今週描かれる物語のテーマがなんとなくわかってきたような。
一言で言ってしまえば恋バナ
いくつかのカップルの物語が描かれる。
まず注目すべきは寅子と航一
この2人の関係は物語の様々な設定から考えても奥深く切ない作りに。
2人ともお互いそれぞれを気に入っている事は間違いない。
さらには互いに恋心を抱いていることも今日改めて確認。
しかしそこは大人な2人。
簡単に告白するようなことにはならない。
それぞれ背負っている現実社会の様々な責任が同時進行。
簡単に、“では一緒に”ということにはならないようだ。
さてもう1つのカップルは事務官の高瀬と事務員の小野
この2人が物語の後半で結婚を報告。
2人の結婚に至るいきさつが傑作極まりない。
なんと寅子と優三が結婚した時と全く同じスタートライン。
寅子たちはお互い世間体を気にしての偽装結婚のようなスタート。
高瀬と小野も全く同じようなコンセプトで結婚。
最初はおめでとうと言った寅子だが2人の理由を聞いているうちに、心から賛成とは言えないことに。
先のことを考えてもう少しよく考えてみては?
2人の先々を心配してのアドバイス。
描かれたエピソードの中には、美佐江の東大合格の様子や昭和28年3月の東北の春の様子なども。
そして極めつけのびっくりな出来事は買い物をして帰った後の自宅にはなんと花江が。
わざわざ東京から出てきてくれたのだ。
もちろんなぜ来たのかはまだ明らかではないが今週の残り2日でしっかり描かれるものと。
虎に翼はような雰囲気を醸し出しながら必ず何がしかの思いがけない出来事も。
目次
寅子の心配事
考えてみればみんな1人で生きているわけではないので、例えば家族だったり仕事の仲間だったり友達だったり。
寅子は美佐江とのやり取りで娘の優未を間に挟んだときに、どうしても冷静ではいられなかった。
ありえないとは思いつつ優未に危害が加えられるようなことがあれば😱
誰かに寄り添う気持ちがあっても、自分の都合を優先させる。
何気ない所作だが美佐江の心の中にあるサイコパスな反応は寅子に恐怖心を覚えさせたのかも。
美佐江は寅子の人としての値打ちを1連の流れの中から瞬時に読み取ったに違いない。
世の中にはいろいろ敏感な人がいるが、およそ美佐江のようなサイコパスはその辺の感じ方も
ずば抜けているのではと推察。
しかし、全体の流れを何度も反芻して自分自身のこれからを考察できる寅子こそ本当に優れた人格者だと私は思うけど。
航一の思いやりと寅子の胸のうち
航一は寅子に対しては正直に気持ちを述べることができる。
寅子の側にいなければと思ったようだ。
素敵だなと思うのは、自分の都合で勝手にやってきたことをきちんと言い訳して寅子の心の負担を極力減らそうとすること。
そしてさらに自分の中にわずかながらあるかもしれない男女の下心もこっそりと告白。
女性から見ればめんどくさい男のように映るかもしれないが誠意ある対応だと思うのも事実。
寅子は激しく湧き上がる感情を必死に抑え込もうとする。
その正体は恋心に他ならないがそれを認めるわけにはいかないんだよね。
主人公の葛藤として描かれるが、寅子は亡き夫への気持ちを考えれば航一を受け入れられないと思わざるを得ない。
ほとんど偽装結婚今昔
高瀬と小野のやり取りで、2人のそれぞれの立場が再び語られる。
高瀬は結婚もできない男は一人前ではないとつも馬鹿にされているらしい。
小野は両親から見合いの話がひっきりなし。
お互い、それぞれの近況が煩わしくて仕方がない。
この2人は寅子と一緒に仕事をするようになってから読書などを通じて仲良くなった経緯がある。
お互いの状況を考えれば、いっそのこと結婚する形にすればそれぞれの周りの意見を封じ込められる。
結婚さえしてしまえば、誰からもとやかく言われる事は無い。
寅子と優三はこの後、偽装結婚の形が長く続いた。
しかし、それぞれの本当の胸の内を知るうちに、お互い意気投合。
寅子は自分の胸に手を当てて考えてみて、高瀬と小野の関係がこの先も同じで続くとは考えにくかったようだ。
こんなふうに暮らすようになれば、偽装結婚といえども本物の形に変わることだってあるんじゃなかろうか。
寅子としてみればもう少し考えろとアドバイスするのが精一杯。
今必要なのは誰の意見?
自宅に戻ってみたところ、なんと花江がやってきている。
なぜそこにいるのか全く理解できない寅子。
ネタバレ情報では、花江の訪問理由は明らかになっているがそれは明日以降のお楽しみということで。
しかし、それぞれの胸の内は別にしても寅子にとっては最高の気分転換になることには間違いない。
今日描かれた物語の中で特に感心したのは優未のはからい
母親を1人にしたくて、わざわざ稲さんと映画に行こうと。
多分10歳前後だと思うけど、誰かの気持ちをおもんばかるのに大人顔負けの配慮を見せる。
なるほどこの先違う意味でも楽しみが増える。