先週のエピソードで、武田信玄と対峙することになった徳川家康。
今週はその後のエピソード、足利幕府15代将軍義昭の要請で上洛する家康の様子が描かれた。
新たなキャラクターも登場することで、物語は奥行きが広がる。
足利15代将軍足利義昭。
明智光秀
羽柴秀吉
そして今日注目すべきだったのは、浅井長政。
彼は、織田信長の弟分で信長の妹お市の方をめとっていた。
彼女に、最初の娘茶々が生まれた直後の設定で、家康と語り合う様子が描かれていた。
何度もブログで報告しているが、この物語は史実を改ざんする事はないが、解釈は驚くほどデフォルメされている。
物語で描かれたようなエピソードが本当にあったかどうかは、当然のことながらわからない。
物語は、最後の方で浅井長政が義兄信長を裏切る決心をしたことが描かれていた。
歴史的に間違いのない事実なので、物語の流れとしては受け入れ可能。
ただし、京都での様々なやりとりがどこまで本当のことだったのか。
物語の描き方で、歴史的な事実もこれぐらいテイストが変わってくるといういい例だろう。
今週から来週、さらにはその後のエピソードも、歴史的にはかなり有名なので、果たしてどんな描かれ方になるのだろうか。
目次
上洛に至る経緯
この時期、足利将軍家は、存続の危機に瀕していた。
13代将軍足利義輝が暗殺された後、幕府は決定的に弱体化。
織田信長はそこに注目。
信長が手助けすることで、将軍家を再び栄させることができる。
それは自らの覇権を確かなものにしようとする信長の野望でもあった。
将軍がどんな力を持っているかは関係なかったとの設定で、かなりデフォルメされた愚人として描かれている。
信長は、将軍家への忠誠を確かなものにするために、全国に散らばった諸大名を上洛するように仕向けていた。
従わなければ粛清する。
信長が全国制覇の主導権を握ろうとする第一歩だった。
都
この時代の京都守護は、信長の一の家来羽柴秀吉が受け持っていた。
この物語の中では、秀吉は女好きの奇人変人として描かれているが、雰囲気はまさにぴったり。
現存する記録の中では、物語で描かれたような事実があったとは到底思えない。
しかし、歴史を改ざんしていないんだから、ひょっとしたらあったのかもと思わせるところが、脚本家の腕の見せ所。
徳川と足利将軍家
足利義昭がここまで変人とは思わなかったけれど、なんとなくありそうだと思わせるのは脚本家の腕前だろう。
足利義昭はもともとお坊さんだったはず。
何年か前の麒麟がくるで詳しく描かれていたと思う。
あの時の義昭は世情に疎い、お坊ちゃんのような描かれ方だった。
今回は、飲んだくれの貧相な将軍。
これはどちらが歴史的に正しいかどうかの問題ではない。
物語の中でふさわしい存在感を醸し出すのが描かれたキャラクターと言うことになる。
お市の方
お市の方の夫になったのは浅井長政。
歴史的には夫婦仲が良く子供にも恵まれた設定になっている。
今日のエピソードの中で、家康の家来と浅井の家来の諍いの様子が描かれていた。
その時に助け舟を出したのが浅井長政。
家康に信長の粛清が及ばないようにうまくまとめていた。
しかし、長政は小谷上で信長を裏切る旨をお市の方に告げていた。
来週描かれることになる金ケ崎の退き口では織田信長は命辛々逃げ帰ることになる。
家康にとって、長男は妻瀬名との間に生まれた大切な男子だったが、歴史上では父家康によって粛清されることになる。
この時瀬名も同様に粛清。
徳川家は家康の代で被った不幸はそこなしだと思われた。
どうする家康で描かれる歴史はユーモアたっぷりだが、実際がどうだったのかは想像するしかないのかも。