くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

虎に翼 どうにもならない現実

描かれた物語は概ね2つの案件が共存する形。

1つは原爆裁判。

そしてもう一つは百合さんの認知症に関わること。

この2つを絶妙に絡ませる形で物語は進む。

原爆裁判はもともと国家間の取り決めで損害賠償請求ができない仕組み。

どうやら物語の中でも語られていたが、桂場のところにも政治的な圧力が加わるように。

当時の政治家たちは原爆裁判をかなり胡散臭いものだと認識していたようだ。

内実はそんなものには関わりたくない、早く終わらせてうやむやにしなければならない

当時の日本の国のあり方が明確に拒否反応を示していた。

そして当時は認知症とは呼ばれなかったが、いわゆるボケが始まった人に対する対応は困難を極めた。

星家の百合さんは今なら当たり前のように、認知症サポーター養成講座で勉強する内容を絵に描いたような事象が続く。

財布のなくなる事件があった。

典型的なモノ取られ症候群。

そして、認知症患者は味覚にも障害が出る場合が。

今日のエピソードの最後で描かれたのは百合さんに対する接し方。

相手の気持ちを察する優未とわがまま放題に育ったのどかでは大きな違いのあることが描かれたが、百合さんに対する配慮のないのどかに優未がキレてしまう

家を飛び出した後、一体どこに行こうと言うのか。

財布がない😰

目次

原爆裁判

ジャーナリスト竹中の記事は大反響を呼ぶ

裁判は、竹中の記事によって全国的に知名度が。

焦った政治家たちは、さっさと終わらせるように桂場に圧力をかける。

おそらくその時中心的な役割を果たしていたのは岸信介本人だと思われる。

A級戦犯を釈放されたときの様子 タバコの火を差し出すのは弟佐藤栄作

彼は昔から言われていたことだが、アメリカCIAの手先。

彼がアメリカの言いなりに様々な方策を決定していたと思われる。

今更何を言っても始まらないが、戦後の日本の方向を決定付けたのは彼とその取り巻きだった事は容易に想像できる。

原爆裁判などさっさと終わらせてうやむやにしなければ、アメリカが嫌がるとでも考えたんだろうか。

東條英樹と商工大臣時代の岸信介

裁判では争点がどうしても賠償責任のあるなしに偏ってしまう。

現実問題として苦しんでいる人たちに手を差し伸べるようなシステムにはたどり着けなかったようだ。

司法が果たせる役割にはおのずと限界が。

この裁判が元になって被爆者救済法が制定されることになり、現代に至っている。

百合さんの認知症

のどかには甘いが…

認知症患者の扱いは世話される方も世話する方も大変な思いで臨むしかない。

典型的な“もの盗られ症候群”だが、よくある財布がなくなる事件。

認知症患者はこの時、自分の身近で1番よく世話をしてくれる人を犯人に仕立て上げる。

いわゆる典型的な濡れ衣だが、このことで認知症患者と関わることを嫌がる人だって出て当然。

普通、あらかじめこういう事件が起こると想定しておけばそれなりに対応方法も。

この時代の認知症では、何もかもが家族の労力で世話をするしかなかった。

治療薬も何もないので、ひたすら嵐が通り過ぎるの待つしかない。

物語で描かれたのは必死で世話しようとする寅子や航一そして優未。

お手伝いさんが承知の上で仕事として引き受けてくれたのが不幸中の幸いだったかも。

それでもとんでもない苦労を強いられるのは物語で描かれる通り。

寅子と航一

抱えているものを夫の僕に話してごらん😌

この頃の寅子は自分自身の更年期障害と八方塞がりの原爆裁判で心身ともに疲弊していた。

梅子は既に更年期を経験 寅子の1番の理解者かも

男性にもあるかどうかわからないのが更年期。

あると言う人やないと言う人も。

私もかなりの高齢になったので更年期かどうかはわからないが、日々体を動かすことが億劫になっているのは紛れもない事実。

体がややホテるような気がするのはそのせいかもしれない。

私の仕事場は冷房がよく効くが、私が常に1番強くしようとして周りの人のヒンシュクを買う。

ひょっとしたら更年期なのかもしれないね。

本人はこんなものかと思って対して気にはしていないが。

航一はそんな寅子にかつてそうしたように無言で寄り添ってくれる。

寅子が手詰まりでいっぱいいっぱいになった時、必ずそばに一緒にいてくれたのが航一。

自分自身の役割をよく知っている。

のどかと優未

優未はのどかを罵倒 蹴飛ばす🤬

のどかは百合さんの認知症に付き合うことを持て余したようだ。

たいていの認知症患者を抱える家族が1番陥るのはここだろう。

認知症なんだからと思いつつも、どうしても真に受けてしまう。

そこでつい本音がポロリ。

百合さんはのどかをかわいい孫として常に自慢しようとする。

不本意な仕事しかできていないのどかは百合さんが疎ましくて仕方がない。

ついに本音をぶちまけてしまう。

そのことに激しく反応する優未。

ばか ばか ばか 🤬😡😭

優未は百合さんは自分にとって大切なおばあちゃんと言う認識。

おばあちゃんに対してなんて失礼な振る舞いをするんだとブチ切れてしまう。

そしてのどかを蹴飛ばしたままどこかへ行ってしまうのだ。

今日の物語はここまで。

認知症患者と対する時、同じように感情を激昂させてしまったのでは対応にならない。

今の時代で多少知識がある人ならそれなりの対応はできただろうが、家族となればそれは難しい。

今週のエピソードは、今日がまさにピークとして描かれた気がする。

この後どんな結末が用意されているんだろうか。