでもあり、そうでもなさそうで、金属探知機には引っかからず兵器転用をすれば、世界征服も簡単に可能になると言う。
ワガンダ国は世界で、唯一の産出国としてヴィブラニウムを保有していたが、どの国にも輸出をしないと厳しく規制していた。
アメリカを始めとする国々が、その物質を盛んに欲しがっていて、それが物語の重要なテーマになっていたね。
現実世界でも、アメリカ、中国など、海洋進出をすることで、海底にあるとされる様々な天然資源を貪るように群がっている。
そういったことへの警鐘としても描かれた作品。
つまり、現実世界が被ることで、不思議な連帯感が見ている側に生まれるのだと言える。
最新のSFX技術
この映画を撮影した監督は、ターミネーター2の世界観に憧れていたと聞いた。
ターミネーターの世界観をそのままあてはめるような感じに設定してあるらしい。
36歳と言う若さは、映画街の中ではごく最近登場してきた感が強い。
しかし、すでにディズニーなどおもだった映画会社から多くのオファーを受けており、その評価はゆるぎない。
最新の撮影技術は、それがコンピューター処理なのか、実写なのかほとんど区別がつかない。
違和感のない映像を見せられると鑑賞する側もその気になってしまうのが、映画の信憑性に相当する。
戦闘シーンもそうだし、様々な乗り物が登場するが、それらがあたかもそこに存在するがのごとく描かれる。
物語が伝えたかった世界観
今回の物語で主人公だと思わせるのは、女性。
彼女の存在感がこの物語をぐっと引き締めていた。
調べてわかったことだが、この物語(ブラックパンサー) はX-Menと融合している。
物語の最後に、亡くなった彼女の兄(かつての国王)の息子が登場していたが、マーベルの漫画では、その息子はX-Menのストームの子供と設定されているようだ。
あまり話すと、全てがネタバレになってしまうので、このぐらいにしておくが、この物語はほぼ間違いなく続編が作られる。
その続編のオファーは、どうやらあちこちの俳優にかかっていると聞いた。
ただし、映画館で上映されるかどうかはいまひとつはっきりしなかった。
個人的には、映画館の大きなスクリーンで、4DXでやって欲しいもの。