猪爪家は様々な問題が噴出することになる。
誰が悪くて誰が正しいなんて事は今更言えるはずもなく。
しかし、このままでは家族はバラバラで二度と修復できなくなるかもしれない。
寅子と家族のメンバー達との関わり方
「虎に翼」の物語にふさわしいエピソード展開が用意されていた。
寅子は自分が気がついていなかった自分のことを教えてくれるように依頼
聞かなきゃわからない事は当然あるわけで、家族からは奇譚のないのない意見が出る。
寅子が今まで見過ごしてきた様々なことが出てくるわくるわ。
これでもかって言うぐらい。
しかしこの物語の素敵だなと思うのは、家族それぞれは自分以外のものに対して尊敬と謝罪と様々な気持ちを正直に告白することができている。
エピソードが始まるときに、まず花江が寅子に謝罪していた。
花江らしいやり方で、自分はおばあちゃんのようにできていなかったと。
亡くなったおばあちゃんの存在の大きさが今更ながら思い知らされる。
しかし今日描かれた中で最も重要だったのは寅子の新潟行きに家族がどんなふうに関わるのか。
娘の優未の扱い方がとても大切だと思われた。
花江のところに預けて今まで通り世話をしてもらうのが1番理想的で問題ないと思われるが、そうした場合、寅子と優未はこれから先 親娘として振る舞う事は叶わないのではないか。
多分今日1番の見所が寅子と優未の一対一のやりとり
そして家庭裁判所で桂場と多岐川やライアンとのやりとりも物語に花を添えた。
みんな寅子の実力を知り抜いている。
それゆえ寅子が本来クリアすべき様々な経験が必要と考えた桂場の判断は誰もが納得するところ。
見所満載で描かれたエピソード。
明日すべての決着がつくことになる。
目次
家族会議開催
見えていなかったものがあるという発想はとても大切。
このエピソードで1番感心したのは、花江が猪爪家の母親として姑から受け継いだ役割を果たせていなかったと謝罪した場面。
謝ることなんかないけど、そこを申し訳ないと感じる感覚こそが花江らしさだったね。
寅子はどうしても裁判官の口調で言葉を続けようとする。
拒否反応を示す家族たち。
特に子供たちは良い子でいなきゃと自分に呪いのようなプレッシャーをかけ続けていた。
それはとりもなおさず寅子が知らず知らずのうちにみんなに仕向けてしまったもの。
寅子は仕事でもてはやされて得意満面だったが、内実はそれほどでもなかったと思い知らされた。
それぞれの言い分は重い
子供たちの言い分は驚くほど手厳しい。
寅子は誰かに何かをしてもらってもありがとうの言葉がなかったようだ。
その都度感謝の気持ちを言葉で述べる事は、実は言葉以上の力を持っている。
さりげない気配り、心配りと言ってしまえば大げさだが、人は一言一言の言葉やその人の表情から、その人がどんな人間なのかを押し図ろうとする。
もし威圧感なり命令感を感じてしまえば、すなわち信用できないとレッテルを貼られたようなもの。
決して怒ってはいけないし、小手先で軽くあしらうこともやってはいけないだろう。
そしてどんなに気をつけていても、その人の人となりは地金となって出てくるのだ。
子供たちの様々な言い分の中で、弟直明の言葉が重かったね。
彼は今学校の先生をしているが、仕事を選ぶ決め手になったのは道男と寿司屋のおっちゃんのアドバイスで子供に関わる仕事が良いのではと意見をもらえたから。
寅子は直明が話しかければ相談には乗っただろうけど、常に忙しそうに動き回っていたら、周りのものは気が引けてしまって声をかけられない。
昨日もブログで書いたけど、頑張っている姿を周りの人にアピールするのは良くないこと。
頑張る時はこっそりとひっそりと目立つことなくやるしかないのだ。
寅子のためを思って皆それぞれに心を砕いているが、1番の難点はそのことに寅子が慣れっこになってしまって気がついていなかったこと。
どんな場合でも慣れっていうのは用心だね。
寅子と娘優未
優未の処遇だけはとても難しい問題だった。
母親と2人だけにすれば大変な思いをするのはわかっている。
しかし今ここで別れてしまえば、もう二度と普通の親娘には戻れないのも容易に想像できた。
1度は優未に選ばせる話が出たが、花江がピシャリと遮る。
小学生の子供に決めさせることではない❗️
母親が責任を持って決めるべき‼️
ここからの寅子の言葉は親心そのものだっただろう。
母親の全力の問いかけに素直にはいと答える優未。
思わず涙ぐんでしまうような素敵なシーンだった💓
裁判官として寅子に求められるもの
このまま家庭裁判所に寅子を残してしまうのは裁判官としての寅子のこれからに問題が生じる可能性が。
何よりも先々の事まで見通して人員配置を決めていた桂場。
みんなが寅子をあてにしてしまっては良くない。
寅子も本来経験すべきことをきちんと積み上げるべき。
かくして新潟行きはここでみんなが受け入れてくれることに。