舞にとって、自分が生まれ育った工場はかけがえのないもの。
IWAKURAを救うために行動を起こした彼女。
それは後戻りのできない道を自ら選んで前進すること。
博多エアラインの内定をもらっていながら、それを辞退。
パイロットになる道を封印して実家の工場を再建する。
生半可な決意で取り組めるようなことではない。
今日描かれた物語の中で、母めぐみは工場の運営では社員たちから協力を得られて、銀行の借金返済が半年ほど延期してもらえたことを報告。
わずか半年でも猶予してもらえる事はありがたいに違いない。
さらに発表された事は、これからの会社運営には営業が不可欠なこと。
新しい営業員として娘を採用したことを告げる。
舞は社員たちに、自分が航空会社の就職を辞退したことをその場で告げた。
思わずどよめきが起こる会議室。
営業なんだから、仕事をとってなんぼの話。
技術畑で働いている人は、営業職など苦手中の苦手。
舞はもともとが技術的な仕事を目指していたので、営業はゼロからの出発になるはず。
案の定、苦労の連続だったが、ここでめげないのが物語の主人公。
自分の工場で作っているネジのことを詳しく知るための勉強を始める。
営業しながら必要な知識を勉強していくなんて、およそ考えられないような無謀な試みにも思える。
事実を知った社員たちの冷ややかな目、さらには同僚の山田の発言など、舞にとっては、何もかもが逆風。
しかし、バラモン凧のように向かい風でこそ、力強く羽ばたける舞は決して引き下がる事は無い。
目次
営業職
先週までで3人のリストラは完了した。
IWAKURAのこれからの課題はしっかりとした収益に結びつく仕事をとってくること。
実は、口で言うのは簡単だがこれが驚くほど大変。
技術畑の人間が会社内で営業職に回されて、それが嫌で退職する例は山ほどあると思う。
当たり前のことだが、人には向き不向きが。
そして、もちろん、営業の得意な人もいっぱいいるが、日本人はおしなべて何かを売り込む事はあまり得意なように見えない。
特に、会社同士のやりとりでは、営業職が様々な思惑をもとに話し合いをするのだが、これがまた驚くほど大変で、肝心の仕事の話に至るまでに力を使い果たしてしまう場合がほとんどなのでは。
舞は母親からも言われただろうが、営業職として会社内で仕事をすることに。
会社は、営業を強化してしっかりとした利益を生み出す体制を作らなければ、半年後にはさらに危機が訪れる。
借金の返済期限は半年延びただけなのだ。
舞の就業スタイル
舞の仕事のスタイルは、今までと同様梱包の仕事はするがそれは午前中だけになった。
午後からは、同じ営業の藤沢の作ったリストをもとにあちこち会社訪問をすることになる。
単純に、仕事をとってくるのが営業の役割。
口で言うのは本当に簡単。
白状すると、私も学用品の飛び込みセールスなどを半世紀近く前にやったことがある。
断られるのが仕事みたいな営業だったけど、まぐれでごくたまに買ってくれる人もいた。
断られ続けると、気持ちが滅入ってしまう。
およそ3ヶ月ほどの間だったけど、早々に辞めることになってその後は力仕事が主ななりわいになった。
母と娘
めぐみと舞はIWAKURAを二人三脚で運営することになる。
おそらく、これで大丈夫なんてつゆほども思っていない。
浩太の残した会社を守るためには、これ以外には方法は無いのだと2人ともよくわかっている。
舞の言葉の中に、「どんなに忙しくてもご飯は一緒に食べような」というのがあった。
2人ともそれぞれの立場がどれだけ大変なのかをよく知っている。
めぐみが五島のばんばと電話するシーンがあって、途中から舞も加わる。
ばんばは舞が航空会社の内定を辞退したことを知らされる。
しかし、大阪と五島で距離は離れているが、それぞれ心は通い合っているような。
あの朝陽君が友達に誘われて、学校へ行くような話も。
それぞれが皆、自分の思う人生を生きていることに舞は大きく励まされる。
営業先
舞は単刀直入に新しい仕事が欲しいと。
舞のように、若い娘さんがおねだりするように話しかければ、多少の効果が期待できるのかもしれないと思っちゃうが、ココは飲み屋さんではない。
会社同士の営業になるので、技術的な事、コスト的なこと、全てがわかった上で話をしなければならないのだ。
万が一赤字にしかならないような仕事を引き受けてしまったなら、弱りきった会社をさらに鞭でひっぱたくようなことにもなる。
舞は営業先の人に厳しくたしなめられたけど、言われてみれば彼女は自分の会社のネジに関わることをほとんど何も知らずに仕事をしていた。
営業先の担当者の発言は、冷たいようにも思えたけど、別な意味ではとても親切だと思う。
もし悪意のある担当者なら、赤字の仕事でさえも平気で押し付けてくる可能性が。
仕事のやりとりは考える以上に難しいのだ。
必要経費が1000円かかる品物を500円で売ったならば赤字になるのは当然。
1000円以上、物にもよるけれど1200円とかそれぐらいで売らなければ利益は出ない。
そのことを厳しく教えられたのだろうと。
挑戦者
どうやら笠巻さんからネジについて学ぶような雰囲気。
自分で勉強するのはもちろん大切だが、誰かに聞くのは手っ取り早くて最小限の労力で済む。
笠巻さんは浩太と仕事を始めた頃のことを思い出したに違いない。
しかし、大切なのは、行動を起こして、それを積み重ねること。
私自身の記憶にも残る物語の中のやりとり。
さて、1週間は始まったばかり。
この先のエピソードに要注目。