物語はいよいよ締めくくりが始まったなぁと感じさせる。
寅子と航一は直明のはからいでかつての寅子の仲間たちの祝福で、オリジナルの結婚式を挙げてもらった。
それは裁判の形式をとって判決文を述べる形で結婚を祝福する。
見ていて心温まるシーンの連続。
寅子のかつての仲間たちは皆、それぞれ自分の道を歩み始めていた。
寅子たちの先輩、中山と久保田も同席。
彼ら2人は物語の過去の内容からだと既に法律の世界から退いたような描かれ方だったが、今日の自己紹介の中で再び法律の世界に戻ったことが明かされる。
集まったメンバーたちは、それぞれ結婚していたりいなかったり。
子供のいる人いない人それぞれ。
それにしても婚姻届を出さない夫婦の形について物語で語られた判決文の理論整然とした主文は見事としか言いようがない。
民法で定められた、「夫婦は同一の性を名乗らなければならない」と言う取り決めがあるが、それは憲法の平等の精神に反している恐れがあると断じた主文は脚本家の意図するところなんだろうか。
この1週間かけてLGBTを始めとする社会的少数派の存在も大きくクローズアップされていたと思う。
人がお互いに恋愛感情を抱くのに、異性や同性は問題にならない。
人は誰を好きになっても構わない。
物語がテーマとする所の人との触れ合いや愛情表現がジャンルにとらわれることなく、その人の心の赴くままに、繰り広げられてしかるべきと。
そして、お約束の金曜日、来週の予告編がしっかり公開されていた。
なんとなく想像はできたが、星家ではひと波乱ありそう。
目次
心に残る結婚式
上手な演出だったと思う。
要するに婚姻届は出さないが夫婦として認めてくれと言う裁判事例の形で判決が述べられていた。
主文としてお互い別姓であっても、
夫婦であることを認める。
婚姻届は提出しないので、法律的には内縁関係と言うことになる。
しかし、今でもそうだが結婚することでどちらかの姓を名乗れば、場合によっては不利益の生ずる人もいる。
名前が変わるのはそれなりに重い意味を持つ。
そして婚姻関係でどちらか一方が不利益を被るのであれば、憲法で定められたすべての人が平等であると言う定義に反することになる。
それゆえに、寅子と航一の夫婦別姓は認められるものだと締めくくっていた。
法律家らしい理路整然とした理由が語られていたと思う。
感動で涙が止まらない新婚夫婦。
女子部メンバーのそれぞれの人生
今日描かれたエピソードで注目したかったのは寅子たちの先輩久保田と中山両名。
2人とも1度は法律家としての活動を停止していたはず。
しかし、中山は夫から諭されて今は検事をしているらしい。
久保田は鳥取で今でも弁護士として活動していると語った。
この2人の去就は物語的も大いに興味が湧くところ。
確か、モデルがいたと思ったね。
物語には登場してこないが、それらしいモデルはあちこちに存在する。
見ていて素敵だなと感じたのは、ヒャンちゃん。
この女優は流暢な日本語を操るけど、特に学校とかで勉強したわけではないと聞いた。
アニメが好きで、そのセリフ回しから自己流で勉強したらしい。
それでも物語の中で描かれる彼女の朝鮮人としての日本語の巧みさは見事としか言いようがない。
結婚式からの同窓会
同窓会で、それぞれの現在の活動などが紹介されていた。
今回のメンバーたちは個性的な人たちが多いけど涼子と玉が自分たちのやっているライトハウスの命名について語っていた。
今の山田轟法律事務所のもともとの場所はカフェバー灯台。
実はここの灯台の名前をそのままライトハウスに置き換えて新潟まで。
名前から言えば姉妹店になるような。
実はそのことを知ったよねの反応が素晴らしかったと思う。
驚きと喜びの気持ちを込めて。
亡くなったマスターも喜ぶ。
確かに空襲でなくなっているんだよね。
今は弁護士になったよねは轟と法律事務所を開設。
さらにはこちらに梅子も同居している。
梅子は法律にも明るいが竹もとで和菓子修行もしている。
それぞれが自分の目指すべき未来かどうかは別として納得できる人生を歩んでいる。
これからの人生
物語の最後の数分間で、引っ越し直前の様子が描かれた。
寅子も優未も喜びいっぱいで描かれてはいるが、何の波風も立たないとは思いにくい。
他人の家に入っていくわけでそれなりの配慮は必要になる。
特に、最後に来週の予告編がわずかに公開されたが、その内容はかなり大変そうに映る。
特に麻雀をやる様子が描かれていた。
モデルの三淵嘉子さんは麻雀が大好きだったと聞く。
そして、麻雀の役も少し紹介されていたね。
ピンフ一通。
多分これだけで満貫になると思う。
そして案の定航一の息子と娘は寅子に反発。
どうやらこの辺も史実通り。