物語の設定は2013年との事だったが、様々な盛りだくさんなエピソードが描かれることになった。
もともとこの物語は舞が主人公で、彼女には仲の良い幼なじみ貴司と久留美がいる。
この2人とは、子供の頃からの長い付き合いで気心も知れている。と同時に物語でも様々な場面で大きく関わりを持って描かれてきた。
今週は、その中でも久留美の結婚話が別れを選ぶ切ない展開。
そして、かつて仕事で神経をすり減らしてギリギリまで追い詰められていた
貴司はついに歌人としてデビューすることに。
肝心の舞は先週からずっと描かれてきた航空機部品製作へのチャレンジが、ついに結論を迎える。
若者たちの物語として描かれながら、実際は過去から受け継いできた親世代の思いもここへきてしっかりとそのつながりが明らかになる。
あらゆる面で未来に向かう物語でいながら、過去からのそれぞれの思いがしっかりと継承されていく巧みな表現。
今週は物語全体が次のステップに進むための様々な提案とその設定が説明される重大な局面を迎えていた。
描かれたのはわずかに5話分だが、過去から連綿と続いてきた空への憧れは次の段階に進む。
目次
航空機用エンジンの部品製作
それは暑い最中、航空機部品製造のためのセミナーに参加したここから始まった。
舞は父の夢だった飛行機の部品を作ることに自分の夢を重ねる。
めぐみ社長を説得して、航空機エンジン用のボルトの試作にチャレンジ。
IWAKURAが航空機部品製作の力が備わっているかどうかの試験も兼ねていたと思う。
IWAKURA一社だけでは到底成し得なかった仕事のはずだったが、舞たちプロジェクトチームは力を合わせ、東大阪の工場の様々なノウハウを結集。
その結果、IWAKURAのライバル企業朝霧工業にも勝るとも劣らない間違いのない部品を生み出すことに成功。
ただし、どうしても生産力がライバル会社に劣るとのことで、注文には至らなかったが、IWAKURAの持つ技術力と何よりも系列会社のチームワークは、これから大きな戦力になることが証明される。
IWAKURAの受け継いできたもの 目指すべきもの
IWAKURAを浩太が受け継いだのは、彼の父親が亡くなって工場をつがざるを得なかったから。
それまでは浩太は荒金さんとともにオールジャパンで飛行機を作る夢に燃えていた。
志半ばでお互い進む道は違ってしまったが、航空機部品製作を目指す浩太のチャレンジ精神は、次の世代にもしっかりと受け継がれていたように思う。
今週描かれたエピソードで、IWAKURAの実力を証明できたことでめぐみ社長には航空機部品に特化した会社に変えて行かないかとの提案がなされる。
プロジェクトをやり終えためぐみ社長は荒金さんの申し入れをお断りすることに。
それは先代社長浩太のチャレンジ精神はもちろん大切だが、リーマンショックの時に、経営不振で社員をリストラしなければならないような苦しい経験も。
そのことを考えたなら、
リスクのあるチャレンジをするよりも着実に従業員を守って堅実な商売を続けたいとの判断。
経営者として、驚くほどの冷静さ、確かな判断。
先代社長を超えたかもしれない先見の明は、舞をして“かっこいい”と言わしめる。
舞はIWAKURAの営業としての仕事だけだといささか拍子抜けのようにも感じていた。
彼女にしてみれば、空を飛ぶこと飛行機を作る事は父同様、憧れであり夢そのもの。
そのことを考えれば、今この場にとどまる事はちょっと物足りない気がしないでもない。
久留美の別れ話の波紋
今週、時間をかけて丁寧に描かれたのは久留美の結婚話し。
相思相愛で誰からも応援されるような結婚の約束だったはず。
しかし、
世間体を気にする婚約者の両親の猛反対で、結婚はご破算になってしまった。
それというのも久留美の父佳晴は元ラグビー選手で、怪我をして現役引退の後定職に就くこともなく、フラフラする日々を過ごしていた。
そのことを厳しく指摘されて、そんな父親の育てた娘など、息子の嫁にふさわしくないと厳しく断罪される。
実は、ここでは久留美がこんな父親で不幸だという周りの先入観が、結婚の成就を妨げることになった。
久留美は父親のことを尊敬し、大好きだと語っていた。
だめな父親には違いないが、それは周りがそう思うだけで、自分としては何の不満も抱いてはいない。
結局のところ、父親を侮辱されたと思った久留美は婚約を破棄することに。
あまりネタバレはできないが、彼女は他のいい人とちゃんとした縁が出来るような感じもある。
舞の立ち位置
物語の最後の方で出てきたかつての航空学校時代の仲間たち。
彼らの活躍を聞かされると舞は自分が今置かれた立場をちょっと不満げに話してしまう。
舞はやはり空を飛ぶことへの憧れはどうしても捨て去ることができないらしい。
周りの仲間たちは舞が気持ちを保ち続ける限り、いつでもチャンスはやってくるのだからと励ます。
進む道は違っても舞には頼もしい仲間が必ず周りに存在。
そして、忘れていけないのが貴司の存在。
彼は歌人としてデビュー。
これからの物語設定でも貴司の存在はかなり大きなウェイトを示すはず。
おそらく、これからのストーリー展開の中で絶対に外せないと思う。
来週からの物語
順風満帆に経営できていたはずの悠人のファンドマネージャー。
しかし、必ず勝ち続けられるわけではなかったようだ。
秋の最後で描かれたのは、どうやら彼はインサイダー取引に手を出したらしい。
これは、株式の世界では明らかな犯罪行為。
来週はこの流れを受けたストーリー展開になる。
おそらく、IWAKURAにもそれなりの影響が出るはず。