くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

おかえりモネ 立ち直ることすら拒否する悲しみ

 

今日の物語を見ていてふと感じる。

同じような苦しみや悲しみを経験した人はたくさんいるだろうに。

また様々な映画やドラマの中でも描かれてきたテーマでもある。

私自身も個人的に似たような体験をしているので、その語るべきところが痛いほどよくわかった。

普段テレビや映画を見てもそれほど涙を流す事はないが、

今日の浅野忠信とその周りの人たちのやりとりはとても涙なしには見られなかった。

特に5分過ぎたあたりから、役者としての浅野忠信がどれだけの実力者なのかをいやというほど思い知らされる。

そして周りに存在している役者たちがセリフもないのにその表情でどれだけの感情表現をしていただろう。

わずか15分の朝ドラなのにこれほど心を揺さぶられるとは。

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圧倒的な存在感で演技

目次

お名前.com

5年って長いですかね?

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すべてはあの地震あの大津波から

かつて我が家のあった場所で一晩酒を飲みたたずんでいた新次。

行方不明騒ぎを起こしていたが、耕治には新次の行き先に心当たりが。

亜哉子さんが気の毒そうに

元の家の玄関に座っていたんだわ(涙)

実は新次には嬉しいと思うことがあった。

それは息子の亮ちんがメカジキを50本あげたと報告があったから。

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大きいものは200kg超え

どうしても息子を祝ってやりたいと思ったが、1人で酒を飲んでもつまらない。

そして、最近になっても周りから言われるのは、5年たってもお前はまだ立ち直れてないのか?と。

5年たっても自分はどん底のままなんだと述懐。

それは全てを失ったと自覚している男が生きている自分への痛烈なダメ出し。

新次には壊れた家族、打ち砕かれた夢で時間は止まったまま。

息子の快挙を一緒に祝える美波がいない

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幸せを絵に描いたような家族 美波さんがいればこそ

自分の船を持って息子と共に漁に出る。

それを家で妻が待っている。

思い描いた幸せは叶えられることなく胡散霧消してしまった。

息子は今雇われ漁師として、船に乗っているが、父親の血を受け継いだのだろうか漁師としてのセンスがあるような。

メカジキ50本は確かにかなりの量。

気仙沼はメカジキ漁の一大産地でもある。

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気仙沼のせりの様子 こうしてみると圧巻

最近はマグロの中でも、メカジキを代表とするカジキマグロの料理も人気。

一般的なマグロと違って身は赤くなく白っぽく見える。

しかし、意外と脂がのっていて濃厚な味わいで、もちろん刺身でも食べられるが、ガーリックバターでソテーすればかなりの高級料理。

下世話な話になるが、有名な方法に突きん棒漁がある。

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仕留めるメカジキは1本10万円〜20万円

何気なく進む物語だがちょっと検索してみるとこれだけの有名な産業が裏側に。

こういった漁師たちだと男のロマンを追い求めている部分があるのかも。

俺は絶対に立ち直らねぇ

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歌なんかでごまかされねぇ 俺はどん底のままでいい

永浦家にやってきた息子の亮ちん。

父親の話をたまたま聞いてしまったことで、俺が1曲歌ってやるよと。

それはある意味やけくそで、母親をなくした気持ちを代替えしようとした。

ほとんどめちゃくちゃな「かもめはかもめ」を歌ってはみるが、父親新次が癒される事は無い。

俺は絶対に立ち直らねぇ

誰が立ち直ってなんかやるもんか😡

悲しみを通り越すと人は怒りで満ちてしまうのだろうか。

しかし、この怒りの矛先はどこにも持っていきようがない。

激しい怒りと憎しみは自分自身に向かうしかないのだ。

新次の苦しい胸の内が手に取るようによくわかる龍巳じいちゃん。

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藤竜也の涙ぐむシーンはまさに絶句

同じ漁師としてその胸の内が嫌と言うほどよくわかる。

話を聞いても慰める言葉すら思い浮かばない。

自分の不幸はもちろん大変なことだが、自分の仲間や親しいものが不幸な目に合っていると周りにいるものは全く同じ苦しみを味わうのかも。

演技をしている浅野忠信を始め、周りの役者たちの熱演が見ているものを涙させる。

特にこの物語ではセリフになっていない沈黙の部分で語ることがとても多い。

役者たちは表情や仕草でその胸の内を克明に描ききるのだ。

親世代子世代

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どちらの世代も皆ちゃんとした真心で繋がってる

耕治は妻亜哉子さんに心から感謝の気持ちを述べていた。

親友の新次が唯一言うことを聞いたのは亜哉子さんだったからと。

他のものが何を話しかけても、絶対に聞く耳を持たなかったやつだから、亜哉子には本当に感謝している、ありがとうと。

そして、新次はこれからも変わる事はないと思うと。

気長に付き合ってやるしかねぇけど、よろしく頼むと。

子供たちの世代もとてもいい子たちだよね。

この親世代の苦しみが子供にもそのまま受け継がれているような。

この物語の登場人物は他人の痛みを自分のこととして感じることができる人たち。

それは、真心と言う部分でしっかりとした人格が形成されているから。

苦しんでいる人を見かけたならタダで放っておくわけにはいかないと、心の中に優しさがしっかりとインストールされている。

さて今週のエピソードは明日完結するのだが。

どのようなオチが用意されているのだろう。