万太郎は新種の植物の名付け親に自らなることが目標。
そのためには、東大に出入りして植物学教室で活動することが必須と思われた。
しかし、教室の田邊教授は万太郎を認める事はなく、自分の植物ハンターになれととんでもない申し入れを。
恩義に感じている人なので、万太郎としては田邊教授の存在を決して無視することにはならないが、彼が言うプラントハンターにだけはなりたくないと考える。
自分の本当の目的が何なのかを改めて突き詰めることに。
万太郎の幼なじみ広瀬祐一郎は東大だけが植物学のステージでは無いとアドバイス。
意を決した万太郎は、かつてお世話になった博物館の里中先生を訪ねることに。
そこで、出会った1人の若者。
伊藤孝光はシーボルトの助手を務めた、伊藤圭介の孫。
奇しくも2人とも同じ植物学を志す者同士。
意気投合すると思いきや、伊藤孝光は話を進めるうちに、突然怒りをあらわにする。
どうやらそこには過去からの因縁があると思われた。
1週間の締めくくりとなるエピソード。
万太郎は自ら植物の名付け親になるためにどんな道があるのかを模索し、一筋の光を見いだすことになる。
目次
寿恵子と万太郎
寿恵子には竹雄からの申し送り事項が何点かあった。
それは日常生活全般に及ぶことだが、その中の重大な1つに万太郎は研究に夢中になると、
睡眠時間を削り始めるとあった。
健康や今後のことを考えれば良くない事は明らかで、寿恵子にとっても承服できることではない。
それに、新婚夫婦が夜同じ布団で寝られないのはやっぱり違和感がある。
将軍家のお殿様じゃあるまいし、普通はひとつ屋根の下で暮らし同じものを食べ同じ部屋で寝るのが当たり前と言うものだろう。
今日は寿恵子の願いとして描かれていたが、この夫婦はこれからも生活の上でいろんな話し合いが必要になるかも。
博物館での出会い
昨日の祐一郎との話で、東大だけが自分の進むべき道ではないとさとされた万太郎。
出向いた先は、博物館の里中先生の所。
自分の希望を言う前に真っ先に紹介された人物がいた。
それは、日本の植物学の礎を築いたシーボルトの助手を務めていた伊藤圭介の孫。
万太郎と同様に植物学を専攻している。
そしてこれからイギリスのケンブリッジ大学に留学する直前だと語っていた。
やはりこの頃の日本で何かの道を極めようとすれば、一旦は外国留学が重要な選択肢になったはず。
しかし、その彼と話を進めていくうちに、東大の植物学教室での話題が。
彼は、植物学教室の田邊教授に浅からぬ因縁があるような話。
来週その辺の事情が明らかになっていく可能性もある。
伊藤孝光とブラック田邊
博物館で出会った伊藤孝光は植物学教室のブラック田邊を泥棒と呼び捨ていた。
どうやら伊藤の1族が3代前から研究していた戸隠草の研究成果をブラック田邊に盗用されたと思っているらしい。
今日の物語の中で詳しく説明されていたけど、ブラック田邊本人もどうやらその事は承知しているとの事。
彼は、ロシアのマキシモヴィッチ博士と組んで植物の研究を進めていたが、戸隠草は以前から長崎で伊藤圭介が研究していたいきさつを知っていたらしいのだ。
今回、万太郎の土佐の植物標本と同時に、植物学教室に保管してあった植物標本を送ったところ、花の咲いた状態のものを送ってほしいと要求された。
どうやら伊藤家の研究していることを承知の上で自らの実績にしようとしているのかも。
そのことが孫の伊藤孝光は絶対に受け入れられないと憤慨している。
もちろん万太郎はそんなことを知る由もない。
万太郎の目指す道
万太郎は、自分自身が新種の植物の名付け親になりたいと素直に気持ちを述べていた。
里中先生の話では方法が1つあるとのこと。
それは、自ら本を出版して植物学の研究者であることを世の中にアピールすること。
それが認められれば、自ら名付け親になることができると語っていた。
モデルの牧野富太郎博士にも同じようなエピソードが伝わる。
こういった研究機関のしきたりというか伝統というか、最初に発見したものに名誉とか名声が集中するきらいがある。
その事は万太郎を始め、物語の登場人物も視聴者たちもよく理解しているところ。
さて、今週の締めくくりがこんな形になるとは想像しにくかった。
来週は万太郎が、いよいよ自分自身の植物図鑑発行にのめり込むことになる。
もちろん苦労するはずだがそれは成し遂げられるはず。
ここでしっかりと業績を残せたから、牧野富太郎博士は世の中に出られたんだと思う。
らんまんもいよいよ核心部分が描かれつつあると思う。