くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

虎に翼 それぞれが果たす役割

今週を締めくくるエピソードはいつもとは違った流れで描かれた。

まず冒頭の5分以内を目安に流されていたタイトルコールは最後の2分間に移動。

昔の朝ドラでは15分枠の時間が余って主題歌を最後で2分程度流すような作りも時々見られるが、最近はそんなへたくそなドラマは放送されない。

綿密に時間の割り振りをして、物語が正しく伝わるような配慮がなされる。

優三との思い出の河原で新憲法に触れた寅子。

不幸な過去を振り切って前へ進むための出発点。

最も寅子を突き動かしたのは、新憲法の第14条

すべての国民は一律に平等であることを歌っている。

平等の本当の意味を全力で受け止める寅子。

1度決意した寅子の行動は素早かった。

真っ先に家族会議を招集。

あっけに取られるみんなをよそに自らの指標となるべき内容を詳しく説明。

今まで規定の概念で成り立っていた日本の社会はここでしっかり入れ替わることが求められている。

猪爪家は直明が一家の大黒柱として自らの責任を重く受け止めていた。

家族を支えるために全力で稼ぎたい。

寅子は新しい解釈で明確な回答を。

これからは男が全てを背負う時代ではない。

自分がやりたいことを正直に追求すべき。

さらに寅子本人が法曹家として収入を得て家族を支えると宣言。

未だ仕事も見つかっていないが、寅子の決意は固い。

この時、工夫された原稿の日本国憲法をめぐる様々な事務的活動が、これからの物語の中心となるような描かれ方。

「虎に翼」は新たな目標を得て前進。い

食い入るように憲法条文を精査

目次

猪爪家家族会議

さすが寅 威厳があるわ😅

自分がやるべきことが見つかったときの寅子は驚くほどの説得力を持って弁舌も冴え渡る。

昨日も紹介されていたが、憲法の第14条条文に限りない可能性を感じた寅子。

寅子の思いの全てが込められた条文

このポリシーに基づいた新しい日本を作り上げることこそが、自分の使命だと確信。

家族会議はそれに基づいた必要不可欠なもの。

物語の中では、家族一人ひとりに質問をして何が希望なのかを尋ねて回っていた。

はるは家族みんながお腹いっぱい食べられることこそが幸せだと。

花江は子供たちが幸せになることだと告白。

寅子は法律の世界でしっかり稼げるようになることと明確に回答。

寅子らしいと言えるが、自らの能力をどう発揮するかきちんとわきまえているようにも見える。

寅子は日本人社会の理不尽さに昔から疑問を抱いていた。

結婚など様々な制度における個人個人の役割。

それは一度白紙に戻して、本来自分が何をして幸せになるのか真剣に考え直さなければと思ったようだ。

直明の処遇

直明を演じている三山凌輝君 間違いのないイケメン

直明のところで、現実を真っ向否定するような意見が。

直明は一家の大黒柱として家族を支えると激しい使命感に燃えていた。

それを『必要ない!』と一喝。

寅子は男だから家族を養わなければならないと言う概念はこれからは必ずしも成立しないと宣言。

家族みんなで支え合えばいいじゃないか。

それには花江もはるも無条件に賛成。

そしてその上で直明に提案していたね。

昔から勉強することが大好きだったんだから帝大に行って学ぶべきだと。

入学試験があるわけでかなり優秀でなければ受からないとは思うけど、物語の設定で翌年の3月には帝大に通う様子も描かれていた。

やはり寅子が言うように弟は頭脳明晰で優秀。

これからもっと多くのことを学んで、世の中の役に立つような人間になれたら。

彼自身の幸せは元より、何よりも日本にとって大変な恩恵じゃなかろうかとも思う。

この物語がもっと先に進めばそんな様子も描かれるに違いない。

直明はなんとなく研究者が向いているような印象すら覚える。

虎子の再挑戦

司法省(現在の法務省)に赴いて裁判官志望を宣言

寅子の一大決心は、かつて憧れていた裁判官になること。

物語のモデル三淵嘉子さんは家庭裁判所長官になった人でよく知られる。

女性で裁判官と言うのはかなり珍しいし、彼女が日本初の存在。

さらに、あえて言えば物語に登場した久保田先輩は中田正子さんがモデルだろう。

弁護士を辞めて鳥取に帰るのではなく、もともと鳥取で活躍した弁護士。

優秀この上なかったので上京するように再三依頼されていたが、鳥取で必要としてくれる人のために故郷を離れようとはしなかった。

晩年はNHKの番組にも登場で映像がしっかり残る

三淵さんとも親友だったと聞いた。

若い頃の2人の写真 かなり仲良かったみたい

寅子は自らが目指す社会実現のために、新憲法の体現者になろうとしたのでは。

少なくとも弁護士で依頼のためのお金を稼ぐようなニュアンスで物語は語られていない。

法律家として日本社会全体を捉えていたように描かれる。

それは間違いのない事実だろうと推察。

日本国憲法を考察

改憲派の石原慎太郎と故安倍晋三

寅子が心酔していた日本国憲法は戦後数十年を経て改憲の議論が沸き起こる。

確かにこの憲法はGHQの主導で作られたもの。

改憲論者の石原慎太郎などは、文章そのものの誤りも指摘する。

何よりも日本語として美しくないと。

くだんの文学者は現憲法を酷評。

昭和天皇のサインも生々しい

日本を取り巻く様々な環境を考えたときに1番議論しなければならない条文が次。

戦争放棄の条文として、誰もが知っている

ちなみに美しい文章には違いないが、私自身も個人的には自分勝手な独りよがりな内容だと感じる。

今はネットで当時の状況がつぶさに手に入れられるので、日本がなぜあのような戦争に巻き込まれたのか手に取るようによくわかる。

この文言はアメリカを始めとする欧米の思惑だろうと断じる。

実情に見合った内容のものが書き込まれなければ、日本人の安全は保証できないのかも。

もちろん戦争中のような軍事作戦まで準備しろとは言わないが。

安心と安全のための国の防衛は、むしろ周りの国に対する責任ではないかとも思う。

自分勝手に無抵抗主義を掲げる事は、周りに対して失礼と取られても仕方がないのでは。

さて、物語は来週からいよいよ寅子の新たな仕事場が描かれることになる。