物語はついに最終回。
これだけ限られた時間の中で何と言う斬新な試みだろうか?
冒頭で始まった今日の寅子は設定ではイマジナリーということなんだそう。
要するに霊魂とでも言ったらいいだろうか。
現実には存在していないが、シャバ世界にいる身寄りの人を頼って姿を表す。
もちろん物語の中の様子だと、話しかけられていた優未はどうやら気がついている風ではなさそう。
そして航一はおそらく90歳は超えているものと思われるが、存命で亡き寅子と意思疎通ができる。
今日は時間軸の設定がなかなか込み入っている。
始まった時は、1999年とあった。
寅子は15年前に亡くなっているとの事。
つまり、1984年にモデルの三淵さん同様亡くなったことになる。
70歳だと思われた。
さて、物語を見ていて感じたのは、男性たちは、それなりに年老いた姿できちんとメイキャップされていたが、女性はどちらかと言えば年齢よりは圧倒的に若く感じた。
そして、物語の中の至るところにサービスとも思えるような特別な仕掛けがなされていたような。
例えば優未と美雪の会話など。
物語の最後に登場した寅子の母親はるのイマジナリーとの会話。
ここなどサービスの極地と言って良いだろう。
時間軸は1999年の様子を描きつつ、一気に1974年まで舞い戻る。
つまり昨日の続きと言うことに。
ドラマは思い出のシーンを振り返りつつ合言葉となった
さよーならまたいつか!で終了することになる。
目次
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1999年寅子が亡くなってから15年
最初に出てきた元気な寅子がただのイメージだったとはね。
そういえば物語の中の優未とは全く意思疎通ができていなかった。
寅子が一人芝居をしているような不思議な映像。
優未はどうやら基本的にこちらでは1人で暮らしているようだ。
航一は施設に入っていて、たまにこちらを訪れるらしい。
朋一ものどかも本来の家は違うところにあるような。
それにしてもみんな年取ったと思う。
1999年の出来事として、男女雇用機会均等法の制定とあった。
本当は10年以上前から議論がなされていて、主にセクハラとかモラハラとかハラスメント系を厳しく制限するような法律が制定され、それは現在も継続している。
ちなみに、現在のハラスメントはカスハラと言う。
カスタマーハラスメント
要するに上から目線で人を見下すようなハラスメントのことを指すようだ。
大声で罵倒することや、侮辱することなど全般が含まれると思われる。
時代は、基本的人権がどのように尊重されるかで様々な規制が設けられつつ現在に至る。
人間の心の中にある「愚かで邪な部分」が制御されることなく野放しになっていることの証かもしれない。
星家のそれぞれ
優未には秘密にしていることがあるらしい。
母親とは真逆のポリシーで生きている彼女は自分がこのまま一生を終えてしまうのは、ひたむきに生きた母親に対して失礼なのではと考えているようだ。
しかし、物語を見ていても、そんな事は断じてない。
優未は私が見ていても、死ぬほど忙しい身の上だと思う。
やっていることが多すぎる。
私も複数の仕事をいくつも掛け持ちするが、必ずと言っていいほど、自分の力の抜きどころを設けて無理がないように心配りしている。
寅子は既にこの世の人ではないが、航一も年齢から考えると、この世とあの世を行ったり来たりしているような不思議な存在なんだろうか。
本人の言葉では、もう少し長生きして、子供たちの成長を見守りたいみたいな発言があったけど。
「寅に翼」の脚本の巧みさがこの辺によく現れていた。
航一が寅子の自慢げな表情を指差して、およそ25年前の笹竹の様子を引き合いに出してきた。
そして物語は昨日の続きの展開に時間軸を変えてくるのだ。
笹竹1974年
桂場は、世の中の人たちは女性に対していまだに偏見を持ち続けている人間としての本質をしっかり見抜いていた。
女性は頑張れば頑張るほど不利益ややりにくさを感じるのではと発言。
それならばいっそのこと、何もせずに、家庭に入っておとなしくしていた方が楽ちん。
ここで、女子部のメンバーと桂場のやりとりが描かれる。
寅子に限らず、世の中を変えようとする勇猛果敢な女性たちはごまんといる発言。
桂場は自分自身の発言が寅子たちには当てはまらないことを納得して、自分の前言を撤回すると言い放った。
そしてこのドラマで初めてだろうか思わずクスリと笑ったね。
笑を称えるシーンは何回かあったと思うけど、実際に笑ったのは今日が初めてだろう。
これからは寅子と同じ志を持ったメンバーたちが、世の中に対して果敢に戦いを挑んでいく。
世の中を変えようと思ったなら、今までの規制概念や偏見などを打ち砕く必要が。
彼女たちならそれが可能だろう。
彼女たちは自分たちが傷だらけになっても、血まみれになってもまるでひるむことを知らないのだから。
地獄の道は最高😍
物語の巧みな作りは寅子たちの祝賀会の様子を一変させる描き方で寅子と母親はる2人だけのシーンに。
はるが微笑みながら尋ねる
たどり着いた地獄の居心地はどう?
最高です♪と頭上で大きな丸を描く。
懐かしい映像がターンバックしながら、物語は大団円を迎える。
物語はここで終了。
さよーならまたいつか!