物語をみているとどうしても直近のエピソードの記憶が強く感じるのは致し方ないこと。
航一と寅子の不器用なラブシーンが強く印象に残る。
さて今週の大まかな流れは地元有力者の娘森口美佐江に関わること。
赤い腕飾りが“謎に気になるアイテム”で美佐江の心の闇が描かれる。
というのも、この頃新潟で起こっていた少年少女の非行事件はなぜか美佐江が一緒の場合がほとんど。
さらには現場で必ず目撃される共通に赤い腕飾り。
実は、美佐江は寅子の後を追いかける法曹家志望の優秀な生徒。
頭脳明せきは言うまでもない。
しかし、謎があって寅子も理解しかねる存在。
このエピソードとは別に航一と寅子の恋バナが着々と進行。
麻雀の勉強を理由に2人は急接近。
どちらからともなく惹かれ合う両者。
物語の設定としてこの2人はたぶん再婚するものと思われる。
ただ、時代背景からみて中年にさしかかる男女がそれぞれ子供を引き連れて一緒になるにはそれなり勇気もいっただろう。
脚本家は2人の心の揺れ具合をもて遊ぶかのように興味深く語る。
2人に共通なのは真面目なこと。
ともに直感的な部分もありながら、理路整然と物事を捉えることができる。
まぁ、裁判官なんだから当然かも知れないが。
寅子の娘優未の子役はどうやら今週いっぱいの登場だったらしい。
竹澤咲子ちゃんの存在感には恐れ入った。
虎に翼の極めて重要なキャラクターなことには間違いない。
物語の登場人物は印象としては多めに感じる。
来週の予告編もしっかり公開されていて物語は最終段階に入りつつあるだろう。
目次
寅子の悩み
美佐江が初めて登場した頃は綺麗でかわいい育ちの良いお嬢さんのイメージだったが、彼女には闇の部分があるような描かれ方。
自分が恵まれていてお金持ちの家にいることをよく理解していて、おそらくちやほやされているんだろうね。
彼女の子分とおぼしき少年少女もたくさんいるようだ。
物語でも全く描かれてないが、彼女はおそらく女王として振る舞っているのでは。
今週の中では、彼女について突っ込んだ考察がされる事はなかった。
また来週のおもだったメンバーの相関図にも彼女の名前は載っていない。
しかし、彼女が東大に入った事は事実なので来週以降の物語展開を考えると謎の部分は残されたまま。
森口美佐江の心の闇
美佐江は寅子とのやりとりの中で、どうして悪人からものを奪ってはいけないのか?
自分の体を好きに使ってはなぜダメなのか
さらに人殺しがダメな理由をきちんと知りたい。
これは法律以前の人間社会の約束事のようなもの。
これらの問いに明確な答えは多分ないだろうと思われる。
しかし、人間が社会で暮らす以上絶対にだめなこととされている。
法律以前に人としてどうあるべきかが虎に翼ではとあることに問いかけられた気がする。
航一と寅子
寅子は美佐江の扱いについて明確な回答が出せないでいた。
彼女からの質問にも当然即答できない。
そのくせ美佐江は何か無言でメッセージを送っているような気もする。
航一は真剣に悩んでいる寅子のことが心配でたまらない。
どうすれば力になってやれるか考えたときに思いつくのは、そばにそっと寄り添うこと。
物語では不器用な対応に演出されるが、本当は1番スマートでかっこいい的を得た寄り添い方だったかもしれない。
それが証拠に寅子は知らず知らず航一にときめくようになっていた。
2人とも相手の事は大のお気に入り。
しかしそれぞれ家庭があって背負っているものもおのずと違ってくる。
それを乗り越えても何とか一緒にいたいと心から願う2人だったが、いくつかのクリアしなければならない課題があることも事実。
モデルとなった三淵嘉子さんは40歳を過ぎてから電撃的に再婚を果たした。
既に分別もわきまえて社会的にも申し分のない仕事をしている2人が再婚に踏み切ったのには突き動かされるような衝動があったのかもしれない。
新しい時代を生きるために
今週描かれたエピソードの中で1番印象深かったのが2人のラブシーンだっただろう。
何度も言うが、2人とも分別をわきまえた大人。
軽はずみな行動をするはずもないと思いつつ、相手のことを思いやり一緒にいたいと思う気持ちには偽りがなかったんだろうね。
そして自分たちの愛情表現も当然のこととして自然な流れだったのかも。
このシーンは何度見ても、不器用なわざとへたくそな演出に。
おそらく2人の真面目さを強調したかったんだろうと思う。
さて、来週は原爆裁判について語られる。
日本人として知っておいた方が良い様々なことが語られるだろう。
様々な情報は今はインターネットで軽々手に入れることができる。
戦争に至る様々な道すがらやその結果なども思いのまま。
物語では、寅子や航一たちと彼らの家族についても描かれるようだ。
物語はさらに数年経過した設定で描かれることになる。
そして1部の役者たちはバトンタッチで別な役者にチェンジもする。