くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

虎に翼 受け継いだ宿題の重さ

虎に翼はいよいよ最終週。

本編は今日を入れて5話。

物語が始まった頃がまるで昨日のように感じる。

今回の朝ドラはずいぶんと短く感じたもので。

あえて褒め言葉として言わせていただければ、このドラマは面白かった。

さて、物語の最後のエピソードで取り上げられるのは先週から繰り返し取り上げられてきた2つのテーマ。

1つは寅子が生涯をかけて取り組んできた少年少女に対する対応。

物語をたどれば新潟時代に知り合った1人の少女との出会いが出発。

さらには当時知り合った森口美佐江の娘 並木美雪の時代になり2世代をまたぐ形に。

そしてもう一つの極めて重いテーマは、

憲法14条に歌われた平等精神に関わる問題

刑法200条に規定された尊属殺人は憲法違反であると真っ向から争おうとする。

山田よねは寅子とともに「虎に翼」の2枚看板と言える。

よねは最後のエピソードで尊属殺人の弁護人という極めて重要な役どころを果たすことになる。

女優「土井志央梨」の真骨頂と言っていいだろう。

描かれた最高裁判所の大陪審では、中央の裁判長席に桂場。

周りを残りの判事たちがぐるりと取り囲む。

今日語られた内容から判断して、この2つのテーマに結論が与えられる形で物語は終了するものと推察。

物語は1972年当時の設定なので私的には記憶にも新しい。

19歳の私は初めて北海道の田舎を出て、東京近郊で暮らし始めた頃。

夢いっぱいの青春の1ページが始まると思われた頃。

振り返ればそんなに甘いものではなかったが、様々な誘惑や挫折など人並みに味わったことだけははっきりと記憶に残る。

並木美雪の訴状 母親の森口美佐江と同じ行動を…。

目次

星家の家族の計らい

ちちんぷいぷい😝🙂‍↕️

寅子は過去に蓋をしてしまってきたことを再びムシ返されることになった。

新潟時代の森口美佐江は影のボスとして、非行少年少女のフィクサー的存在。

美佐江は寅子も自分の仲間に引き入れようとしていた(赤い腕飾り)

物語の設定から考えると、この頃から既に20年近く経っているものと思われる。

生きていれば37歳くらいになっているはずの美佐江はもうこの世にはいない。

時を経て、彼女の娘美雪が母親同様の過ちを犯そうとしていた。

演じているのは片岡凛 一人二役だから全くわかりやすいね

美佐江の母親が寅子にわざわざ頼み込む形で事情を説明していた。

美佐江は死にました 美雪を助けて欲しいんです😭

美佐江の遺言とも言うべき手帳が寅子に渡され、すべての謎と過去から受け継いだ宿題が今改めて示される。

衝撃の文章‼️ 寅子は美佐江を救えたかもしれない⁉️

人生を思い詰めた美佐江は自分らしさが失われる前に、自ら命を絶ってしまう。

山田轟法律事務所

よねの弁論から始まる大陪審

よねの大陪審での弁論は驚くほどの説得力を持って迫ってくる。

よねはこの一瞬のために弁護士になったと言っても過言ではない。

設定は尊属殺で誰を守るべきかの議論。

昭和25年当時の判例では、同じような事件の時に尊属殺規定は合憲だとの判断が示されていた。

そのことを真っ向から否定する。

もともと尊属規定は人類の普遍的道徳的価値観に基づいているとされる。

今回争われるのは美位子の父親殺しについて。

明らかに殺人を犯したことには違いないが、なぜそうなったかについて詳しく語られることに。

父親は自分の娘に暴力をふるい続け、挙句の果てに性処理をさせ子供も産ませる鬼畜の所業を繰り返してきた。

尊属が人類普遍の道徳意識なら守られるべきは鬼畜の所業を繰り返した父親なのか、それとも被害にあってじっと耐えてきた娘のどちらなのか。

訴えは真に迫っていたと思う。

描かれた映像は予告編でも紹介されていた。

初めて辻褄が合う人も多いと思う。

1972年当時のご時世

1972年 数寄屋橋付近

1972年は私が初めて東京近郊で暮らし始めた頃。

ちなみに、この年は、札幌の冬季オリンピックがあって、日本のメダル獲得も相次いでいたような記憶がある。

札幌冬季オリンピック ジャンプ70メートル級日本がメダルを独占

このニュースが駆け巡っていた頃、私は大学入試であちこち出かけていたような気がする。

どこかの学校に潜り込まなければ、仕事をしなければならない。

全く不純な動機で、私は一生懸命だったと記憶。

最高裁大陪審

弁護人は言葉遣いに気をつけるように😡

尊属殺人について真っ向から立ち向かおうとするよねたち。

もともとこの裁判事例は桂場が航一のの訴えによって採用したもの。

本来は闇に消えて議論の対象になるべき案件ではなかったようだ。

しかし、事件の内容を考えればそのままうやむやにするわけにもいかない。

父親殺しの美位子 二審では有罪判決が 上告で判決が覆るかどうか

最高裁判所長官の桂場は、寅子や航一 また訴えを起こしたよねや轟と同じような立ち位置にいると推察する。

司法の独立がしっかり守られることこそが、法治国家としての日本のアイデンティティーであると信じている。

大陪審の法廷が開かれたことで見ている者たちも、判決が覆ることを想定するのではなかろうか。

桂場が上告での審議に応じたことこそが、何よりの証拠だろうと。

今週のエピソードは始まったばかりだが、今まで登場してきた様々な役割が、さらにきちんとした説明のもと存在意義を語りかけてくることになる。

法廷ドラマの難しさは携わったものでなければ、簡単に理解できるものではない。

脚本家吉田恵里香氏 4歳の男の子の子育て真っ最中らしい

脚本家の集大成が今決着を迎えようとしている。