今週描かれる物語は先週からの続きとしてのストーリー。
徳川家康は、桶狭間の戦いの後織田信長に従うことになる。
その結果、元の主家今川家と袂を分かつことに。
そこで、起こったのが家康の妻と子供、さらには実家が人質に取られることに。
当然、今川に楯突いた松平元康(徳川家康)は裏切り者として制裁を受けることになる。
今川義元が討ちとられた後、後を継いだのが氏真。
彼は、家康の妻瀬名たち1族に死罪を申し付けた。
今日描かれたのは、追い詰められた極限に於いて家族を奪還するための厳しい作戦の様子が詳しく語られることに。
物語は、史実に残る上之郷城の戦いを中心に語られる。
上之郷城の当主、鵜殿長照は徳川家康軍と熾烈な戦いを繰り広げたが、力及ばず討ち死にすることになった。
さらには、元康たちの作戦で鵜殿氏の息子2人を人質にとられてしまう。
そこで、描かれたのは、鵜殿氏の息子と瀬名たちの人質交換。
おそらくは、脚本家の脚色によるエピソードだとは思うが、史実としてはきちんと辻褄が合うようになっているところが巧みなところ。
物語は、バラエティー的な要素も加えながら、切羽詰まった忍者集団の激しい立ち回りなども同時に語られる。
さらには、人質交換の時のそれぞれの胸の内。
見ているものを納得させる巧みな展開。
目次
再びの服部党
徳川家康が服部半蔵らの忍者軍団を飯抱えていた事はよく知られている。
服部半蔵は家康の家臣にして、16神将にも数えられる。
物語は史実を踏襲しつつも内容を大きく発展させる。
服部党なるものが実際に存在したかどうかはわからない。
ただ、徳川家康の政治的な策略に大いに貢献したと解釈。
そこから膨らませたエピソード。
ちなみに、この盗賊を演じている女優は、松本まりか。
最近あちこちで見かける女優さんなので、顔には見覚えが。
今の女優さん達は、ある程度アクションもこなせないとやっていけないのかもしれない。
彼女の戦闘シーンはなかなか見ごたえがあった。
瀬名奪還作戦
服部半蔵が立てた作戦は、上之郷城を攻めるときに、どさくさに紛れて場内に入り、そこで城主の鵜殿長照と息子2人を人質に取ると言うもの。
つまり、その人質を瀬名たちを交換する作戦。
ある意味、無謀とも思える作戦だが、歴史的に見れば、上之郷城を攻めるときに、徳川家康は服部半蔵を中心とした忍を多用したとあった。
本来、卑怯な作戦とされる夜討ち、朝がけを平気で使って作戦を成功させたと記録に残る。
勝つために手段を選ばないのは、この時代頂点に足していたと思われる。
上之郷城
城主鵜殿長照は自分の城を攻められたときに命を落とすことになる。
それは歴史的に見てもその通りの記述があるので間違いないだろう。
しかし、人質うんぬんの件はこれは脚色と言うもの。
ただし、物語的にはかなり面白く興味深い作りになっているかもしれない。
描かれたドラマの中では、松平元康を卑怯者呼ばわりし、瀬名たちや関口家に対して
今川氏真の命令で殺そうとする。
ここで登場するのが、徳川家康の影の軍団。
夜、隠密作戦で城主と子供たちを人質に取ろうとする。
その時、人質として確保できたのが子供たち2人で、鵜殿氏はその場で自ら命を絶って死んでしまう。
今川氏真と関口家の人々
今川氏真は、父義元から受け継いだ領土を守るのに必死だった。
領土を脅かす裏切り者や侵入者などはどうしても許すわけにはいかない。
松平元康の妻瀬名とその1族は明らかに裏切り者で見せしめの意味もあって、生きながらえさせることにはならなかったようだ。
時間軸を巧みに前後させながら氏真と関口家のやりとりが描かれるようになっていた。
子供たちを救うために、自ら生贄となってさらには犠牲になることを申し出る関口氏純夫婦。
必死の呼びかけにしぶしぶ応じる今川氏真。
この場面は、命のかかる驚くほど深刻なシーン。
こういったシーンばかりで物語を作っても、全体としては深刻になりすぎるので、そのせいとは言わないが逆に、ユーモアたっぷりのシーンが冒頭に語られていた。
大女優松嶋菜々子をこんなおちゃらけた役で使うなんて、ここはかなり冒険だったかも。
しかし、演じている側もこのような設定だとかなり楽しいのでは。
まとめ
物語最後で語られたのが人質交換の様子。
驚くほどの緊張感と恐怖が渦巻く中を巧みに描かれていたけど、実はこの後の歴史的な事実を考えると、これだけ大きな犠牲と労力を払って取り戻した妻子を徳川家康は、自らの手で殺してしまうのだ。
そのことを考えると、この物語が単に面白おかしい展開を目指しているのではないことがよくわかる。
来週は、どうやら一向一揆との関わりが描かれるらしい。
興味深く感じるが、徳川家康は熱心な阿弥陀信仰だったことが知られている。
この辺のところはどんなふうに描かれるんだろう。
