万太郎が植物学者になることは物語が発表になった時からわかっていたことだが、そこに至るまでの経緯は、驚くほど複雑で前途多難が予想された。
1週間かけて描かれたストーリーは、万太郎が東京で様々な経験をしたこと、そしてそれが佐川では難しいことを痛感。
一旦は諦めかけた植物学への探究心は戻ってからの様々な経験を積むことで、再び火がつく。
折しもこの頃、日本中を席巻していたのは自由民権運動。
物語は、時代背景を織り交ぜながら、万太郎がどのようにして植物学に向かっていくのかを詳しく語ることになる。
そして、年頃の若者たちは様々な恋愛模様も経験することに。
物語の中で明かされた驚きの事実は、万太郎と姉の綾は実は本当の姉弟ではなかった。
説明を聞いてみると、いとこ同志とのことで、このことがさらに物語を複雑にする。
調べてみたところ、描かれた内容は全て脚本家による創作らしいことも判明。
制作スタッフの心意気と脚本家の熱意、さらには俳優たちの熱演がストーリーに花を添える。
目次
万太郎と植物学
万太郎にとっての植物学はライフワークと言えるもの。
この物語は、もともと牧野富太郎先生の一生を描く形で作られている。
ただし、今週に限りどうやら史実とは違った設定で描かれていることもあるようだ。
植物学は明治になってからやっと国際的なレベルにまで到達。
しかし、植物一つ一つを分類していくことや、英語で論文を書くことなど、まだ誰もがなし得ていない事柄だった。
万太郎は幼い頃、名教館で学んだことで、今風に言えば大学レベルの学力が身に付いていたと言える。
その中でもとりわけ植物の生命力は万太郎を虜に。
小さな種1粒から大きな植物が成長する。
そのことを思えば、何もかも忘れて没頭できるくらい ときめいたらしい。
タキの提案
東京での内国勧業博覧会が大成功だったことを受けて、タキは万太郎への植物学への情熱が未だ冷めやらぬことを危惧。
彼女にとって、峰屋を存続させる何物にも変えがたい使命があった。
打ち出した方法は、万太郎と綾にとっては荒唐無稽なもの。
姉弟として育ってきた彼らが実は本当の兄弟ではないと言う。
いとこ同士なので、結婚して峰屋を継いでほしいと訴える。
この提案が、今週の物語のエピソードのすべての起点になったと言える。
姉弟は到底受け入れられない提案で、綾は家を飛び出してしまう。
万太郎は家に縛られる身の上は自分だけでたくさんだと。
姉は自由にのびのびと暮らさせてほしいと訴えるのだが。
時代背景を考えれば、簡単にダメ出しのできない現実。
2人が、どこかで別々のところで育っていれば、それぞれ受け入れられる部分もあっただろうにね。
最初から姉弟のまんまで育ってきてるので、いきなり男と女になれと言われてもなぁ。
綾の失恋
綾が峰屋を飛び出して向かった先は蔵人の幸吉のところ。
綾が心を寄せるのは幸吉だったが、たどり着いた先で見たものは、家族仲睦まじく過ごしている幸吉の様子。
綾は自分の居場所がないことを思い知らされてしまう。
泣きながら家路につくことになる。
自分の立場を考えれば万太郎に何かあった時は峰屋を継がなければならない。
万太郎と夫婦になる事は無理だが、婿養子を取ることはできるのかもしれない。
短い時間だが、そこまでの覚悟をするあたり、綾の並々ならぬ心意気が感じられる。
物語で描かれている段階では、まだ綾と竹雄が一緒になれるような雰囲気ではない。
来週描かれるストーリー展開になるはず。
自由民権運動
物語の中で大きなウェイトを占めて取り上げられていたのが自由民権運動。
この時代は、参政権などをめぐって様々な政治結社などもできていた。
であった。運動家は若者のように見えたが彼には様々なことをレクチャーしてくれる先生のような人がいた。
その人こそジョン万次郎。
ジョン万次郎は、自分自身が自由を捨ててしまったことを後悔していた。
漁師だった彼は、遭難したときにアメリカの捕鯨船に助けられて、およそ8年間行動を共にしたらしい。
その時に学んだ英語がジョン万次郎を幕府直参の武士に。
彼にしてみれば自分自身がもともと持っていた自由を捨て去る行為だったのかもしれない。
万次郎は万太郎と話すうち、お互い意気投合できる部分も。
やりとりの中で、万太郎は自分自身が何をすべきかを悟っていくことになる。
物語の続きは、来週描かれることになるのだが。
まとめ
決して口に出す事はなかったが、万太郎は峰屋を継がない決意をするようだ。
植物学を日本にしっかりと根付かせるためには自分しかできるものがいない。
様々な人たちの意見を聞いてみるとよりそのことが確信される。
さて、来週の予告編もチラリと公開されていたが、万太郎が捕えられているような様子。
さらには綾と竹雄の関係にも進展がありそうな雰囲気。