週を改めて描かれる物語。
法廷を題材にした物語らしく、今週から始まる内容は法律の解釈による裁判事例。
時代背景もあって、この頃日本は日中戦争の真っ只中。
物語の設定では昭和14年の年末とある。
寅子は雲野法律事務所で修習生として研修が始まることに。
物語はそこに持ち込まれた1つの判例をもとに描かれる。
以前描かれた内容で共亜事件の件があった。
あの時は父直言が事件に巻き込まれて猪爪家全体が巻き込まれる。
さらには思い出として描かれていた寅子の学友5人のメンバーのそれぞれのいきさつ。
今回描かれる裁判事例は、大学の経済学の教授が発行した本が世の中の風紀を乱すとして発禁処分の訴えを起こされた。
かつて共亜事件で優秀な弁護を行った雲野事務所に弁護の依頼が舞い込んだのだ。
修習生の寅子にもいろんな点で仕事が回ってくることに。
この当時だとコピー機もなく書類の複写は全て書き写すしかない。
さらには起訴事実と弁護の方法を付き合わせれば、発行されている本の奥深い理解も求められることに。
寅子の最初の仕事は、判例の書き写し以外に書籍の内容の理解。
簡単に理解とは言っても本は数冊にも及んで1冊読むだけでもしばらく時間がかかりそう。
さらには興味の抱ける内容ならともかく、経済学の本ともなれば専門書ということでおそらくつまらない内容が最初から最後まで続くのでは。
物語は、事件の様子と寅子のプライベートなことも絡めて興味深く進行。
目次
弁護士修習生の日常
記憶に間違いなければ、寅子は今日から洋装になったと思う。
今まではほぼ必ずと言っていいほど和服で登場していた。
雲野法律事務所では、これから時間をかけて一人前の弁護士になるべく様々な実習作業が行われる。
代表の雲野弁護士も、男性女性関係なく一人前の弁護士になれるように指導するときっぱり。
ここへ来るまでに、寅子の同級生たちすべてが脱落。
この中で司法試験を突破できたのは寅子のみ。
仲間たちの思いを考えれば、寅子は軽はずみにはしゃぐことなどできようはずもない。
みんなで力を合わせて世の中を変えていこうと言う思いは、寅子だけが戦場に放り出されるようなもの。
兵隊として前線に立つことには相応の意味がある。
雲野法律事務所に舞い込む依頼
雲野弁護士との縁は共亜事件にまでさかのぼる。
あの時は寅子の父直言が起訴され弁護士として穂高先生のお世話に。
この時の記憶だと確か16人が起訴されていた。
被告人、それぞれに弁護士がついていたと思ったね。
その中の1人が雲野弁護士。
演じている塚地武雅はお笑いタレントが本業のはずだが、ドラマでも圧倒的な存在感で迫ってくる。
かなり器用な人なんだろうなと推察。
物語のこれからを描くのに、寅子と重要な関係に位置するような気が。
今回こちらの事務所に飛び込んできた依頼は、経済書を発行した大学教授が世の中の風紀を乱すとして検察から訴えられたことにもとづく。
他の事務所では言論弾圧としての弁護は、やり方を間違えればかえって非国民との非難を受ける可能性があるとして、すべて断られたらしい。
雲野弁護士は当初お断りするつもりでいたようだ。
しかし懇願され泣きつかれた挙句結局受けざるを得なかった。
昭和14年の後半が設定なので、この頃既に日本は日中戦争が泥沼状態に。
さらに2年後にはアメリカとの開戦が控える。
日本としては国を挙げて勝利をもぎ取るしかなかったようだ。
人心を1つにまとめるためには、世の中に少しでも批判的な意見はことごとく排除しようと。
物語の中でも詳しく語られていたが、それぞれ言った言わないの議論なので、証拠などあるはずもなく。
同じ議論を続けるならば、結論はほぼ出ないものと推察された。
寅子の果たす役割
依頼のあった大学教授の発行した本は6冊。
それぞれ昭和7年から今に至るまで継続しているベストセラーみたいなもの。
法律は綿密に隅々まで網羅しているがその全てを理解する事はとても難しいと痛感する。
議論そのものが成立しないことの典型的な例かもしれない。
寅子と花岡
司法試験に合格すれば、基本的には弁護士資格を修習ののち得ることができる。
裁判官になるためには、そこからさらに研鑽して新たな試験を突破する必要が。
猪爪家では法律家を目指していたのは、寅子と優三。
今回優三はリタイヤすることに決めた。
法律家への道のりは、いくつかの段階があってどれも皆厳しいと言える。
花岡は最も難しい試験に合格している。
自分が合格したことを、わざわざ寅子にだけ連絡してきた。
2人きりでお祝いしたいと申し入れ。
流れから想像するのはひょっとしてプロポーズでもするのかなって⁇
物語からは、それではあまりにも簡単すぎるような気がするので、もっと別な展開があるのかもしれない。
面白いと思うのは寅子の天然ぶり。
今週中には明らかになることだと思うが、寅子の恋バナと捉えていいんだろうな。