始まった東京暮らしだが、まず住むところを見つけなければならない。
能天気で目先のことしか考えられない万太郎と先々を見据えて用意周到な竹雄。
対照的な2人の様子が物語の面白さかも。
明治が始まった頃の東京は、様々な人たちが地方から流入してきて大都会に成長しつつあった頃。
どちらかと言えば人々は、日々の生活を送るのに必死だったのかもしれない。
当時のご時世と、物語で描かれた万太郎たちの実情はあまりにもそぐわない。
特に、万太郎たちが住まい探しをしていた場所は本郷とか根津とか谷中とか。
古い話になるが半世紀近く前、この辺は私が仕事で道路関係のメンテナンスをしていた現場に相当する。
ここは主要な道路も交差する都内では名所には違いないが、昔は古い時代の風情が残るちょっとした散歩道のような印象。
新しい登場人物が加わった今日のエピソードでは、今週のテーマとなったドクダミが意味するような裏路地の長屋が紹介されることになる。
不精髭の男と、不機嫌そうな女。
おそらく明日以降のエピソードでもお世話になるのではなかろうかと思う2人。
さて、これからの住処と、なんとも物騒な東京のご時世。
植物研究の道を順調に進めるかどうか。
目次
住まい探し
物語を見ていて感じるが、万太郎は植物学への情熱はわかるが、およそ生活感に乏しい。
いわゆる世渡りと言う点で全く役目をなしていない。
住まい探しの条件で、相当量の植物標本を持ち込むことが予想された。
さらにはありあまるだけの書籍。
断られる理由も様々だったが、干からびた草など 虫がわくとか本が重すぎて床が抜けるとか。
当然と言えば当然。
真っ正直な万太郎のやり方で住まいが見つかるとは到底思えない。
果たして、前途多難な2人の行く末がどうなることかと思ってしまう。
万太郎と竹雄
好対照な 2人だけど、このコンビの存続には、どうしても裏方となるべき応援が必要と思われた。
とりあえず、この2人の中で言えば竹雄が相当するだろう。
万太郎は御神輿の上に乗った神様みたいなもの。
飾られて1番上で踊りを踊るくらいが関の山。
いつまでたっても住まいの決まらない2人は腹も減ってきてだんだん不機嫌になる。
とりあえずは腹ごなしをしようと言うことになって、2人が落ち着いた先が牛鍋屋。
かつて東京にやってきたときに、2人で食べた牛肉の味が忘れられない。
ここでも、万太郎と竹雄では考え方がまるで違ったね。
贅沢するの今日だけだと言い張る竹雄。
できれば3日に一回ぐらいは食べたいなと万太郎。
ちなみに、この頃はすき焼きとは呼ばずに牛鍋と呼んだそうな。
牧野富太郎先生のインタビューの音声を直接聞かせてもらったことがあるが、好きな食べ物はと聞かれて、即答で牛肉と答えていたので、本当に好きなんだなぁと思う。
江戸から東京への変遷
実際の牧野先生と奥様は11歳の年の差婚で、博士は29歳、奥様は18歳だった。
しかし、この物語では、そういった年の差は採用しないような気がする。
万太郎と寿恵子は20歳と17歳で出会うような設定になっているようだ。
確かにその方が自然な感じがする。
ただし2人はであってもすぐには結婚しないような気がする。
牧野博士の歴史を考えてみると、東京から再び佐川に戻っているので、おそらくそういったエピソードになるのではと想像する。
ただし、東京での活動には相当の理由付けがなされるものと思われる。
万太郎は30歳のちょい手前で、植物学で大きな痕跡を残すことになる。
そのことを素通りして佐川に戻ることにはならないと思うので。
東大の植物研究所でのエピソードが詳しく描かれるのでは。
盗まれたトランクよりも大事な中身
物語の中で重要なエピソードとして描かれていたのがトランクの行方不明事件。
この中には、万太郎が高知で集めて、どうしても種類を特定できなかった標本がいくつか入っていた。
トランクも大切だが中身の植物標本だけは、絶対に失いたくない。
物語の流れから見ると、トランクは泥棒にあって中身は今まさに燃やされようとする直前で今日は終了。
新しい俳優もこちらで登場しているが、おそらくこれからもちょくちょく顔を出してくるような気がするね。
新しい住みかもこの辺に決まるのではないかと思われる。
とりあえず今週のエピソードは始まったばかりなので、まだどんな展開になるか。
それに、新しい登場人物もさることながら寿恵子ちゃんとまだ再会を果たしてない。
そういったエピソードがこれからの楽しみになるはず。