相変わらず毎日忙しい寅子。
本当はもっと触れ合う時間が必要な娘優未との関係。
裁判官としての仕事はもとより相談員としての業務も。
仕事に忙殺される。
いくつかのエピソードとともに物語は昭和25年10月の設定となっていた。
すでにこの頃になると日本の戦後の復興も軌道に乗り始めていたと思う。
寅子の元に示された仕事の案件はなんと国際結婚に関わるもの。
夫日本人、妻フランス人
1人息子がいてその息子の非行が止まらないと言う。
夫婦は離婚を申し出ていて親権についてのそれぞれの言い分が対立していた。
なんとどちらも親権放棄したい。
つまり息子はそのままみなしごになってしまうような。
親権を持つための裁判事例は多数あるが、その逆は極めて少ないのかも。
さらには最高裁判所内での審判の様子も描かれていた。
尊属殺人に関わる法律の規定がどうあるべきかをめぐっての判断。
ここでは穂高教授も判事の1人として参加。
尊属殺人を詳しく調べてみると、以前からうっすら知っていたことではあるが私の記憶では、自分の身内である目上の人を殺害した場合の罪は、他の殺人罪に比べて重いということがある。
今はこの規定は昭和48年に廃止。
物語の設定は昭和25年なので旧法律がそのまま生きていたはず。
尊属殺人は死刑ないしは無期懲役の量刑が妥当とされた。
物語のエピソードは、法律に関わる専門用語が飛び交う。
これらの言葉をそのまま理解できて物語を見るのは、私のようなシロートではなかなか厳しい。
それにしても、最近の寅子は内憂外患で疲労もかなり蓄積しているものと。
目次
思いがけない国際問題
子供が絡んでくる事件になると寅子は他人事とは思えない。
自分自身も年頃の娘を持つ母親。
仕事をしながらだと、まともに子育てもかなわない。
さらにドラマの中で描かれてきた寅子の生理痛は相変わらずらしい。
この様子を見る限りでは母親としてはどうかなと思ってしまう。
寅子はでいうところの子宮内膜症だと思うけど、この頃そのような病名がきちんとわかっていたかどうかは不明。
普通、子供を産んだ場合改善される場合が多いらしいけど物語ではそうはなっていない。
放送後の朝イチでも鈴木アナが語っていたが、「優未ちゃんがかわいそう」
物語に登場した両親から親権を拒否された少年はハーフの子役。
それにしても親も勝手な言い分を並べていた。
現代にも通じるような話かもしれない。
親は子供に対して責任があると思ってしまう私は古い人間かもな🤣
少年審判所と家事審判所
考えてみれば、寅子は家庭局の事務官として働きながら裁判官としても機能している。
二足のわらじを履いているわけで、ただでさえ忙しいのに。
物語を見ていて感じたのは、組織はどんな形態をとっていても、中にいる人たちの軋轢がなくなってないってことかな。
仲直りして1つの組織に生まれ変わっても、蓋を開ければいまだに縄張り争いみたいなものがまかり通る。
星航一と寅子
忙しい合間を縫っての航一と寅子の昼食の様子が。
最近亡くなった父親の書籍にサインを求められていた。
みんなが知る通りこの物語ではこの2人は再婚すると思う。
ドラマのモデルになった三淵嘉子さんと同じような人生をたどっている。
三淵さんは41歳の時に50歳のご主人と再婚。
その時三淵さんは息子が1人、ご主人となられる人は男の子が1人と女の子が3人の4人の子供がいたらしい。
そして、その時の長女とは簡単には仲良くなれなかったと伝わる。
「虎に翼」がどのような設定でストーリーを組み立てるのかはこれから見守る必要が。
この物語の設定は史実を絶妙に踏襲しながら巧みに脚色されている。
寅子の子供は男の子ではなく娘になっているし、物語の中ではまだ航一の子供の内容も明かされてはいない。
ただし、2人とも独身で子育て中であることには違いない。
どんなふうに2人が意気投合していくのかは脚本家の腕の見せ所だろう。
尊属殺人罪の定義
物語の中で描かれていたのは尊属殺人に関わる規定をどのように扱うか。
親兄弟を殺せば私の記憶の中でも重罪が課せられると残っている。
やはり日本は家制度の精神構造がずいぶん昔からしっかり踏襲されていて、自らその家を破壊するような行為は重罪とされるのは納得がいくかもしれない。
しかし、実際に刑罰を貸す場合は、それぞれの事情をきちんと把握する必要があるのは言うまでもないだろう。
物語の中では、穂高教授の様子も。
彼ともう1人だけ、審判に異を唱える様子が語られていた。
昔から先進的な考えの持ち主だった穂高教授。
日本人にとってどのような判断がふさわしいかは時代背景でも左右される可能性が。
さらには、親権を放棄されてしまいそうな少年のこれからはどうなってしまうんだろうか。
今週の物語で提示された命題は理解できたが、落としどころはさすがに難しい。