新潟で勤務していた寅子にはの辞令が届いていた。
なんと同時に航一も東京へ戻ることに。
今週は東京に戻った寅子たちや航一の家族との交流が詳しく語られる。
そしてこの時代の重大な案件として、原爆裁判も。
普通の朝ドラでこれだけのテーマを扱おうとしたなら到底時間は足りないところだが、脚本家は、時代背景や男女の関係の様々な状況を充分考察したんだろう。
寅子にふさわしい反応の仕方で物語が描かれることになる。
具体的には東京に戻ったとき、弟の直明と兄嫁の花江とトラブルが発生中。
直明は結婚を考えた相手がいるが、登戸の狭い自宅で同居が希望。
花江は新婚夫婦と同居なんて!と絶対反対を譲りそうにない。
さらには、行きつけの甘味処竹もとではかつての仲間梅子が店の味を引き継ぐための試験が行われようとしている。
そして猪爪家では久しぶりに家族裁判が開催。
オブザーバーとして航一も参加。
家族みんなが忌憚のない意見を述べる中、直明の彼女玲美から意外な提案がなされる。
航一の星家を尋ねた寅子と優未は、星家の家族たちの航一に対する態度に微妙な違和感を感じることに。
物語は行間の表現でセリフには現れない感情表現や意思表示が至るところに。
しっかり見ていないと見逃してしまいそうだし、運が悪ければ誤解だってしそうな感じ。
そして極めつけは轟の付き合っている相手が男性だったと言う事実。
LGBTはこの時代ではとてもマイナーな考え方。
わざわざ社会的に少数派の人たちも物語に参加させて、脚本家の描いた舞台はさらに奥行きを深めそうな。
目次
新潟から再び東京へ
東京に戻ってみたところ、かつての上司だった桂場、久藤、多岐川はそれぞれ重要なポストに出席していた。
物語は昭和30年の設定
戦後10年が経った内容になっているが、この頃から日本は高度成長期に入ったと思う。
各家庭には3種の神器と言って、電気洗濯機、電気冷蔵庫、テレビが普及し始めた頃。
この頃の面白い設定で、かつて裁判所のメンバーたちが足しげく通った甘味処竹もとでは店の主人夫婦が高齢なこともあって、梅子に後を引き継いでもらうような話に。
その時の試験官みたいな存在が桂場。
寅子が配属になったのは、民事第24部
ここでの裁判長は汐見。
奥さんは言わずと知れたヒャンちゃん。
旧交を温めることになる。
猪爪家の揉め事
直明には恋人ができたようだ。
結婚を考えている間柄。
直明は結婚の条件として猪爪家での同居を挙げていた。
それに対して兄嫁の花江は新婚夫婦は別の世帯で暮らすのが最もふさわしいと決して譲らない。
花江は直道と結婚したときに、姑のはるとの関わりでずいぶん苦労した経験が。
同じような苦労をさせたくない思い。
直明の恋人田沼玲美は独特の感性と考え方を持っている。
試しに一緒に暮らしてみていいか悪いか決めようと大胆な提案。
この場面は、今週の中でも結構な見所の1つに挙げられる。
航一も参加していたが、寅子にみんなの前でプロポーズする内容も描かれた。
思わずびっくりな展開で、寅子が返事を保留したことだけが記憶に残る。
星家の家族と交流
星家の人々と寅子、優未の交流はなごやかな雰囲気で進んだけれどこの時既に航一は寅子にプロポーズしている。
一緒に暮らしましょうと言うのがそれ。
そして面白いことに。この言葉がプロポーズだとわかったのは優未。
肝心の寅子はスルー。
寅子が男女のデリケートな内容に全く無頓着な事は、この物語で断るごとに語られていた。
新潟時代、ライトハウスで涼子が余計なことかもとお断りを入れて、航一に寅子の鈍感な部分があることをそれとなく指摘。
確かこの時も航一は“なるほど”で答えたと思う。
航一のなるほどに対して、寅子のはて?はどうやら優未に受け継がれるような雰囲気。
描かれた内容によれば、航一の息子朋一や娘のどかは寅子たちの話す。父親が違和感だらけで困惑。
普段の航一は家ではどんな風な振る舞いをしているんだろうか?
来週にかけて大きなテーマとしてそのまま引き継がれる。
原爆裁判
物語の中でも重要なテーマとして扱われるのが原爆裁判
この文章は主語述語で考えたなら、過ちを犯したのは一体誰なんだってことになる。
当然原爆を投下したアメリカだろう。
本当の意味で文章を作るなら、
過ちは繰り返させませんから!が正しい。
今更何言っても始まらないけど。
さらにこちらの慰霊碑も痛烈なメッセージを発する
むしろこちらの慰霊碑の方が、私的には圧倒的なメッセージとして伝わる。
さて、虎に翼は裁判そのものもさることながら、他の人間関係でもかなり複雑なニュアンスが続々と取り上げられる。
予告編にもしっかり登場してくるこの2人。
おそらく脚本家は法律に定められた男女の関係について一家言あって物語としてしっかり描きたいんだろうと思う。
この2人に関わると航一と寅子の結婚問題も様々な手続きを考えると、果たしてどんな展開が望ましいんだろう。