物語は、移住お試し体験でやってきた母親森重美知留の息子朝陽君を中心に据えて展開される。
今日は貴司君が休みを利用してばんばの家に泊まりにやってきた。
彼も、かつて人間関係でギリギリまで追い詰められた過去が。
言いたいことを言えずに、心の中にため込んだままでは、やがて身動き取れなくなると、貴司君は舞に語って聞かせる。
今日のエピソードで舞はどうすれば朝陽君と仲良くなれるのか、じっと観察しつつコミニュケーションを。
同時に、描かれたのが母親美知留の言いようのない苦悩。
わがままな息子を抱えて、小さい時からずっと周りに謝りっぱなしだったと。
涙声で語る未知瑠さんの言葉には、やり場のない苦しみがひしひしと伝わってくる。
母親は、周りから育て方が悪いと非難され通し。
息子のことが原因で、夫ともうまくいかなくなって離婚してしまう。
母親として自分しかいないんだと必死に言い聞かせ、頑張ってはきたけれど、もう限界が近いような描かれ方。
朝陽君をじっくり観察している舞は朝陽君が登校拒否を続けることを踏まえつつ、本当は彼が
学校に行きたがっていることに気がつく。
目次
貴司
物語の設定では余年前に舞と久留美とともにここに居わわせせた貴司。
あの時は、彼は会社勤めが苦しくて厳しくて限界に達して五島までやってきた。
現実逃避だけど、ばんばは別にそのことについて何かを責めたり励ましたりする事はなかった。
ばんばはあの時、語った言葉。
誰かに合わせる必要はなか!
ありのままの自分でいればよか😌
この一言で貴司は救われたと語る。
そして、舞と近況報告し合う。
感覚の鋭い貴司は舞が本当の気持ちを押し殺して、胸に心配事を秘めていることを瞬時に見抜く。
心のあり方について、深く考察し言葉にしたためるのが彼の真骨頂。
舞は貴司に促されて、本当は内定が1年伸びたことが心配で仕方がないと語る。
ひょっとしたらそのまま内定取り消しだってあり得ること。
そのことを暗示するような、新聞の一面の見出し。
確かに、内定なんて言って見れば、ただの口約束みたいなものだから。
経営に厳しくなった会社は、守りに入るので、
ごめんなさい😢の一言で大勢の従業員を人員整理することが横行していた。
会社勤めをしていた私も胸に手を当てて考えてみると、本当に苦しく切なかったと思う。
会社が真っ先に見直す経費は人件費。
働いているものにしてみればたまったもんじゃないんだけどね。
明日の生活を否定されちゃうわけだから。
舞と朝陽君
舞は持ち前のコミュニケーション能力で朝陽君との距離を縮めていく。
彼が一生懸命南天の実を並べている場面が、昨日あたりから描かれていたけど。
実はあれみんな星座だったんだよね。
言われてみたらなるほどと思うけど、会話しなければなかなか気がつかない。
一言二言の会話の中から朝陽君が星空に興味があることがわかってくる。
星座としてももちろんだけど、彼の場合どうやら宇宙物理学全般に興味の対象が向いているようだ。
彼の様子を見ていると、天才物理学者と呼ばれたアインシュタインの事とか、宇宙に興味のあった映画監督の話とか、ミュージシャンとかいろんな人たちが思い起こされた。
宇宙に関する話は、私も大好きなのでいくらでも語れるけど、子供心に星空に思いを寄せる朝陽君は周りが心配するようなおかしな子には見えないけど。
舞の仲間たち
自分自身の就職が1年延期と言うのは、不安以外の何物でもない。
それは、かつての航空学校時代の仲間たちにも言えることのようだ。
倫子は採用されたまでは良かったけど、訓練そのものはどうやら遅れると語っていたね。
リーマンショックは、いろんな点で世の中に大きな影響与えていたと思う。
お金の流れがうまくいかなくなることが、こんなにも不便なことなんだと思い知らされた時でもあった。
ちなみに、私もその頃はサラリーマンだったので、毎年のように新規採用を雇っていたけど、この頃は長続きしない子が多かったような気がする。
それでも、私のいた工場では毎年数人の新入生がやってきたと思った。
新入生が入ると、同時に毎年経験するのが退職する子がいると言う事。
それは、ほとんどが若い世代に集中したと思う。
やっぱり、こんな会社にいても未来は無いと思っちゃうんだろうな。
既に年齢がいってれば、今以上の好条件の職場が見つかるはずもなく、歯を食いしばって、そこでがんばり続けるしかないってのが、私の胸の内だったと思う。
サラリーマンの働く者達の胸の内は、私には手に取るようによくわかる。
朝陽君と母親 美知留
朝陽君の母親美知留は息子が小さい頃から苦労のし通し。
朝陽君は他の子とは、振る舞いが全然違っていたようだ。
それは、他の子が機嫌よく遊んでいるのに、息子だけは泣いていたり、怒っていたり。
周りの大人たちに言われるのは要するに、躾方が悪い。
これ言われると、母親は立つ瀬がないよね。
結局、子供が起こす大小の様々な問題は、全て親のせいになってしまう。
そして今思い出してさらに感じる事は、この頃から子供たちにもコミュニケーション能力が不足し始める子たちが大勢出てきたような。
子供たちの事は、子供たちでやりくりして何とかしていくのが1番理想的な形。
大人は余計な口出しをしないのが一番望まれることなんだと思うけど、大人たちはことごとく口出しをして、子供たちを守ったつもりになっていた。
今の学校も似たようなもんだろうと思う。
学校の先生たちも、基本的にはサラリーマンなので聖職者の側面はほとんどないのでは。
そして、その事は決して責められるべき筋合いのものでもないだろう。
やっぱり、子供が少ないこと自体が出発点になっているような気がしないでもない。
美知留の涙交じりの訴えにばんばはどんなアドバイスをしてくれるんだろうか。
舞が子供の時のように、適切な励ましをしてもらえるものと信じたいね。
舞のスタンス
舞は人物をじっくり観察することに優れた能力を発揮。
朝陽君が翌日の学校の準備をかいがいしくしている姿を見るにつけ、本当は彼は学校に行きたいと気がつく。
ではどうすればってことが明日以降のエピソードになるんだろう。