らんまんでは主な登場人物たちは皆お年頃になった。
本来ならば、恋バナが前面に打ち出されてもいいところだけど、主人公の万太郎はどうやらそんなこととは関係なさそう。
彼の情熱は、東京に赴いて植物研究の先生たちに会う事。
しかし、他の登場人物たちはそうはならなかった。
万太郎の姉綾はお年頃なこともあって、お見合いもそれなりに。
しかし、彼女は造り酒屋の仕事のほうに興味があって、全くその方面には興味がわかない。
せっかく祖母タキが準備してくれたお見合いも全て台無しにしてしまう有様。
そのくせ、酒作りに関しては蔵人の幸吉とは仕事を理由になんとなくいい雰囲気。
実は、この2人の親密な関係を心穏やかでなく、遠目で眺める竹雄。
決して、三角関係とは言えないけれど、万太郎、綾、竹雄は物語の中で、彼ら独自のふしぎな関係を築いている。
1人、かやの外の万太郎は、物語の主人公として、この先どんな振る舞いを?
物語は様々なエピソードを描きつつ淡々と進む。
目次
万太郎の興味
周りのみんなはお年頃なので、それぞれ異性の振る舞いが気になるところ。
しかし、万太郎はそういったことには全く無頓着。
昨日のエピソードで紹介された内国勧業博覧会。
これが東京の上野で開催されることを知って、全く違った意味で心をときめかせた。
東京に行けば憧れの植物の先生たちに会うことができる。
もちろん、口に出しては言わないけれど峰屋の峰の月の売り込み以上に大切な問題。
18歳になった今も彼の興味の対象は植物そのもの。
そんな彼でも、峰屋の当主として様々な行事での役割は、口達者なこともあってしっかりと役目を果たしているような。
昨日の最後に出てきた小学校からの先生就任のオファーはあっさりと却下。
学校で子供相手に何かを教えるなんて、それ以上に興味のある事が目の前にぶら下がっている。
反応はかなり大人びた当主としての威厳に満ちているようにも見えたが、内実は5歳の時のまま。
そのことに気がついているのはどうやら竹雄だけ。
綾お見合い
綾はお見合いを台無しにする。
彼女は年頃の娘としてそろそろ身を固めてもいい頃。
しかし、お見合いの席では、どうしても仕事の事がポロリと話題に。
たまたま、食事の時に出された酒が自分のところの峰の月に劣っていると発言。
頭の中はどうしても酒造りでいっぱいになってしまう。
彼女の目下の話し合い手は蔵人の幸吉。
彼と麹の話をする時が楽しくて仕方がない。
酒造りの製法についても話が盛り上がる。
幸吉に命じて峰の月に匹敵するようなおいしいお酒を作ろうと考える。
峰の月がいくら飲んでも飽きのこない酒なのに対して、考えたのはひと口飲んだときに思わず納得するようなパンチの効いた辛口の酒。
そしてその試作品は見事に完成する。
新酒 誕生
綾は峰の月に匹敵するような辛口のパンチ力のある酒を作ろうとしていて、それは見事に完成。
それを内国勧業博覧会に提出する峰の月と比較するためにタキの前に差し出す。
ひと口飲んでみたなら、おそらく意見は違ったものになったはずだけど、しかし伝統ある造り酒屋では、ルール違反はご法度。
綾のとった行動はタキの逆鱗に触れることになる。
酒飲みなら絶対に試してみたい味だと思うんだけど。
状況が飲み込めずに、うろたえる万太郎と竹雄。
特に竹雄のがっかりは大変なものだったと思う。
幸吉は明らかに恋敵なわけで、綾がここまで親密に対応している状況はとてもじゃないが、簡単に受け入れるわけにはいかない。
造り酒屋の伝統は乗り越えるにはそれなりの実績の蓄積がなければ無理みたい。
それぞれの青春
能天気な万太郎を見ていると憂鬱な気持ちになってしまう竹雄。
女性に対しては、あまりにも無頓着無関心。
対する幸吉はかつて蔵の中で綾のかんざしを拾ったことが。
この時、落としたかんざしは今日のエピソードで返却されることになった。
幸吉にとっても綾は特別な女性だったかもしれない。
しかし、それ以上に心穏やかならざる竹雄は自分自身の綾への恋心を押さえ込むのに、必死。
わざわざ冷たい水を頭からかぶって冷静になろうとする。
1人、能天気に過ごす万太郎。
彼は東京に行けることで、別の意味で喜びに満ちていた。
動機としては明らかに不純。
今週のエピソードはまだ始まったばかり。
この後、東京での様々な物語が展開することになる。