カウントダウンの始まっている「虎に翼」
物語は最後までハラハラドキドキ感が継続する作りに。
新潟時代の森口美佐江そっくりの高校生の女の子は今日続きが真っ先に描かれることになった。
並木美雪と名乗るこの少女は駅の階段から男の子を突き飛ばしたことで起訴されていた。
最初は頑なに否定していたようだが、寅子の前では素直に事実関係を認めて謝罪。
短い時間で描かれたシーンだが、どうもこれだけで終わるとは思えないような。
そして山田轟法律事務所での様子。
美位子の尊属殺の上告は未だ受理されていない。
焦りの気持ちが漂う中、轟はむしろ良い兆候だと美位子を励ます。
物語の中では、司法試験に合格した涼子と、寅子よねの様子も紹介。
今日、全編通して登場していたのは山田よね。
彼女がこの物語の中で重要な役割を果たしていることがよくわかる。
よねは尊属殺に全精力を傾注しているような。
彼女と美位子のやりとりや涼子とのやりとりの中に、彼女らしいこだわりが感じられる。
自分を変えることなく司法試験に合格したよねは他のメンバーとは違った確固たる意志のもとに弁護士活動を。
決して自分を曲げることなくそれでいて必死に頑張っている感を見せることもない。
そして星家では朋一が裁判所を辞めたいと発言。
どうやら奥さんに離婚を切り出されたようだ。
自分なりに頑張ってきたつもりだが、これから何をどうやって働けばいいのかわからなくなったと。
それぞれ抱える悩みは、とてつもなく深く簡単に答えの出ることではなさそう。
今日の最後のシーンは航一が最高裁判所長官桂場を訪ねるところで終わった。
何か事件が起こりそうな予感がしないでもない。
目次
少年審判に関わる議論
ついこの間の様子の写メだけど、これは物語が始まった頃にとられた比較できるものが別にある。
少年審判は多岐川や久藤のこだわりをもとに駆け足で創設された。
そのポリシーは未だ健在であると言いたいがどうやら風前の灯。
凶悪になる少年犯罪を受けてどうしても処罰の厳罰化が求められた。
そんなことをしても、犯罪の抑止力にはならないと寅子たち。
物語ではまだほとんど明らかになっていないが、新潟時代の森口美佐江に瓜二つの彼女は、何らかの形でつながりがあるものと思われる。
彼女は、少年事件の審判で起訴されていた。
しかし、事情を調べたところやむを得ない部分もあり寅子は不起訴を決める。
このエピソードがこれだけで終わるのはちょっと物足りない気もするので、どうやら続きはありそうな予感。
寅子のモデル三淵嘉子さんは少年審判にとりわけ思い入れがあったと聞いている。
そしてご本人のYouTube画像も発見。
新潟の家庭裁判所所長になった頃の様子。
発言はとても聞きやすく、相手のことにきちんと耳を傾ける彼女らしさが強く感じられる。
「虎に翼」で寅子はどんな反応するのか、残りの少ない話数の中で語られるに違いない。
涼子の心意気
涼子は無事司法試験に合格。
彼女の場合、店2軒を経営している身の上なので勉強する時間だって自由にはならなかっただろう。
合格しても、法律家は目指さないと明言。
彼女なりのこだわりで、世の中に対する自分自身のアイデンティティーの宣言でもあった。
周りからよくかわいそうだとか、気の毒だとかの評判を受けてしまうらしい。
そのことに対する反骨精神。
涼子は自分の人生を生きていると、しっかり宣言するつもりのようだ。
そして、法律家を目指す人たちに勉強を手ほどきしたいとも語っていた。
その人が取るべき道、進むべき道は、他人がとやかく言うことではない。
決めるのも歩むのも本人次第。
よねのこだわり
よねは美位子に語る形で、自分自身の考えをしっかり主張していた。
彼女もまた自分の人生を自分で生きると高らかに宣言。
そして美位子に聞かせていたね。
弁護士事務所に居続けるのは何ら構わない。
しかし依頼人の話を聞いて自分と比較するのはやめろ
要するに自分の不幸を他人と比べて納得するような真似はするなってことだね。
どこまでいっても当事者は自分。
よねらしい意思表示。
彼女は情報欲しさに身売りさせられた苦い過去がある。
そういった体験も自分が決めて、自分が受け入れたことだからと決して隠そうとはしていないようだ。
物語のずいぶん前のエピソードになると思うが。
星家
家庭裁判所に配属になった朋一の人事異動は明らかに左遷と言っていいだろう。
命令を出したのは桂場。
若い裁判官がこのときの人事で何人も裁判所を去ったようだ。
父親の航一も明らかに何か言いたいような様子。
しかし、あれだけ頑固な桂場が他人の意見を素直に受け入れるとは到底思えない。
今日の最後に描かれたのは桂場を訪ねる航一の様子。
おそらく明日2人の間で深刻なやりとりがあるのではと推察。
先週の予告編でも、それらしい映像がちらりと見えていたので。
それにしても、仕組みを決めるのは人間に他ならないが運用するのもまた然り。
人の心だけは決まり事とは裏腹で簡単に納得できないこと承服できない事は多い。