登場人物たちのそれぞれの胸の内が克明に描かれる。
猪爪家を訪れたのは、航一だけではなかった。
実はこの時、寅子と直明の計らいで直明の恋人田沼玲美も同席する手はずに。
あらかじめ話し合いがモメることが想定されたので、航一に様子を見てもらうことで冷静な意見を聞きたいと。
作戦は見事に成功。
まだ結論が出たわけではないが、家庭裁判と銘打った話し合いはそれぞれが意見陳述の形で気持ちを述べる。
直明は花江を引き合いに出して母親代わりで今までお世話になったので、何とかして恩返しがしたいと訴える。
そして花江の子供たちもそれぞれに意見を。
猪爪家の家族は一言で表すならば皆が思いやりに溢れている。
それぞれが誰かのためになることをいつも念頭に置いて協力し合う。
現代社会のような小さな家族単位に分かれてしまった状況ではほとんど見られなくなったかもしれない。
大家族はそれぞれが遠慮しあいながら暮らすイメージがあるけど、話し合いや情報交換などメリットの部分もすこぶる多い。
ただし、どうしても煩わしさを先に感じてしまうことが多く、大抵は敬遠するばかり。
そんな中、物語の中でエピソードとして巧みに登場したのは、竹もとでの桂場と梅子のやりとり。
梅子は“竹もとの味の継承”になかなかオーケーサインをもらえないでいた。
今日も冒頭で違うと厳しく断じられていた。
寅子がすかさず助け舟。
見込みがあるから、桂場さんも今まで付き合っているのだと。
この味とこの店の存在が惜しいからと桂場。
今週のエピソードは明日結論が。
目次
猪爪家の訪問客
物語は新しい展開のように見えながら、登場人物は以前も出演していた。
特に直明の恋人田沼玲美は学生時代、ボランティア活動で直明と一緒だった。
さらに家庭裁判所が設立したときの手伝いにも来ていたはず。
この頃から実は知られてなかっただけで、直明と玲美は交際が始まっていたようだ。
あえて隠そうとしていたのではなく目立たなかっただけなのかもしれない。
家族裁判開催
航一はお客さんとして招かれただけではなかった。
直明と玲美の問題に話し合いを画策した寅子は航一の正直な意見を取り入れたかった。
法廷ドラマらしく家庭裁判を開始すると宣言。
物語の要に存在するのは花江。
一見脇役のようでいながら、彼女に対する思いやりが物語の流れの中心に据えられる。
猪爪家にとって花江は母親代わり
家族みんなは花江に感謝しつつ、どうすれば恩返しができるのかそれぞれに考えていた。
特に直明は結婚で家族が離れ離れになることを恐れた。
恩返しをするためには近くにいるかできれば同居がいいと。
それに対して、花江の2人の息子が異を唱える。
花江の息子は自分たちだから親孝行は自分たちの仕事だと訴える。
確かに弟は高校3年生の設定だが、正直見ていてちょっと無理があるなとは思っちゃう。
物語だからこれでいいのかもしれない。
アルトサックスを自分で吹いているのかどうかは不明。
猪爪家に集まった家族のそれぞれの意見をうまい具合にまとめるのが航一の役目。
直明と玲美
この2人は学生時代ボランティア活動で知り合ったようだ。
お互い話していくうちに意気投合したようだ。
今日の物語の最後の方で彼女の意見として述べられていた。
結婚にはそれほどこだわっていないとの事。
みんなあっけにとられて注目していたね。
彼女があえてそのような意見を言ったのは、決して直明との関係に疑問を感じているわけではないだろう。
形式にはとらわれなくても良いとの認識だと推察。
やっぱり直明が大好きなことには違いないはず。
今日の物語はわざわざみんなに気を持たせるような形で描かれている。
多分明日の物語早々に明快な回答が示されるはず。
航一の振る舞い
航一はそれぞれの意見をまんべんなく聞こうとしていた。
それぞれは感情的になりがちな気持ちを絶妙に抑え込みながら、忌憚のない自分の意見を述べる。
みんなの意見が出揃ったところで航一は玲美の意見を聞こうとして、先程の発言になった。
玲美はどうしても結婚したいわけじゃないと爆弾発言。
それはおそらく形式にはとらわれたくないとの意思表示だと先ほど述べた通り。
虎に翼は航一と寅子の恋バナも主要なテーマになるはずだが。
今日のところは「とりあえずはなかった」ような。
竹もとでのでやりとりで印象深いエピソードとして語られている。
明日で決着のつくエピソードだが、どんな形が採用されるかまだわからないね。