くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

鎌倉殿の13人 受け入れがたい悲劇

 

今日の放送を含めても残り5回となった鎌倉殿の13人。

クライマックスを迎えた物語は、歴史に残る重大事件、三代将軍源実朝暗殺事件が描かれる。

しかし、ただ史実を擦っただけでは物語としてはいささか味わいにかけるだろう。

脚本家三谷幸喜は、物語の核心部分を描くにあたり、独特の脚色を加えさらに展開を大きく広げた作りに。

登場人物の中で、重要な役割を果たすのは公曉。

彼は、自分の父親の無念を晴らすために憎しみを募らせてきた。

実は時代の性質上、登場人物たちが当時起こったことの事情を詳しく把握しているわけではなかった。

源実朝は、自分の兄頼家が北条によって殺された事実を知らなかった。

巧みな台本は、物語の途中で実朝がその事実を知ることに設定されている。

さらには、実朝が公曉に事実を打ち明けている。

その上で、お互い協力して幕府を運営しようと持ちかける。

しかし、登場人物は自分以外の周りの人たちを信用してはいない

不信感こそが事態をより深刻なものに導こうとする。

実は、今日のエピソードは最後の事件の部分は来週に持ち越す形に。

事件の顛末は来週、結果として描かれることになる。

権力の頂点に君臨

目次

続かない平穏な日々

義時の依頼で仏像制作をした運慶

北条義時は覚園寺の建立に当たり仏像の制作依頼をしていたようだ。

本尊、薬師如来とその周りを取り囲む眷属十二神将。

日本には、様々な仏像が全国各地に残っているが、薬師如来と十二神将のセットはその中でもポピュラーなもの。

十二神将は、十二支に基づいて作られた神様。

私が知る限りで有名な所では、新薬師寺の婆娑羅大将が思い出される。

物語にも登場していた北条義時の守り本尊

もう50年近く昔になるが、奈良時代の作品とされる十二神将は直に見たことがある。

新薬師寺 はるか昔実物を拝観

以前のエピソードでも登場していた運慶がここでも再び。

北条義時の顔があまりにも悪くなったことを本人には告げないでいたようだ。

気の毒が先に立ってしまうらしい。

物語の布石としては申し分ない配置。

この後、この物語は歴史的な大事件が控える。

そこで起こることを考えれば、北条義時のこれからの運命は目を背けたくなるほど凶悪なものに映ったのだろう。

右大臣拝礼式

今までの経緯を知らされてはいなかった実朝

源実朝は初代の征夷大将軍源頼朝を超える官位に任ぜられる。

右大臣は、左大臣よりも格上。

昔から言われるように右に出るものはいないとされる。

それはとりもなおさず源実朝と後鳥羽上皇の親密な関係を物語るもの。

ここへきて、実朝は自分の兄がどんな死に方をしたのか知ることになる。

北条氏によって暗殺された二代将軍頼家

源実朝は頼家の弟に当たる。

この兄弟は、2人とも源頼朝の嫡男。

鎌倉幕府は、源頼朝直系のこの3人で成立したことになる。

頼朝亡き後の幕府の歴史は、疑心暗鬼と詭弁。

それによって多くの血が流れた。

源仲彰

野心家 北条義時を目の敵に

朝廷の使いとして鎌倉にやってきた源仲彰。

彼は、野心家として幕府をいかに運営するか画策。

時の執権北条義時を目の敵にしていたようだ。

物語の中では、義時の妻のえに近づく様子も描かれていた。

言葉巧みに凋落 これ女たらしの貴族のやり方

物語の中では、かなりなイヤミな男として描かれている。

物語の後半では源仲彰は重要なキーパーソンになるので、関わりを丁寧に描くことでストーリーの信憑性がより増してくる。

三浦義村の暗躍

公曉の後ろ盾 北条を滅ぼすことを画策

三浦義村は公曉の後見人に相当する。

物語の中では、最初から登場していて北条義時の親友。

しかし、彼は北条氏によって苦難を強いられたことも。

彼の周りの様々な武将たちが既に粛清されて、この世にはいない。

どうやら、義村は今回の物語で北条義時を亡き者にするような計画に加担しているような雰囲気。

北条泰時の立ち位置も絶妙に描かれる

三浦義村は北条義時が死んだ後も長生きする。

彼が物語でどんな役割を外してきたのかを考えれば、単なる友達では済まされないものが。

実朝は、鎌倉を捨てて京に都を移すことを考えていた

物語は、来週事件の核心部分が描かれるが、その前段階として公曉と実朝の様子も描かれていた。

復讐に燃える公曉

今日の放送が終われば、来週以降4回で物語を終了させる必要が。

物語の中で、重要な役割を演じてきたトウ

中彰暗殺に失敗

物語の核心部分は来週に持ち越しとなる。

予告編もしっかり見たが、原作吾妻鏡に残された記述に基づき脚本家が絶妙に脚色。

偶然が巧みに重なる描かれ方。

物語の終焉までは、あとわずか。

これが、日本の歴史の1部だったと思うと暗澹たる思いがする。