寅子と航一がどんなふうにお互いの気持ちを確かめ合うのか?
この時代ではこういったことが全国で起こっていた可能性が。
男女の中を語る時、それぞれの経歴の中に既に結婚をして子供がいる場合だってあり得ること。
航一と寅子がまさにそれ。
寅子は自分の気持ちを正直に伝える。
彼女は亡き夫との愛を貫こうと心に決めつつも航一に胸ときめかせ、新しい道に進もうとしている。
少なくとも自分が求めるカタチからはどんどんかけ離れているような。
航一も自分の気持ちを正直に告白。
寅子に好意を抱いていること。
しかし、自分は優三の代わりにはなれないこと。
さらに寅子を照子(亡くなった航一の妻)の代わりにはしない。
およそ永遠の愛とは言えなくて、だらしない愛情表現かもしれないが、それはそれでアリだと思う。
要するに19や20歳の若者のような直情的な愛情表現ではない。
2人にふさわしい形で付き合うことができればと。
これはで大雨のため裁判所内に取り残された2人だけのシーンで描かれた。
高身長の航一が小柄な寅子をそっと抱き寄せる。
そしてその後はぎこちないキス。
お互いタイミングが合わない。
それぞれ未経験者なわけもないのにね。
「虎に翼」の物語にふさわしい心温まるシーンだったかも。
今週のエピソードはここまで。
物語はいよいよ結論に向かって先を急ぐ。
目次
寅子と優未を見守る優三
優未は父親の記憶が全くないと言う。
でも、お守りの中の父親からの手紙を見るにつけ、
“この字はとても好き、だからお父さんのことも大好き”だと語る。
確かに記憶に残らないのもよくわかる。
自分にとっての1番古い記憶はおそらく3歳前後かなと。
私などは70年近く前になるので、相当な古さ。
優未は10歳程度と思われるので、最近の事には違いないがそれでも記憶に残る事はありえない。
寅子は今まで夫のことについては、優未にほとんど話してこなかった。
寅子は優三の分まで優未を愛し、成長を見届けること。
そこは決して譲れない。
航一と寅子それぞれの告白
今日描かれたストーリーの中で寅子と航一の2人だけのシーンが1番の見所になったはず。
大雨で汽車が動いていないらしい。
寅子は心に思っていることを航一に告げる。
自分は亡くなった夫優三をこれからも愛し続ける。
それ以外の人と一緒になる事はできないと。
それでも胸をときめかせ、ドキドキしていろいろ話したくなるのは航一。
自分の気持ちが揺れ動いてしまうことをどうすることもできない。
航一は寅子の告白にそっと耳を傾ける。
彼自身寅子が好きな事は自明の理。
しかし、航一が抱いている愛情は寅子を束縛するものではなさそう。
航一は妻の照子を戦時中に不幸にも失う羽目に。
戦時下ということで、充分な治療を受けさせてやれなかった。
寅子を亡くなった自分の妻の代わりにするつもりはないと言い切る。
さらには寅子の亡くなった夫優三にもなれないと。
航一は続ける。
暮らしてみればわかることだが、永遠の愛など幻想に過ぎない。
もしどちらかが不慮の死で亡くなることになれば、そこで愛は途絶えてしまう。
航一は自分が佐田優三の代わりにはなれないこともはっきりと伝えていた。
男女の仲は、杓子定規に右左と決められるものではない。
よくギブアンドテイクのように語られる場合もあるが、それも当てはまらないだろう。
映画などでもよく取り上げられるがどちらか一方が奪い取るだけ。
相手は奪われるだけ。
2人の関係はそれでもちゃんと成立するところが男女の仲の妙。
物語は昭和28年の春頃を描いている。
この時代の世の中の一般論として結婚すれば、女性は家に入って夫にいろいろ尽くすっていうのが多数派だっただろう。
今はそれぞれ仕事を持っている共稼ぎが主流。
物語を見ていて感じるのは寅子も航一もどうしようもなく真面目なこと。
いい加減に先へ進む進む事は100%ないと言える。
愛のカタチそれぞれ
三淵嘉子さん夫婦はお互い友人同士のような関係だった。
ちなみにご主人は4人の子持ちのパパ。
三淵さんは男の子1人がいた。
一気に大家族になったと言える。
三淵嘉子さんは41歳のときの再婚なので虎に翼ではおそらく3年後ぐらいかなと想像する。
いよいよ佳境に入ってきたのでは。
虎に翼のこれから
既に予告編が公開されている。
来週は原爆裁判について語られるようだ。
三淵さんも裁判官の1人として参加されていたので、寅子も物語内で描かれると思う。
今も昔も議論されることだが、原爆投下と東京大空襲は国際法に違反しているはず。
何度かブログで紹介したが、ハーグ陸戦協定なるものがある。
無抵抗の一般市民に無差別攻撃を仕掛けてはならない。
アメリカは明らかに違反したはず。
虎に翼は最後まで重たいテーマに真っ向勝負で挑んでいるように映る。
物語の脚本の素晴らしさを最初から絶賛してきたがその頂点がもうすぐ始まる。