ふるさと佐川を出てきた万太郎にとって、東京暮らしには相応の目的が。
植物学をさらにきわめるために、東大の植物学研究所を訪問。
そこで、出入りを許されれば自分自身の研究も進めることができる。
今回の訪問は、まさにしっかりとした目的意識を持って進められることになった。
とりあえず住むところも決まって、後はどのようにして東大に出入りが許されるか。
万太郎が持っているのは野田先生に書いてもらった紹介状が1通。
そして、自分が高知で作り上げた植物目録。
さらには自分でも判読できなかった新種かもしれないいくつかの植物標本。
その2つをひっさげて意気揚々と尋ねてはみたが、そこは日本の最高学府。
簡単に“はい、分りました”ということにはならなかったようだ。
さらには、東京ではぜひ会いたい人がもう1人。
それは前回の時に出会った西村寿恵子ちゃん。
彼女がお菓子屋さんの店員だったので、もう一度そこを訪ねてみたい。
物語は、万太郎と竹雄コンビが東京でどんなふうに生活するのか、そして寿恵子ちゃんとの出会いがどんなふうに進展していくかが描かれることになる。
万太郎と寿恵子ちゃんは将来夫婦になる事は分かっているが、簡単には一緒になれそうもないような筋立て。
物語は、まだ紆余曲折が続きながら先へと進むことになる。
目次
東大植物研究所
この当時、日本に合った大学は東大のみ。
万太郎が通いたいと思っていた植物研究所は理学部の中にあったようだ。
最高学府であることに違いはなく、誰彼簡単に出入りようなことにはならなかった。
紹介状と植物標本だけを携えて出入りさせてくれと頼み込む万太郎。
普通に考えれば、小学校中退の万太郎が出入りを許されることなどありえないことと言える。
しかし、そこは物語の面白いところ。
万太郎が今までやってきたこと、そして今現在持ち合わせているポテンシャルなどを総合的に見て、誰にもひけを取らない実力者であることが証明される。
医学部の教授田邊の特別な計らいで出入りを許されることになった万太郎。
ここで無事研究生活を続けられることになった。
田邊教授と万太郎
田邊教授は政府のお金で留学していたと語っていたね。
コーネル大学で植物学を学んできたようだ。
最新の学問的な姿勢がしっかりと備わっていた彼にとって、万太郎は自分の教室にぜひともいて欲しい存在に写ったようだ。
さらには、彼には土佐のジョン万次郎とつながりがあることがわかる。
ジョン万次郎から英語を学んだと語っていたね。
万太郎自身も万次郎と面識があったのが、2人がより親密になるために外せないエピソードだったかも。
2人を絶妙に結びつけるエピソードなどもあって、万太郎は学歴こそ全く伴わなかったが、研究所での出入りを許されることになる。
このころはまだ写真がなかった時代なので、実物をしっかり絵で描くことが求められた。
たまたま物語の中で披露されたのは、牡丹の花を書き写している万太郎の様子。
これがびっくりするほど上手かったと見えて、周りの皆が驚きを隠し切れない。
研究所のメンバーたち
研究所の人たち全てが万太郎を歓迎していたわけではない。
万太郎と意気投合できたのは田邊教授だけ。
他のメンバーは、どちらかと言えば気に入らないと思っていたようだ。
小学校中退など、東大ではありえないこと。
特に、助教授の徳永は万太郎を目の敵にしていたね。
どうやら、田邊教授のすぐ下の先生たちは万太郎が大っ嫌いな様子。
寿恵子ちゃんとの関係
万太郎は何かにつけて寿恵子ちゃんのところで、お菓子を求めようとしていたね。
手ぶらで会いに行くわけにもいかないわけで、何かと口実をつけて通うようになる。
この時のエピソードがもとで彼女が牡丹の花が好きだと言うことが万太郎に知れる。
万太郎が牡丹の花を作画したのは、その辺の理由によるもの。
今週のエピソードはここまでが描かれることになった。
来週からは、いよいよ研究所内でどんなふうに活動するかが描かれると同時に、寿恵子ちゃんが鹿鳴館で踊るダンサーとしての訓練が始まる様子などが描かれる。
物語は万太郎と寿恵子ちゃんが一緒になるまでまだ一波乱ある事を予感させる。