一旦はIWAKURAを清算することに決めたはずだった。
めぐみが社長を引き継いだところで浩太と同じ仕事ができるはずもない。
後々のことを考えれば、資産価値が下がらないうちに、会社を畳んでしまうのがベストと考えるのはやむを得ないこと。
しかし、舞いあがれはそんなありきたりの展開で進む朝ドラではなかった。
視聴者を始め誰もが思っていたのは、新しく増設した工場や工場に収められた優秀な機械に注目しがちだが、IWAKURAの本当の資産は働いている従業員たちなのだと今日改めて紹介される。
そして、めぐみを取り巻く様々な人たちとのコミニュケーションでIWAKURAがなくなってしまうことは誰も望んでいないと納得。
特に従業員たちは、社長の指示に従う姿勢を見せながらも働き手としての心意気は浩太譲り。
また、祥子ばんばがなぜ亡くなった夫の船を引き継いでそのまま仕事をしてきたのか知らされるめぐみ。
夫の思いを引き継いで、仕事を続けると一緒にいるような気がするんだと。
さらに舞は、IWAKURAがなくなることがどうしても受け入れられない。
悠人にもIWAKURAへの投資を持ちかけて、あっさり断られてしまう。
もし、母親が会社をなんとか引き継ごうと思うのなら、犠牲を払ってでも手伝いたいと決意。
目次
IWAKURA
会社そのもの売却するとなれば、査定と呼ばれる作業が必要になってくる。
その時の様子が詳しく描かれていた。
IWAKURAは働いている従業員丸ごと受け取ってくれることが希望。
工場勤務をした私も経験的によくわかるが、工場内がきれいに片付いていること、そして掃除が行き届いていること。
この2つは、査定の時の絶対条件になる。
ホコリの被った機械、さらには散らかった工場内。
この2つでほぼアウトだと思っていいだろう。
今日の物語で描かれていたのはめぐみが早めに工場に行って掃除をしようとしたところが、すでに従業員たちが早出で掃除を始めていたシーン。
この時、彼女は決意するのだ。
工場や機械だけがIWAKURAの財産ではない。
1番の宝物は浩太とともに働いてきた従業員たち。
このことを気づかせてくれた社員たちの心意気はなににもまして尊い。
祥子ばんば
浩太の葬儀が住んでIWAKURAの方向も決まったと感じたのだろう。
ばんばは五島に帰るらしい。
ばんばと娘めぐみの会話があった。
めぐみの父が亡くなった時、ばんばはどうしてそのまま仕事を続ける気になったのか。
それは、、今まで一緒に働いてきたんだから、これからも仕事をすれば一緒にいられるような気がする。
単純素朴な答えだけど、めぐみの浩太を失った気持ちと共通する部分が。
1度は、社員たちに会社をたたむことを報告しためぐみ。
ここへきてどうすればいいのか、再び考えることになる。
舞は、もし母めぐみが会社を続けたいと行動を起こすのなら、自分も一緒に頑張ると決意したようだ。
舞はパイロットになる夢がある。
今、自分の中に湧き上がる決意は、その夢を一旦封印することでもあった。
これは、その後の人生設計を左右する重大な局面。
貴司たち幼なじみ
貴司や久留美は、舞がパイロットになることを諦めてもIWAKURAを手伝う覚悟を知ることになる。
舞が工場勤務に、まったくの素人なことを指摘して、激しく詰め寄る久留美。
それをたしなめる貴司。
舞は改めて自分の決意を述べることになった。
自分の夢を封印しても、母親の力になりたい。
貴司は歌人として舞をトビウオに例えた。
水の中におっても、トビウオはトビウオや。
つまりパイロットにならなくても、あるいはなれなくても、舞はパイロットとして活躍できるだけの条件が備わっている。
つまり、なってもならなくても舞はパイロット。
これはなんとも頼もしく嬉しい励まし。
そういえば柏木は舞がパイロットになることで親孝行ができると語っていた。
もちろん彼の言葉は正しい。
舞はおそらく採用しないと思うけどね。
歩みノート
浩太の遺産とも言うべき歩みノート。
それは、日記代わりの役目を果たしていたが、IWAKURAが存在するアイデンティティとも言える。
舞もめぐみもノートを隅々まで読むことで、浩太の本当の気持ちを知ることになるのだ。
そして、いなくなった父親が、このまま自分たちの心の中に住み続けるためにはIWAKURAをがんばって存続させること。
そのためには高いハードルがあって乗り越えなければならない。
悠人は舞の申し入れを即答で断っていた。
しかし、内心は父との確執に何とか決着をつけたい
描かれている悠人は明らかにイラついていたよね。
この先どうなるかはわからないが、彼はIWAKURAに出資するのではと思う。
そして、IWAKURAは工場の売却はしないまでも、さらなるリストラは必要になってくるのでは。
大切なのは会社が存続できるだけの仕事をこなせるようになること。
あと2日のエピソードで、今週の物語は決着する。