物語では、ネタバレ情報として様々な情報があらかじめ取得可能。
寅子の夫優三は未だ幅員できていない。
物語の設定は、戦後から1年が明け昭和21年秋。
毎日ギリギリの生活を強いられている猪爪家。
弟直明が新たに働き手として加わったことで、かろうじて家族の生活が成立しているような。
優三は生還できない理由がとある事件をきっかけに明らかに。
猪爪家の主直言は体調がすぐれなく普段は寝たり起きたり。
調子が良い時は優未の子守をしてくれるような。
ある時、突然の体調不良で咳き込んでしまった直言。
倒れたはずみで、タンスの上の家族写真がいくつか散乱。
寅子と優三の写真も床に落ちた後、裏のカバーが外れてしまった。
その中には折りたたんだ1枚の書類。
それがなんと優三の死亡告知書。
告知書を見ようとする寅子を全力で見るなと制する直言。
しかし、すべての事実が明らかに。
物語のモデル三淵嘉子さんの最初のご主人も戦争で亡くなっている。
ほぼ同じ設定で描かれている「虎に翼」
寅子が戦後を生き延びるために様々な試練に襲われる設定だが、果たしてどこまでのものが描かれるのだろうか。
物語を見る限り、日々の苦労もまさに極限状態。
毎日の食事は小さな茶碗に、わずかばかりのお粥。
それを食事と呼ぶには、あまりにも貧しい。
決定的に食料が不足。
この時代は生き延びることこそが最重要課題。
目次
日々の生活
パッと見た感じ、登場人物みんなヤツれてる感じ。
まだ家族の中で復員兵が戻らない人も多数。
亡くなった人はもちろん。
このとき、日本全体ではおよそ310万人が亡くなったとされる。
そのうち軍属が230万人ほど。
戦闘で亡くなるより、病死、餓死が圧倒的に多かったらしい。
私の地元は北海道だが、隣りの旭川は第七師団のうちガダルカナル島で1万人の部隊が全滅。
全て餓死と聞いた。
補給も何もなく、いい加減な情報で無謀な作戦命令に翻弄された。
気の毒では片付けられない戦争の汚点だと断言出来る。
他にも全国各地に同じようなことがあったものと推察。
さて、猪爪家の生活はまさに爪に火を灯すような極限状態。
食うや食わずというがここまで酷いと餓死者も出るだろうし、慢性的に栄養失調。
生き延びることが難しい😓
貧しさから逃れるために
いつの時代もそうだが先立つものは金。
猪爪家は主な収入源がなくなり、窮乏することに。
淡い期待を抱いて尋ねたかつてお世話になった法律事務所。
もう一度雇ってもらうつもりが到底無理な状態で挨拶のみで退散。
戦後のこの時期は国そのものがまともに機能できてない。
いつも思うが戦争中もキビしかったが戦後のツラさも変わらないと思う。
私は聞いた話しだけだが、都市部と田舎でもかなりの温度差があったように思う。
両親ともに持ち物を売って生活費を得た話しは全く聞かなかったと思う。
「虎に翼」では着物や本を売る話しが出てくる。
この時代、東京などの暮らしにくさは特別なものがあったように感じる。
猪爪家はまだ自前の土地を所有してるので、その気になれば畑などもできる。
しかし、1番手取り早いのは現金収入なことは言うまでもない。
寅子が弁護士活動を再開したがるのは背に腹はかえられぬ切ない事情が。
ただし、描かれた内容ではやはりキビしそう。
世の中が機能してないから、職業そのものの需要がないと思うべき。
ここから寅子がどんな風に復活を遂げるのかこれからの見どころでもある。
夫優三が幅員してくることだけが支えになっていたような。
それまでの間、自分がこの家を守ると固い決意。
今日から登場した優未役はかつてらんまんの園子役斎藤羽結ちゃん
この時はわずか2歳の役者さん。
現在は3歳の子役とのこと。
こんな子供の頃から役者として活躍するんだからたまげるとしか言いようがないわ。
生きるために
直明は東京に戻るときの汽車賃を持っている本を売り払って作ったと語っていた。
それでも1冊だけはどうしても手放せなかったらしい。
直明の向学心は未だ衰えてはいない。
本当に何をやりたいのかを考えたときに、お金になるならないは別にして、人は学ぶことに喜びを感じる生き物。
どんな場合でも喜びは大切にしたいと考える寅子。
夫優三の死亡告知書
最後の3分間で衝撃の事実が明らかになる。
優三は既に死亡していた。
戦病死とある。
体調不良で病院内で亡くなったと言うことになるようだ。
少なくとも戦闘で殺し合いをしたわけではなさそう。
それでもこの世にいないのだと思えば、一体どうやって受け止めればいいのか。
この時代の戦死報告がこんなにも簡単なものだとはつくづく呆れ返ってしまう。
まだ連絡が来るだけマシと思わねばならないのだろうか。
名簿に照らし合わせて役人が事務的にやっていた仕事なんだろうけど、当然のことながら作業から漏れる仕事だってあったに違いない。
行方不明のものがどれだけいたんだろうか。
さらには誤りだって絶対あったはず。
死亡とか生存とか曖昧なままで何年も経った後、仮に復員できたとして元通りになれるとは限らない。
夫が戦死したかどうかわからずに再婚してしまった妻の元に生きていた夫が生還なんて話も聞いたことがある。
まだ生き死にがはっきりしていた点で納得せざるを得ないのか。