残りの放送回数もグッと減ってきた「虎に翼」
寅子は航一からのプロポーズに未だ答えを告げられていない。
イイ年の男女がそれぞれ家庭がありながら結婚しようとするには相応の勇気がいる話し。
先週からの続きで物語は山田轟法律事務所でのやり取りから描かれることに。
轟と相手の遠藤の話は、どうやらほぼ内緒のことらしい。
知っているのは、わずかなメンバーだけ。
1人はよね。
さらにもう1人は梅子。
どうやらこの2人にだけは、男同士の関係を公開しているような。
寅子がこちらを訪れたのは、自分の結婚についてよねに相談したかったから。
航一も寅子もお互いが大好きで一緒にいられることにこの上ない幸せを感じているが、果たしてどこまでの結婚願望なのかそれぞれ測りかねていた。
寅子は結婚すれば、どちらか一方の姓を名乗ることが引っかかっていた。
よく言われる夫婦別姓なんて議論はあるが、いまだに認められていないことで手続きをする場合は、必ずどちらか一方の姓を名乗り新たな戸籍を作ることになる。
寅子は自分のことにかぶせながら、弟直明と玲美の結婚式にもアドバイスを。
今日話題になっていたのは、結婚式の予算について。
寅子は意見を言おうとして自らの取るべき行動がハタとわからなくなる。
どんな形を取るのが理想で望ましいのか。
真面目であればあるほど悩んだ末回答にたどり着きにくい。
目次
山田轟法律事務所
轟とお付き合いをしている相手遠藤は男同士の関係。
要するにLGBTでゲイなんだろうと思う。
今ならば知っている人もかなり多くなってきてはいるが、物語で描かれた時代だとほぼ社会的な認識は薄かっただろうと思う。
日本の歴史を考えれば、男性同士の関係もそれほどマイナーなものではない。
平安時代ごろから記述に多く見られ、特に戦国時代などは著名な武将は男同士の関係も盛んだったと聞く。
寅子が法律事務所に訪れたのは自分自身の結婚についてよねに相談したかったから。
そのことをしっかり見抜いていたよねのカンも見事としか言いようがない。
“こいつがここへ来るのは何か聞きたい時”
寅子にとって信頼できて忌憚のない意見を述べるよねは必要不可欠な存在。
竹もとでの航一と寅子
寅子はプロポーズを受けてから数ヶ月経ったんだろうと思うがやっと答えを述べることに。
自分が航一と結婚する意味がいまひとつはかりかねていると回答。
結婚しなくても、2人の関係は楽しく愛しいものなことに違いない。
あえて結婚と言う手続きを取る必要は無いのではと考える。
航一はプロポーズする理由についていくつか語っていたね。
これからのことを見据えればきちんとした手続きを終えておくことがベストと考える。
確かに説得力のある言葉で寅子も1も2もなく納得する。
猪爪家でのそれぞれ
猪爪家では直明と玲美の結婚式についての話し合いが行われていた。
話題では、花嫁衣装についての内容。
和装がいいかウェディングドレスがいいのか、この時代の一般的なしきたりがなんとなく読み取れる。
結婚式の案内状とかもたくさん用意されていたね。
最近では結婚式を挙げない夫婦も結構な数に上る。
この時代、たいていの夫婦は必ず結婚式を挙げていただろうと思う。
結婚観について
結婚の形を取る時、今と昔ではそのニュアンスは大きく違っている。
一昔前の記憶では、男子も女子も結婚して、家庭を持って子供を作れば、ひとかどの人間として社会的に認められるようなところがあった。
約束事として、最初に結婚式が必要になる。
結婚適齢期と呼ばれるのは女性の場合20歳前後から25歳位まで。
男性は特に条件をつけられていなかったように思うが、20歳前後位から40歳前位が常識的な適齢期と言うことになるのかな。
直明と玲美は推定では30歳前後と思われる。
この時代にしてはちょっと遅めのような気がしないでもない。
しかし、猪爪家のメンバーの中で1番的を得ていた反応をしたのは花江だろう。
寅子が星航一にと継ぐことにかなりの不安を抱いているような。
と言うのも寅子があまりに鈍感で世の中の仕組みに無頓着すぎること。
花江にしてみれば寅子は星家の嫁になるのだと緊張感のある認識を持っていた。
今日は物語に登場はしていたけどセリフの少なかった優未。
優未も花江同様人間関係の心の機微について驚くほど敏感。
今週のエピソードは始まったばかり。
今日の段階ではまだ原爆裁判については触れずじまい。
重大な案件がこの先に控えていることを考えれば、個人的なことで悩むのもそこそこにしなきゃなって気になってしまう。
虎に翼が描く昭和30年代初期。
頃の記憶をたどりながら、物語のこれからに思いを馳せる。