今週から描かれるらんまん。
自由民権運動のあげく、囚われの身となってしまう万太郎。
先週からの流れを受けて、万太郎は峰屋の当主になることを捨て、植物学の道に進むことを決意した内容が描かれる。
はじめに、そのことを告白したのはやはり綾と竹雄。
この2人にだけはきちんと説明する必要があった。
しかし、オリジナルの牧野富太郎先生もそうだったが、自由民権運動との関わりはどうしても避けては通れないらしい。
そして、この時代の自由民権運動は政治的な集まりとして集会禁止条例で摘発されることもあったようだ。
植物学への決意みなぎる万太郎は、声明社の集会で演説をしていたところを捕まってしまう。
同時に、早川逸馬もとらわれることに。
せっかく、自分が進むべき道をしっかり自覚できたにもかかわらず、思わぬところで邪魔が入ってしまう。
そして、投獄された万太郎の訴えは誰も耳をかさず綾と竹雄の救出作戦が動くのだが。
描かれた物語は、これからの新しい展開を予想する。
これらの困難を、果たしてどんなふうに乗り越えるのか。
目次
万太郎の決意
東京から帰った後、植物学の道がどれだけ厳しいか思い知らされた万太郎。
しかし、やるべき事は自分にしかできないことを自覚したのも事実。
そのためには、峰屋の当主としての仕事を引き受けるわけにはいかない。
厳しい決意のもと、峰屋に戻って気持ちをしっかり伝えなければならない。
最初にやらなければならなかったのが綾と竹雄への告白。
自分は峰屋を継がない。
姉ちゃんと竹雄に後をまかせる
この事は綾と竹雄はどうやらあらかじめわかっていたようだ。
万太郎が酒造りの蔵元の当主になる事は想像できなかったって言うのが本音だろう。
それらは皆、高知で出会った早川逸馬やジョン万次郎との関わりで学んだ事。
王太郎は自分自身に教えられたと語っていたが、そこに導いてくれたのが自由民権運動に理解のあった2人との出会い。
自由民権運動
万太郎は、人前で演説を打つのが上手だったようだ。
そして、植物学を始め様々な学問的な知識にも精通している。
さらには、万太郎自身が自分の進路について深く思い悩む点があった。
自分自身の専門の植物学に絡めて自由が何たるかを人前で話す。
しかし、この時代の自由民権運動はかなり弾圧を受けていたようだ。
おそらく、
民衆の様々な考え方に明治政府が追いついていなかったのが実情と思われる。
明治が始まったばかりの頃は、全てが暗中模索で動き始めていた。
日本のインフラを始め、主な国家を運営する政策なども全てが始まったばかり。
しっかりとした議論を重ねている暇がなかったのも事実だろう。
そして、主な政治の主導権は藩閥が握っていた。
土佐、長州、薩摩、これらが藩閥の主たる勢力。
それに、明治以前の貴族たちが加わることになる。
時代の中心は、明治天皇に帰結されていたので民衆の気持ちは、どちらかと言えば、二の次三の次だったのかもしれない。
明治政府は自由民権運動が、世の中を撹乱していると判断。
力ずくで取り締まって黙らせなければならないと考えたようだ。
峰屋の現当主タキ
万太郎と綾、竹雄が何日間か行方不明なことを案じる峰屋の手代たち。
実質的な当主タキに警察等を通じて捜索願を出さなければと訴えて見る。
しかし、穏やかに聞いていたタキは静かに言い放つ。
うろたえてはいかんぜよ。
騒げば峰屋の恥になるき。
タキは若者3人を信頼していたのだ。
綾と万太郎にめおとになれと言ってはみたものの、それを拒否されたことで返答に困ってしまった。
そして竹雄の口から万太郎の本当の気持ちを知ることに。
タキも万太郎が峰屋を継ぐとは思っていないような雰囲気。
こんなときのために綾がいる。
彼女に婿をとらせて、峰屋を継がせる。
主な筋書きはストーリーの向こう側に見え隠れする。
夫婦になれと2人に言い渡したけれど、2人とも拒否。
今まで姉妹で一緒に暮らしてきたものが、いきなり男と女になれ言われても、それはちょっと厳しい申し入れかも。
タキはどうやら反対されることもなんとなくわかっていたような気がするが。
万太郎救出作戦
牢獄にとらわれた万太郎。
彼はちょうど演壇に上がっているところを捕まったので、首謀者と見られたようだ。
簡単に許されるはずもなく。
とらわれてしまえば簡単に許されるはずは無いのだ。
この時代の取り調べは、おそらく拷問等もあったに違いない。
このまま牢獄で数年間とらわれてしまうのでは急ぎで求められている植物学の研究ができなくなってしまう。
必死で訴える万太郎の様子を描いて今日の物語は終了。
今週はここからの出発になったが、果たして万太郎の救出作戦がどんなことで達成させられるのか?
さらには、植物学への転向が首尾よく認められるかどうか。
本来の道に進むための展開が驚くほど丁寧に描かれる。