不思議な作りの物語になっていた。
なかなかありそうでなさそうなエピソード。
寅子は亡き優三の形見としてのお守りを所有していたが、その中に手紙まで入っているとは知らなかったようだ。
普通お守りの中身は開けてみたりするのは失礼なこととされる。
場合によっては封を開けて中身を覗いてしまえば、お守りの効力も消えてなくなると言い伝えられる場合も。
今日の物語では、東京からわざわざ花江が寅子の様子を見にやってくるところから始まる。
実は種明かしがあって
花江の訪問は、優未が寅子のことで花江に助けを求める手紙を書いたから。
時代の奥ゆかしさが溢れるシーンだったかもしれない。
当たり前のことだが、文字による手紙だとどうしてもタイムラグが発生する。
現在はメールやLINEなどやりたい放題でほとんど時間のロスは無いものと思う。
それにしても寅子が優三に持たせたお守りの中に優三からの手紙が隠されていたとはね。
そこにはびっくりな内容が。
本当に心ときめく人ができたなら迷わず一緒になってほしいと。
物語の設定で、判事として有能な寅子は男女の機微に関してはかなり鈍感なところも。
実は寅子を補うように優未がびっくりするほど敏感な反応を見せる。
寅子と航一との関係を瞬時に感得していた。
航一と寅子はどうやら一緒になることを想定しているような感じ。
モデルの三淵さん夫婦と同じような流れが描かれるような気がする。
目次
花江の訪問理由
最初にしたのはそれぞれの近況報告だけど寅子や優未は見ての通りだろう。
それに稲さんが加わる。
優未と稲さんの関係も驚くほど良好。
どうやら優未が花江に寅子について手紙を書いたようだ。
寅子に良さそうな人が現れたけどどうも自分のせいにして先に進めないでいるような。
そういえば寅子は優未に、あなたのためにならない事は絶対しない みたいなことを言ってたと思ったね。
優未のはからい
優未は寅子より先にお守りの中身を見たようだ。
普通お守りの中身は見てはいけないとされる。
それは神様や仏様に対して失礼にあたるから。
でも手作りのお守りの場合はまた別なんじゃなかろうか
確か寅子手作りで10銭と5銭が縫い付けてあったと思った。
そのお守りは、優三が入院していた病院の隣に寝ていた男性が寅子に届けてくれたもの。
お守りを確か貸してあげたんだよね。
力があるから守ってもらえると。
貸したお守りを返してもらったときに、自分が助からなかった時を考えて手紙を書いたと思われる。
優三が家族に当てた最後のメッセージ。
優三は寅子の残りの人生について自分がいなくなった場合のことを想定していたようだ。
簡単にできることではないが、一家の長ともなれば考えざるを得ないのかも。
寅子が航一ときちんと向き合えるかどうかはこれからの物語の展開に委ねるしかない。
夫からの手紙
涙で顔をくしゃくしゃにしながら読む夫からの手紙。
万が一を考えて書いたものだろうけど、全体は寅子宛。
最後に娘の優未にも伝えるメッセージとなっていた。
感動的なストーリーだが正直なところちょっと出来過ぎな感がしないでもない。
実は寅子同様航一も男女のことに関しては筋金入りの不器用。
航一に一言アドバイスする形で意見を述べていたよね。
寅子ちゃんは誰に対しても優しいのに自分のこと とりわけ男女関係には驚くほど鈍感なところがあるの。
後悔のないように行動なさってください
これは航一に寅子への気持ちをきちんと告白するように促しているようにも見えた。
この時代、戦争があったせいで思い通りの人生を歩めなかった人がどれほど多かったことか。
寅子も家族の中で夫や兄、そして父親も戦争のせいで亡くなっている。
航一も自分の妻を戦争のせいで亡くしたと語っていた。
病気だったけれど、ちょうど終戦の時期と重なって、ろくな治療も受けられずに病院で亡くなったとのこと。
彼ら2人は家族を失うことの苦しみをイヤと言うほど味わってきただろう。
その2人が縁あって、お互い導かれるように意気投合しようとしてる。
彼らの周りの人たちはそんな事態を敏感に察して適切にアドバイスするような。
寅子のとるべき行動
寅子は花江と一晩過ごしたことでどうやら引っかかっていたものが取れたような。
自分の気持ちを見つめて正直になることがどんなことなのか少しずつ学んだようだ。
寅子と花江は幼なじみであり、義理の姉妹でもある。
寅子は高瀬と小野に2人の結婚は自分たちで決めなさいとアドバイス。
さらにあなた方の決断を尊重するとも。
見合い結婚するわけではないので、お互いの意思で決めること。
他のものが口出しできる要素は無い。
これが戦前の習慣で行くなら、仕事とか家の事とか様々なことを考慮に入れる必要が。
でもそれは余計なお世話ということで。
自分が撮とった行動には、自分で最後まできちんと責任を取る。
いいか悪いかの判断は先に進んでから決めれば良いこと。
さて、航一と寅子の2人がどんな風な物語上にいるのか目が離せなくなってくる。