万太郎が大窪の申し入れを受け入れるかどうかが、物語の注目すべきポイント。
大窪の言葉が、昨日のエピソードの続きとして、さらに描かれることになる。
東大の植物学教室は今まで何のために研究を続けてきたのかが、今日初めて明らかになった。
大窪の説明によれば、今まで真剣に植物について研究しようと思う人はいなかったとのこと。
しかし、万太郎がやってきたことによってそれぞれが気がつき始めたと言う。
純粋に草花を愛する人がここにいる。
万太郎は、今までの研究室にいた人とは全く違っていたと語られた。
何の思惑もなく、ただ草花が好きだと言う理由でそこにいる。
大窪の話によれば田邊教授でさえ、植物研究が目的ではなかったと言う。
それは、流行の学問を手がければ、きっと自分の名前が世の中に知られるのではと考えていたらしいのだ。
人間関係も含めて、万太郎の存在が植物学の研究に心から没頭できる姿勢を生み出したと言える。
物語は、主人公万太郎の存在意義が初めて明確に語られた。
目次
大窪と共同研究
大窪曰く、万太郎がやってきてから何のために研究するのか胸に手を当てて考えてみたそうな。
万太郎がやってくる以前はブラック田邊に気を遣って何とか気にいられるように、ミスをしないように気が気じゃなかったと語っていた。
ところが万太郎はただ純粋に草花が好きでそこにいる。
万太郎を見て、自分も純粋に植物が好きな人になりたいと。
そういえば、この物語の最初の頃は大窪も徳永助教授も万太郎を除外しようとしていたよね。
学歴もない素人の無頼漢など、大学に出入りすること自体を許してはいけないと。
万太郎の周りの人の人間関係が大きく転換した瞬間でもある。
植物学を選んだ理由
植物学を専攻した理由についても詳しく語られていた。
初めて出てきた学問だから、頑張れば自分の知名度が上がるのではとみんな考えていたらしい。
田邊教授でさえ留学先で最新の学問と教えられて飛びついたと語られていた。
本当に草花を愛していて研究しようとしているのはみんな万太郎が初めてだったようだ。
純粋に草花を愛でるなら、万太郎の立ち位置こそが正しいのだと、みんなが少しずつ気づき始める。
万太郎がお願いする形で、共同研究が始まった。
万太郎にしてみれば、東大が所有している様々な文献や標本などを自由に閲覧させて欲しかった。
そのためには、たいていの申し入れは受け入れるつもり。
万太郎の願いは、自分が名づけ親になること。
それ以外はどうでもよかったのだ。
研究に没頭
2人が研究に没頭している様子が詳しく描かれていた。
文献を隅々まで読みあさって該当するもの全てをピックアップ。
選び出されたものを1つずつ検証。
どこにも同じものがないことを確認して、初めて新種の植物であると発表することができる。
それは結果が出るまでは驚くほどの根気と熱意がなければ、到底続けられるものではない。
そして、植物学教室ではあの徳永助教授も味方になってくれた。
この人は登場した時は、万太郎の天敵とも言えるような存在だったはず。
物語のこの場面でしっかり味方になってくれている。
植物に関する様々な文学を愛でるロマンチックな一面を持ち合わせている。
ブラック田邊は徳永助教授に激しく詰め寄っていたね。
大窪の共同研究を認めてしまったことが許せなかったのだ。
それに対して助教授はむしろこちらからお礼をするべきだと。
槙野は実績を譲ってくれた。
ブラック田邊は自分自身の研究が行き詰まっていたせいもあって、ぐうの音も出なかったよね。
着々と進む計画
十徳長屋ではいよいよ石版印刷機の搬入の日がやってきた。
長屋の仲間たちが大勢手伝ってくれる。
特に2部屋を仕切っていた壁をぶち抜いたのは女性陣。
石版を磨くスペースを倉木たちが作ってくれる。
万太郎はいよいよ研究に邁進すると同時に、目標である本の発行が叶うことになった。
今週のエピソードでは、自分自身の書籍を発行することで、植物学者として世の中に出ていくことを目指した万太郎を取り巻く人たちの様子が詳しく語られることに。
明日で物語は1段落するはずだけど、これからが万太郎の真骨頂になると思う。
モデルの牧野博士は、研究活動を続けるに当たって、莫大な借金をこしらえた人としても知られる。
そして、その借金をやりくりする担当になったのが寿恵子。
原作のモデル牧野寿衛さんも同じ苦労をしたと伝わっている。
奥さんの内助の功があったから、博士は存分に研究活動ができたはず。
らんまんでは浜辺美波が演じる寿恵子がその役を担うはず。