寅子が関わる仕事が詳しく描かれる。
少年審判所と家事審判所の統合。
口で語るのは簡単なことだったが、調整作業は難航を極めた。
それぞれの組織の一方は司法に所属し、もう片方は行政機関だったようだ。
お互い自分の領分をなんとしても優先させたい。
時間がどんどん過ぎ去っても一向に進まない作業。
物語は新しい家庭裁判所設立準備室の代表多岐川のユニークすぎる人柄と周りの人たちとの関わり合いの様子がユーモアたっぷりに描かれる。
さらにわずか15分の展開の中で、驚くべきことがいくつか。
多岐川と久藤が旧知の関係なことも今日明らかになったのでは?
さらに多岐川が学生を中心としたボランティア活動に大きく貢献していることも明らかに。
次々と新しい事実が公開される。
多岐川は遅々として進まない家庭裁判所設立に向けて様々な根回し活動をしていることも。
ただし、活動といっても今日明らかになったのはいわゆる「飲み会」と言うやつ。
彼が酒好きな事は物語に登場した頃から明らかだったが、まだ描かれない部分で行政官としての実績があった事はあまりに意外。
さらには物語の妙で寅子が多岐川の本来の姿を知ることになったのが弟直明との食事の最中。
直明は都内で少年少女救済のためのボランティア活動をしていたが、その活動を主導したのが多岐川とのこと。
多岐川に飲み会への出席を案内された寅子は同僚の汐見の妻がかつて一緒に学んだ仲間
ヒャンちゃんこと崔香淑である驚きの事実を知ることになる。
目次
難航する家庭裁判所設立準備会議
日本人は、昔から自分の縄張りが侵略されることを極度に嫌う。
少年審判所と家事審判所は自分の領域が狭まったりすることを決して受け入れようとはしなかった。
会議とはいっても、それぞれ自分の言い分を激しくまくし立てるだけで折り合えるような要素は全くない。
物語の設定なのでお互い譲れない気持ちを前面に出す必要が。
2人が言い争う様子はともかく後ろの方で居眠りしている多岐川があまりにも天真爛漫で自由奔放すぎるのがユーモアたっぷり🤣
寅子が教えられる多岐川の姿
多岐川の本当の姿は、普段の仕事ぶりからはあまりわからない。
多岐川の評判を直明から知らされる寅子。
京都で少年少女を支援するボランティア活動を指導。
それを東京でも行おうとしている。
Big brothers and sisters movement
寅子の知っている単語だったが、直明が語った内容は多岐川の本当の姿をありのままに語るもの。
久藤が語るアメリカ流BBS活動
多岐川は寅子の申し出を聞くやいなや、久藤の所へ引っ張っていく。
久藤からアメリカで行われていた裁判所の様子を詳しく聞かせてもらえと言う。
アメリカで行われていた少年少女を守るための裁判所は玄関には花や絵が飾られており、女性が案内するアットホームな雰囲気。
日本のように威厳を見せつけるために暗く威圧的な雰囲気を醸しだすのとは真逆。
新しい日本にはこのように開かれた家庭的な裁判所がぜひとも必要だと熱く語る。
理念は今もしっかりと受け継がれ活動も継続。
説明文の中に宇田川潤四郎の名前が。
彼こそがこの物語の中に登場する多岐川幸四郎その人。
ボランティア活動を長く継続している私だが残念ながらご存知なかった。
せっかくなのでこの場を借りてきちんと紹介させていただきたい。
汐見の妻はヒャンちゃん😳
物語の最後に登場したのは汐見の妻とされる香子さん。
実際に見てびっくりしたのは、寅子の戦友ともいうべきかつての仲間崔香淑。
彼女は韓国からの留学生と言う設定になっていたはず。
兄が反日活動していた疑いをかけられ彼女自身も取り調べを受けることに。
そして司法試験には絶対合格できない旨を言い渡されていた。
それでも仲間や後輩たちのために実ることのない司法試験の勉強を継続し続けた。
ずいぶん前の物語で語られていたエピソード。
朝ドラで韓流の女優が登場する事は彼女が初めてだったかもしれない。
ドラマの中で描かれた彼女は、畳の上に縦膝で座っていた姿が新鮮に見えたもの。
韓国の女性は縦膝をついて座るの正式な座り方のようだ。
日本の戦国時代の女性も縦膝で座る事は決してルールに反するものではなかったようだ。
歴史学者の言葉なので間違いなさそう。
今回の物語の中では、彼女は香子と名乗っていて、どうやらお腹には子供がいるような様子。
しかし寅子と再会を喜ぶ様子には見えなかった。
どうやら迷惑そうにも移ったのは誰の目にも明らか。
ヒャンちゃんと呼ばれることがなぜか気に入らない様子にも映る。
おそらくそれなりの理由があったはず。
物語は新しい登場人物も去ることながら、かつて登場したメンバーも巧みにエピソードに加わってくるなど、さらに奥行きを増す。