「虎に翼」は今日の放送が終わると、残りは10話。
最後がどんなふうになるのか興味は尽きない。
今日のエピソードでも、ついに退場者が1人。
それは多岐川。
彼がガンで闘病中なのはわかっていたが、厳しそうな様子は物語を見るにつけ死期を感じさせた。
少年法改正案真っ向から批判しようとした裁判所のメンバーたち。
彼らの急先鋒になったのが多岐川だった。
描かれた物語の中で特に注目しなければならなかったのは汐見親子。
今日初めてわかったが汐見は妻のことをずっと隠していたようだ。
そして妻のヒャンちゃんと娘の薫は行き違いがあって険悪な雰囲気のまま。
しかし、今日のエピソードの中で2人は仲直りすることに。
韓流スターハ・ヨンスのハングル語も物語の中に登場。
そして朝鮮女性の食事のときの作法もそれなりに紹介されていたような。
立て膝で食べるのは戦国時代の日本の女性と共通。
の大河ドラマ「麒麟が来る」で詳しく紹介されていたと思う。
ヒャンちゃんの娘薫は母親の出自のせいで結婚が御話算になったとのこと。
母親が朝鮮人であることが問題だと。
この時代、朝鮮人は差別の対象だった。
物語の設定で今まで秘密にしてきたこと、そして宿題のように残された様々な設定への説明が少しずつなされるような雰囲気。
来週の予告編も短いながら公開されていたが、新潟時代のあの非行少女美佐江が再び登場してくるような。
年代的に明らかに合わないと思うので別人だとは思うが、美佐江は東大に合格して法律家の道を歩んだはず。
しかし、詳しい事は語られずじまい。
残りの話数で答えが示されるのかも。
目次
汐見家親子
ヒャンちゃんは汐見とともに終戦直後、朝鮮から逃げるようにして日本にわたってきた。
そして当時、一緒に仕事をしていた多岐川の家に居候。
ヒャンちゃんと薫は親子と言うよりは姉妹に近いかも。
みんな若いから年齢は本当にわかりにくいね。
物語の中では、2人は行き違いがありつつも仲の良い親子の設定に。
少年法改正への抗議文
少年法は当時、少年の犯罪が凶悪化してきたことを受けて年齢の引き下げが諮問されていた。
つまり刑罰を厳罰化すれば犯罪は防げるのではといった発想になる。
少年法はさばくことよりはきちんと更生させることにウェイトが重い。
戦後の混乱期、ストリートチルドレンと言って浮浪児たちが山ほど全国に発生。
生きていくために盗みなど犯罪を犯すしかなかった少年少女。
家庭裁判所はそういった若者たちをどうすれば救済できるのか常に腐心し続けてきたと言える。
多岐川は寅子たちに家庭裁判所のあり方を詳しく説明していた。
そして桂場に連絡はしたもののあえずじまい。
目を通すべきだと言って、書類を机上に置いた久藤。
多岐川は死の床で訴えていたが桂場は門前払い。
しかし、仏頂面でも桂場の気持ちは政治の圧力に司法が屈することはありえないと考えている。
彼は昔から様々な圧力を払い除けて裁判長を務めてきた。
今も同じ目にあっているのは「虎に翼」の設定ゆえかも。
韓流スターの矜持
ハ・ヨンスが立て膝で食事をするシーンが。
物語の中でのやり取りでは、家族にも明かしてなかったような様子。
右膝を立てていたが左でもいいんだろうか。
娘を演じる池田朱那とはさほど年齢差があるようには見えない。
朝鮮人なことを家族にも隠してきた設定。
時代は1970年。
この頃、朝鮮人への差別はまだあったようだ。
日本にはさほど多くはないと思うが昔から差別体質が。
朝鮮人とか部落民とか聞いたことが。
こういったことは今もイジメなどとしてしっかり残っているのでは。
物語を紡ぐ涙
「虎に翼」は残りのエピソードで何を語るんだろうか。
寅子は家庭裁判所の所長として何をすることになるんだろう。
若者に語りかける寅子はモデルの三淵嘉子さん同様、犯罪を犯した若者から詳しい事情を聞き取ることになる。
歴史には三淵マジックとして伝わる。
担当者に決して語ろうとしなかった若者が三淵さんにはことごとく話したと聞く。
物語は時代が容赦なく進み、退場者も。
主人公の寅子も三淵さんの例にならえば70ぐらいで亡くなるものと。
物語の残りに注目するしかない。